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#トヤマビト。Vol.13

富山には魅力あふれる人たちがたくさん。

知れば知るほど好きになる!

そんなトヤマビトたちとの 出会いや学びを

ぽつぽつと書き記していきたい。


第13回目は まちなかエンタメの仕掛け人といえばこのお方🎥

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株式会社EVERT(エヴァート)
代表 田辺 和寛(たなべ かずひろ)氏

です!ぱちぱち!👏


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(グラフィックレコーダー:misaさん)


▶ 音楽との歩み。

射水市出身で、現在は富山市の中心部に拠点を置く田辺さん。

ミニシアターほとり座や商業施設SOGAWA BASEなどの運営、イベント企画を行う傍ら、DJとしても活動している。

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📷:SOGAWA BASEはまちなかの人気スポット。

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📷:SOGAWA BASE店内。お土産にも嬉しい品揃え。


田辺さんといえば、独自のオーラをまとっている。

「話しかけづらい」と言われることもよくあるんだとか。

この風格を形成した源泉はどこにあるのだろうか…?



田辺さんは幼い頃から、映像や音楽といった“表現”を楽しむことが好きだった。


その気持ちが強くなったのは中学生の頃。
ブラックミュージックへの憧れが芽生える。

ブラックミュージックは訴えだとか、語りだとか、主張することができる
反骨的なところがあるのですが、そこもかっこいいなって思いましたね。


中学を卒業後、すぐにクラブDJとしてプレイヤーの道を進み、上京。

10-20代の頃は、自身の主張を音楽に乗せて表現することに特化していたという。

“自己ありきの表現”の考えは、東京で過ごした10年の音楽を通して出会う場所や人々とのふれあいの中で、徐々に変化していった。


東京でカルチャーカフェのお店で働いたことがきっかけで、さまざまなジャンルの音楽家や絵描きたちなど、いろんな人が集まるコミュニティに関わることがあった。

いろんな人との関わりを持ち、自分じゃない世界観に関心を持つようになりました

言葉に乗る愛情や想いがわかるようになったり、人の歌が素直に聴けるようになったり。

「この人とこの人を組み合わせればオモシロイんじゃないか。」
といった、自分抜きでのコラボを考えてみたり。

企画者の観点から発想が浮かぶようになりましたね。
生活の上でも考え方がやわらかくなったと思います。

田辺さんと音楽は、密接な関係にあるようだ。

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📷:SOGAWA BASE前の広場でDJを披露する田辺さん。


▶ 後に残るコミュニティづくりを。

東京での生活が10年を迎えようとしていた頃、
お店のオーナーに「お前は同じ場所に居続けない方がいいよ」と促される。

次の拠点を考えていたところ、3.11の東日本大震災が起きた。

3.11のとき、東京の電車の中で激しい揺れに遭遇しました。
なんだか「富山に帰れ」と言われているような気がしたんですよ。

何も変わらずに生きていくことがダメなのではないかと思いました。

東京は、楽しい場所。でも消耗が早い。

後に残るような。つくり出したコミュニティが生き続けるような場所へ行こう。
富山は、そういった場所だと思った。だから、帰ると決めました。


富山に帰り、まちなかで『HOTORI』と名付けたイベントスペースを拠点として構えた。

東京で「富山って…」ってから始まるネガティブな発想をよく聞いたんです。
その発想を根っこからひっくり返そうと思って。

もっと暮らしの中で“体感”を増やすことが必要なのではないかと思います。

その後ご縁があり、その場所でミニシアターを運営することとなる。

そこは“映画館の概念”が変わる新しい映画館だ。

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📷:中央通りのHOTORI。


▶ 固定概念ひっくり返せ!

田辺さんは東京にいた頃、よくミニシアターに通っていたという。

東京にいた当時、『アップリンク』というミニシアターが好きで。
そこは椅子がバラバラだったんですよ。とても驚きましたね。
“映画館は椅子がそろっているものだ”という固定概念を壊されました。
「映画館はこうあるべき」と勝手に思っていた部分があったんですよね。

自分たちも固定概念を壊せる場所をつくっていきたいと憧れました。

2016年9月、富山市のまちなかで愛された映画館『フォルツァ総曲輪』が惜しまれつつも幕を閉じることに。

そこで、当時まちなかでイベントスペースを運営していた田辺さんのもとに映画館運営のお話が舞い込む。

「まちなかから映画館を無くしたくない」という想いは、ミニシアターファンの田辺さんも共感できた。

配信が主流になってきて、まちなかに20席しかない映画館は必要ないのではないかと言われたこともありました。
それでも覚悟を決めて、いい映画を選んで、いい音で体験できる場所であれば、必ず気持ちが伝わってまた来てもらえる。

自分がいいと思ったことを信じてやろうと思いました。

現在は場所を移し、さらに設備を充実させている。

予告のセレクトや音響、ドリンク。
映画に付随するすべてのことにこだわって作品を届けている、ほとり座。


特別なひと時を楽しめる、まちなかのほとりとなっている。

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📷:こだわりの作品がセレクトされている。

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📷:ほっとひと息がつける、カフェスペース。


▶ 持ち寄り、育む。

田辺さんは自身が代表を務める株式会社エヴァートという組織を、こう話してくれた。

個立した複合体だと思っています。個で立っているんです。
個性の集合体。餅は餅屋。
みんなが均等にできる組織って面白くないと思います。

メンバーそれぞれの考えや 得意とするスキルを持ち寄り、活かし合っているという。


まちも個性の集合体だと思います。
無秩序に見える秩序が、そもそものまちだと。

きれいに統制されたまちは、ショッピングモールと一緒じゃないかなって。

人もまちも、個性があるからこそオモシロイ!!


田辺さんに今後の富山での活動について伺うと、

お金だけがまわるまちはおもしろくない。
人の力が絶対に必要になってくると考えています。

富山は自然が豊かで、食べ物が美味しくて・・・
気づいていない富山の魅力を、押し付けがましくなく魅せることが必要で。
高飛車にならずに、当たり前な顔してやる人って少ないのではと思います。
以前は「好きだからやっている」っていう人が自然にごろごろいました。

それぞれの考えや、やれることを持ち寄って
そういうまちに“戻す”ではなくて、新しく“創造”したい

人と文化とまちを育んでいきたい。共に。

共に、という言葉を大切に置くように語ってくれた。

文化って生活そのもの。そこで暮らしている人が日常的に行っていることが文化。

富山から外へ出たとしても、帰ってきたくなるような。
自慢ができるような暮らしができる文化のある場所でありたい。

自信をもって「富山へおいでよ」って言えるような暮らしの豊かさを育んでいきたいです。

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田辺さんならでは言葉から気づきやヒントをたくさん頂きました。

同じく中心市街地を拠点に活動する者同士としても、どんどん情報交換をしていけたらなと思っています!


富山が大好きな人を増やしたいですね、と笑顔でインタビューを終えました。

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最後まで読んでいただき、ありがとうございます🌷


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