さいたま国際芸術祭2023の雑感(おもにアクセシビリティ・Webサイト不親切問題など)
さいたま市民です。
3回目にして、初めて、芸術祭に行ってきました。
今回は行くぞと始まる前から決めていて(理由は後述)、にもかかわらず、最初に心が折れそうになったのが
Webサイトのわかりにくさ問題
でした。
「いつ、どこに行ったら、なにが見られるのか」
という最も基本的な情報が、直感的にわからないんです。
サイトは、その後何度見ても、わかりにくい。
あまりのわかりにくさに理由を探ってみました。まず致命的だと思ったのは…
「アクセス」のページに、全会場の場所と開場の情報はあるのに、なんの作品があるのかが記載されていない。
作品情報へのリンクも当然ない。
「地図をみて面白そうな作品をいくつかまわろう」みたいな予定の立て方が全くできません。
そもそも
作品一覧がない、アーティスト一覧がない
メイン会場以外の出展アーティストと作品の紹介がない
後者は、その後、内容をある程度知ってから、いくつかの検索を経て、「イベント」のなかに「展示」という枠組みで紹介されていることを発見するのですが。
メイン会場の展示とアーティストは、「芸術祭について」のメニューに説明されているので、そのほかの展示は「イベント」のなかから探すという発想にはならなかったです。
その「イベント」のページだって、目に入るのは「今日のイベント」の羅列なので、メイン会場以外の展示の一覧をみたいと思ったら
[すべてのイベント]をクリック→[その他の会場]×[展示]を選択
してやっと表示させることができます。
だれが初見でそんなピンポイントの検索の仕方ができるねん!
展覧会は静的な作品を見る、という発想自体を疑うような、展示もひとつのイベント、という位置付けなのかもしれませんが、一庶民目線では、ものすごく不親切なWebサイトの作り方だと思いました。
(実際に、展示はごく一部でそのほかの膨大な企画がありました。多過ぎて、外の人からは、なにがなんだかわからなかったです。)
Webサイトだけでなく、市報に挟まっていた芸術祭の案内、プログラム一覧なんかも保存して臨んだのですが、やはりわかりにくかったと思います。
この時点で、前売り券はフリーパスを買うのをやめて、ONE DAYパスにしました。
なんかもうぐったり。
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というわけで…
ONE DAYパスでもって、ここだけは行こうとメイン会場へ行きました。
旧市民会館おおみや。
これまでにもイベントなど何度もお世話になった馴染みの場所です。
建物や空間のポテンシャルはすごく高かったと思います。
これ作っちゃうのか(市の芸術祭で)、という驚きや新鮮さもありました。
ホールのバックヤードを眺めるのは面白いなあと思いましたが(数人がリハみたいなをやってました)…すごくワクワクまではいかなかったです。
ここでもやはり、案内や導線のわかりにくさがあり、移動のバリアも大きく、わかりにくいことも全部が見られないことも企画なんだと言われても、その意図にまでたどりつけてない感がありました。
そして、作品を丁寧にみることができない感覚、出展作品の輪郭がぼやけていく感覚にももやもやがあり、結果的に、楽しいと感じた部分よりも、もやもやする印象の方が強かったかんじです。
個人の感想です。
終盤は、メイン会場は、Xで割と話題になっているのも見かけましたし、参加者の方の感想は概ねよかったようにも思います。
美術手帖の特集にもでましたね。
市外からも若い世代をふくめて現代アートへ関心のある方が多くいらしたのでしょうかね。市が行う芸術祭としてチャレンジングな企画で、ポジティブな部分もあるかもしれません。
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私が感じている課題感は2つあって、ひとつは、アクセシビリティのこと。Accessibility。利用のしやすさ。
Webサイトがとにかく見にくい、メイン会場以外は全くわけがわからないことは上述しました。そして、この投稿に共感したので引用します。
メイン会場のバリアについて、車椅子ユーザーへの対応は言及がありました。
「…お越しいただく際は可能な限りのサポートをいたします。車いす用階段昇降機をスタッフが操作いたしますので事前予約をお願いしています。」
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もうひとつは、市が、市の決して少なくない予算(税金)を使ってやる芸術祭ってどうあるべきなんやろうか?
あるべきの前に、どう考えたらいいんやろうか?(市民の自分としてと、もう少し広い視野でと両方)ということ。
アクセシビリティともつながる話です。
今回の企画は、ハードルを低くして広く市民の方に参加してもらおう、というものではなかったように思います。
市民サポーターになったり、市民プロジェクトに参加したりすれば、もっと自分ごとになって楽しめたのかもしれませんが、一見さんとして参加するにはハードルは低くなかったです。
広報の課題もあったと思いますが、そもそもそういうコンセプトではないし、来場者の数では評価しないというもの。
是か否かではないと思いますが、どう考えたらいいんだろう…と考えていて、今のところ答えがでません。
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さいたま国際芸術祭2023 サポーター(ボランティア)募集中!
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そうそう、予算を貼っておきます。
2023年度予算(全体6,690億円)のうち
さいたま国際芸術祭2023開催に、4億5,358万円、だそうです。
4.5億円
私の考えは、そもそも単発のイベントに大きな税金を投入することには反対なので、これだけのお金をかけるのであればもっと・・・という議論もないですが、予算の使い方としての検証は必要だろうと思います
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私はもともと美術館や展覧会が好きで、時間を見つけて、よく鑑賞に行っています。新幹線で遠征することもあります。新潟の大地の芸術祭も3回行きました。
それなのに、地元のさいたま市の芸術祭は、過去2回、どうにも関心が湧かなくて一度も行っていませんでした。
今回は市政には関心があり、知り合いで芸術祭にかかわっている人も複数いて、参加してみようと思いました。なんでこんなに関心が湧かないんだろう、というのを知りたいとも思いました。なにかコメントするにも見てないものはコメントできないというのもありました。
プロデューサーの方のトークイベントにも参加してみました。
体験してみてよかったと思いつつ、考えはまとまりません。
最後に、これは好みの問題ですが、ロゴと広報物のフォントがどうしても好みではなかったです。