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HATCH de #トヤマビト!Vol.01

さまざまな富山の魅力は“ヒト”の力があってこそ輝いている。

富山で活躍する人にスポットを当て、富山の魅力を知るきっかけをお届けしたい。

とやまインキュベーション中央通りオフィスHATCHにて、トヤマビトのトークセッションを行いました。

第1回目 eスポーツで富山を盛り上げている仕掛け人!

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株式会社 ZORGE(ゾルゲ)
代表 堺谷 陽平(さかいだに ようへい)氏

▶ ゲーマーが活躍できる機会を。

堺谷さんはもともとプレイヤーとしてゲームが好きでした。

eスポーツという言葉ができる前は、ゲーマーたちが腕を魅せ合う大会が無いことが当たり前でした。

ゲーマーたちの活躍できる機会がないなら、自分たちで好きなものを作ってやればいい。

堺谷さんは高校生のころからお小遣いを集めて自主企画の小さな大会を繰り返し開催していたそうです。

今や一大イベントになっているトヤマゲーマーズデイも、最初は堺谷さんの財布に入っていた5万円から始まりました。

たくさんのゲーム好きな仲間の協力のもと、工夫を凝らした大会を考えてきました。

廃校を活用したり、酒蔵で地酒を楽しみながらの大会を企画してみたり。

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廃校

また、優勝メダルを高岡の伝統産業の技術で作製し、地元産業のPRにも貢献。

工芸
高岡の伝統産業、鋳造の技術。

堺谷さんたちのこの取り組みが『地域の活性化につながるのでは』と自治体の目に留まりました。

2018年からのゲーマーズデイは自治体が主体となって開催され、参加者数も大幅に伸びました。

新川

そして2019年に高岡市で行われたゲーマーズデイでは約3200名が来場。

動画でご覧いただけるように、ただもくもくとゲームをやっているだけではなく、こぶしを突き上げたり、互いをたたえ合ったり、コミュニケーションが生まれたり。

臨場感あふれる実況中継まで・・・!この熱量はまさにスポーツ!

このように堺谷さんがローカルならではの工夫を凝らしながら数々の開催を重ねてきたことで、富山は全国からも注目されるほどeスポーツがアツい県なのです。

▶ ブームではなく文化として根付かせる拠点づくり。

2020年4月、高岡市御旅屋通りにeスポーツが楽しめる県内唯一の施設 Takaoka eParkがオープン。

eスポーツをブームではなく文化として根付かせたい
そのための活動拠点をつくろうと思いました。

高岡の中心市街地は衰退が著しいが、あえてそこに場所を設けました。

しかし堺谷さんはもともと場所を持つことに批判的だったといいます。

こんなところに普段誰が来るんやろって思うけど
ゲーマーズデイを見ていてもわかるように、だいたい立地の悪い会場で開催していてもたくさんの人が集まります。
アニメの聖地巡礼とか、好きなものがあるだとか、明確が理由があれば人が来るんだなと実感しています。
だからこそ富山駅前という一般的に想定が出来る好立地に必要に拘らなくとも、これまでも活動をしてきた高岡駅前でもいいかなと。

時はコロナ禍真っ只中。現在は人を集めることができないのでオンラインでの配信を中心に施設を活用しています。

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STAY at HOME推進イベントとして地元プロスポーツチーム選手とのコラボ企画も配信。

▶ リスタートからの気づき。

毎年華やかな成長を魅せてきたトヤマゲーマーズデイ。

しかし2020年はコロナウイルスが流行。

開催するかをかなり悩んだそうです。

イベントってやっていくうちに何のためにやっているのかわからなくなる。
いままで大きく開催していたイベントを一気に小さくしたらどうなるんだろうと考えました。
これを機にリスタートしようという気持ちで規模を縮小して思い切って開催を決定しました。

堺谷さんは、2019年のようなeスポーツらしい競技的な大会ではなく、純粋にゲームを楽しめる内容にしようと考えました。

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開催地となる射水市はベイエリアで紅ズワイガニが有名。
そこで、カニとカニが対戦する“カニノケンカ”という親しみやすいメインタイトルをセレクト。
賞金ではなく、紅ズワイガニを賞品として提供しました。

かに
SNSで大手に取り上げられ話題になり、地域のPRにも。
いみず
射水市長もゲームで対戦。
むず
ご当地ゆるキャラも参戦。

現地開催・YouTube配信、どちらも大盛況!

継続的にやれることが大事だと改めて感じました。
華やかなものを予算掛けてやればいいっていうものではないかなって。
地方は地方なりの身の丈に合った規模感で、うまく中身を詰めていけばいいと思います。

▶ 地域課題はチャンス!

僕たちのeスポーツは地域課題とマッチングさせてやっているもの。
地域課題はチャンス。決してネガティブなものではないです。
でもeスポーツを取り入れたら地方創生になるんじゃないかとよく言われるけど、eスポーツは地方創生そのものじゃなくて、ひとつのきっかけです。

また、堺谷さんはイベント運営によく学生を巻き込んでいるそうです。
いまの高校生や大学生はICTや動画作成など、大人顔負けの専門的なスキルをものすごく身につけているのだとか。

大事なのは主体性のある人を増やすこと。
人が育たないと地域がおもしろくならない。
アウトプットする場所がないから東京に出ようという学生もいるが、そこを富山で一緒にやろうと誘わないと。
周辺市場を巻き込んで地域がおもしろくなっていって地方創生に繋がる。
eスポーツはその過程であると思っています。

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地方の魅力は既にある。
あるものをどう有効に活用するのか。

eスポーツを切り口にローカルならではの可能性を広げていく
堺谷さんの今後のご活躍に大注目!

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2020/12/21にHATCHで開催されたトークイベントの様子。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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