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さいたま市岩槻人形博物館の見学

先日、市の予算が話題になり…
どんな文脈か忘れたのですが、盆栽美術館が話題になり、その予算をみていたら、「人形博物館」が目に入りました。

2023年度
盆栽美術館 予算8600万円  そのうち一般財源が6000万円。
人形博物館 予算1億4000万円  一般財源が約1億円。



予算の話で、この金額が、どうなのか?
て、正直言って、全然わからないなあ…と思います。
美術館/博物館の運営費が1億、と聞くと、そんな金額でできるの?と思うし
でも、税金を1億、と聞くと小さくない金額にも思えてくるし。
1億をさいたま市の有権者110万人で割ると、90円くらい?で、あれ?90円なら払ってもいいかとも思うし。
  

全国的に文化財への公的な支出が削られているという雰囲気には、それって問題だよな、と思うし(実際のところの数字の根拠は知らない)。
民間委託になったら、1億の赤字、をそのままにしておけるわけはないから、補助金とか入るにしたって、今の運営体制では続けられないだろうし。


みたいなつっこみがいろいろ湧いてきて、結局のところ、この予算が妥当なのかって、どうやって判断したらいいんだろう?と思いました。
私は美術館好きでよく行きますが、1ミリも関心もない、って人もいますしね。
市の一般会計全体では7000億くらいなので、1億は 1/7000。

ちなみに割と話題になる
・さいたま芸術祭 4.5億 
・クリテリウム 2億
の予算のようです…。

とまあ、そんな計算やぐるぐる思考をしていたのですが、とりあえずは見てみようと思い、人形博物館、初めて行ってきました。
「1億の税金」と思いながら…。


2020年にリニューアルオープンしていることを知りませんでした。
さずがに綺麗な建物でした。
グッズもリニューアルしたんですかね、というこじゃれたグッズあり。
入館料は一般300円。
小ぶりの展示室が3つ。2つが常設展で1つが企画展。最初の常設の部屋は、人形の作り方を学べる体感型の展示。
人形ができていく過程、工芸品としてや芸術品としての人形は、初めてそういう視点で見てみたけれど、とても面白かったです。
すごく精巧で、この技術は、すごいんだろうな…と。

ポジティブな感想としては以上で・・・以下は気になったことです。

・とにかく人が少ない
滞在時間30分はこえてたと思うけど、その間の来場者は6名。
同じ敷地のお向かいにあるカフェは、満席近くの賑わいだったので、静けさが際立ってました。
(なお、その併設施設の目的が「岩槻の歴史及び文化の発信、産業及び観光の振興並びに地域のにぎわいの創出に寄与すること」と書かれているのを読んで…なんとも皮肉だと思いました。せっかく賑わいは創出されているのに博物館には全く人が流れていないという。)

・特色のない展示
奇を衒わないところはいいと思うけど、オーソドックスな展示で、遊び心がなく、中途半端感が残りました。(人形ができるまでの工程はよかった)
私はゼロ知識なので、最初に、人形の一覧(人形の種類、特徴、画像、年代)があるとその先理解しやすかったかなあとか。ガイドブックにのってた「お雛様の飾り方」のパネルが展示室にもあったらよかったのに、とか。もう少し、親しみやすくなるような、ポップで視覚的な説明があるといいかなと思いました。
一方で、人形の知識のある人にとっては、もっとマニアックな情報があるといいのではというか、マニアックさも全然なかったなあ…という印象でした。

・人形店とは仲悪いんですかね?
公的機関なので。の一言で終わってしまいそうですが、あからさまな営業活動はできなくても、生きている街、今起きていることと、繋がってないような印象を持ちました。これはただの印象。
だけど、商業的な団体とか展示とかそういうのもあるんじゃないかなーと帰宅して検索したら、でてきました。
・岩槻人形協同組合
・岩槻人形優良店会
・まちかど雛めぐり(イベント)
・12カ月の催事カレンダー(いろいろやってるやん)
など。
そういうパンフレットくらいは置いたらいいのにね。
マップをおいて、岩槻人形めぐりというか、行き来しやすいように。
伝統に縛られず柔軟にアレンジしてるものとかないのかなあとか。
企画展のなかで、この10年の岩槻の出荷額の推移、というグラフがあって、結果横ばいで、減ってないってすごいなと思ったんですが、どういう工夫をしているのかとか、新しい試みがあるのかとか、素材の進化とか、IT化とか…。
なんか横のつながりもだけど、未来へつながるイメージも、博物館の展示からは持てなかったです。

まとめると「ココは伝統工芸の博物館で採算は度外ししてやってる公的施設です」感が全面にでた、よくあるかんじの施設でした。うーん辛口、すいません。


2023年春頃に書いた記事を今頃公開しました

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