それぞれが放つ煌めくもの
「切り取って残しておきたい」ものがある。
少し水気を含んだ風が部屋に流れ込んでくるとき
昨日より明らかに香りが濃厚になったクチナシの気配がするとき
大切にしているものを衒いなく大切だと言い切る人の素晴らしさに触れたとき
むすこの優しさがつくづくしみたとき
そういうときに私はシャッターを切り、私の中にある言葉の棚から欠片を繋ぎ合わせ、素晴らしいと感じたことをそのまま伝える。
これらに共通しているのは
『こころが動いたとき』だ。
自分のこころが動いたときは、たとえ一瞬であっても私だけが捉えられる何かがある。
そのセンサーはみんなにあって、そして大切なものに違いない、と思っている。
私のこころが動いたとき
あなたのこころが動いたとき
そんな大切な一瞬が、今も世の中にはいっぱい煌めいているのだろう。