#トヤマビト。Vol.12
富山には魅力あふれる人たちがたくさん。
知れば知るほど好きになる!
そんなトヤマビトたちとの 出会いや学びを
ぽつぽつと書き記していきたい。
第12回目は 地域を元気にする空き家活用といえばこのお方!🏠
家印(やじるし)株式会社
代表 坂東 秀昭(ばんどう ひであき)氏
です!👏ぱちぱち!
(グラフィックレコーディング:misaさん)
▶ 建築家への強い憧れ
富山県朝日町出身の建築士 坂東さん。
現在 朝日町に自身の建築設計事務所を構え、地域に根付いた活動をしている。
坂東さんが建築士になりたいと志したのは大学生のとき。
きっかけは建築家が活躍するドラマだったんだとか。
とにかくキムタクが演じる建築家がかっこよくて。
建築士ってかっこいいな、自分もこうなりたいと思いました。
それから“将来住みたい家”を自分の家と照らし合わせながら
日をまたぐほど図面を何パターンも書き始めるようになりました。
こんなに夢中になることは今までなかったんです。
将来こんな暮らしができるのではないかと描いたものが、“形として残っていく仕事”というところにも憧れましたね。
大学卒業後、必ず富山県に戻ってくることを父と約束し、建築を学ぶために県外の専門学校へ。
コンペでは数々の作品が表彰されるほどの才能を発揮。
当時の作風は安藤忠雄や海外の建築家の非日常的なものに憧れていました。
大人になるにつれて、健康とか自然とか、長く愛着をもって住める家を深く考えていくようになりました。
木造で地域のものを使って、職人さんたちと一緒に作る家っていいよねという考えに変化していきました。
▶ 困難の中でも諦めない
晴れて建築士となった坂東さんには、長く苦しい困難が続いた。
就職先の建設会社が破綻。自宅で設計事務所を始めるも、実績も信用もお金もなく、仕事がこない。
ガソリン代も払えなくなり、家の中に引きこもるようになったこともあった。
母親からは建築の夢をあきらめ、会社員になって家にちゃんとお金を入れられるようになってほしいと厳しく言われたことも。
しかし、坂東さんは諦めたくなかった。建築を続けたいという強い気持ちは消えなかった。
どうすればうまくいくのか。実績はこれから作っていくしかない。
仕事をもらうには・・・地域の人から信用してもらわなければ。
信用を築くために自分ができることはなにか。
自分には健康で丈夫な身体がある。この身体で地域に貢献しよう。
まずは空き家を借り、DIYでリノベーション。
自身の設計事務所として看板を掲げた。
📷:大きなガラス戸で、開かれたイメージの“家印”オフィス。
そして地域の人たちと繋がる場としても提供。
いままで自宅を設計事務所にしていたので地域の人になかなか知られることもなかったのですが、看板を出すことでまずは知ってもらい、コミュニケーションを交わすことを積極的に行いました。
コミュニティをつくり、お料理を持ち寄って交流会をしたり、お誕生日をみんなで祝ったり。
空き家を活用し、みんなが笑顔になれる場を増やしていきました。
そうやって地域との交流を深めていくうちに信頼関係が築かれ、仕事もうまくいくようになったという。
▶ 想いを発信する
坂東さんがコミュニケーションを交わす上で大切にしていること。
それは、『自分の想いを常に発信し続けること』。
富山の方は「周りになにか言われるのではないか」と控えめで遠慮しがちな人が多いかもしれません。
でも、ビジョンは持つだけでは実現できません。
常に発信し続けていかないと、協力してくれる人が集まらない。
多くのことは一人では果たせないと思うのです。
数ある空き家のリノベーションのうち、
印象に残っているというカフェ HYGGE(ヒュッゲ)。
オーナーさんは移住者の方です。
「朝日町で居心地のいい場所をつくりたい」と自分のやりたいことを言葉にして、それに協力したいと地元の方がボランティアでたくさん集まりました。
完成後には“ヒュッゲロス”って言葉が生まれちゃうくらい、みんながジブンゴトとして参加していました。
想いを発信することで周りを巻き込みながら実現する。
一緒につくることで自然と愛着が湧き、ファンになる。
みんながこのお店の営業マンになって人を呼んでくる。
地域の人たちと、手作りでつくりあげたお店。
建築は完璧に作ることも良いのですが、
完璧じゃなくてもみんなの居心地が良ければいいのです。
▶ 想いを実現できるまちへ
“想いを実現できる人”をまだまだこれから増やしていきたい。
朝日町は県内でも最も過疎化・高齢化という危機に直面しているという。
朝日町にも新しい人たちがたくさん来て、元気な人が増えて。
みんなで支え合っていけることに繋がればと思います。
朝日町での暮らしが楽しく、素晴らしい場所だと思ってくれる人が増えれば増えるほど、地域の人たちの想いも変わってくる。
ここにいる人たちが誇りを持って暮らせたり、楽しく暮らす姿を見せつけられるくらいになることが、人を呼び寄せるために一番効果的。
空き家を活用し、外と中が混ざるような拠点を増やしていきたいです。
穏やかに丁寧に紡ぎ出す言葉には熱意がこもっていました。
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『社員が幸せじゃないとお客様に良いサービスができない』とお話ししていた坂東さん。
HYGGEでの取材後、家印のオフィスや倉庫も見学させていただきました。
社員のみなさんのいきいきとした明るい笑顔がとても印象的でした。
あたたかいおもてなしに感謝です✨
家印さんは、本当に素晴らしい朝日町の拠点なんだなと感じました。
富山にこういった拠点が増えて、全体が盛り上がっていけるように私も微力ながら携わっていきたいです!
最後まで読んでいただき、ありがとうございます🌷
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