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天使たちとの共同戦線(一章、罪と罰への誘い)

?「ダメよ。貴方達を天界に存在させることはできないわ。貴方達は神の力を得たことで傲りが過ぎたわ。今後、私の許しがあるまでは天界に入らぬように。」

?「クフフフッ、言われずとも入りませんよ。私は地上で好きにさせてもらいます。」

?「好きにはできないわよ?地上にも天使が見廻るから。」

?「そうかい。まあでも、僕たちには関係無いけどね・・・。」


~~~~~


ミィディア「はぁ・・・毎日毎日、なんでこんな目に遭わなきゃいけないんだよ・・・。」

俺の名前はミィディア。

俺は今、地獄のような毎日を送っている。

家では虐待があり学校ではストレスが溜まる日々。

母親は気に食わないことがあると小学生である俺を蹴り飛ばしてくる。

それに対して口答えすると家から追い出され暫く入れてもらえない。

家に入れないからと近くの公園でボーッとしていると

「いつまで外にいるんだよ!早く家に入れよ‼」と言い家まで引き戻してくる。

また飯を食べている時もグチグチと嫌味が止まらない。

常にイライラしていて機嫌を損ねると当然のように足や手が飛んでくる。

俺は手や足が飛んでこないように機嫌を取る。

そのせいで心が休まる暇がない。

こんな毎日を送っていると当然だが精神的におかしくなってくる。

そのせいか食事をする時は気が抜けるのか止まらない涙を拭いながらご飯を食べたことも幾度となく経験した。

心が休まるのはお風呂とトイレだけ・・・。

しかしそのお風呂も外から怒号が飛び急いで服を着て怒られに行く。

そんな生活を続け小学五年生になったある日。

ついにマンションのベランダから飛び降りて自殺しようと思い立つが

「(生きる希望も無いけど死ぬ勇気もない・・・。)」

そんなことを思いながらその場で泣き崩れた。

そんな時俺の耳に不思議な声が入ってきた・・・。

?「君は何故そこまで親の言うことを真面目に聞いているんですか?」

ミィディア「だ、誰⁉」

?「そんなことはどうでもいいんです。何故君は親の言うことを真面目に聞いているんですか?」

ミィディア「何故って・・・どうしようもないから・・・。」

?「このままでいいのですか?復讐したいとは思いませんか?」

ミィディア「復讐って・・・したいけど・・・無理だ。」

?「・・・そうですか。でしたら少し考えておいて下さい。では、いずれまたお会いしましょう・・・。」


~~~~~


?「面白い人間を見つけました。私たちに染まる可能性のある人間を・・・。」

?「珍しいね。僕らの声が聞こえる人間なんて。」

?「確かにそうですね。大切にしなくては・・・クフフフッ・・・。」


~~~~~


あれから時は経ち俺は中学生になった。

モブ「なあ!ミィディアの好きな人って誰?」

ミィディア「え?居ないよ。」

モブ「嘘つくなよ‼居ないわけないだろ!誰だよ‼」

ミィディア「(は?マジで居ないんだけど。ってか今恋愛どころじゃねーんだよ。マジでウゼーな、コイツ。)嘘じゃないって。いないよ。」

モブ「本当かよー、嘘つくなって‼」

ミィディア「だからいないって‼しつけーよ‼」

モブ「何キレてんの?生意気なんだよ‼」

・・・殴られた。なんで殴られなきゃいけないんだよ。

はぁ・・・生きていて本当につまらない。何が楽しいんだよ。

他人の好きな人を聞いて。あーイライラする・・・‼

?「大変そうですね。」

ミィディア「誰⁉」

モルテ「私は智天使モルテです。」

ミィディア「モルテ・・・?天使・・・?」

モルテ「私のことはモルテと呼んで下さい。」

ミィディア「・・・分かった。で、どうしてモルテは俺のところに来たの?」

モルテ「いえ、ちょっと暇だったので来ました。」

ミィディア「暇って・・・まあ、天使とかそういうのちょっと興味あるし楽しそうだから良いけど・・・。」

モルテ「・・・どうせ他の人と話す気はないのでしょう?」

ミィディア「まぁ話が合わないからね。」

モルテ「でしょうね。好きな人が居ないというのは周囲の人間から見たら特殊ですから。」

ミィディア「・・・おかしいのかな?好きな人が居ないのって。」

モルテ「特殊ではありますがおかしくはありません。ミィディアは今までの生育環境が特殊だったので〝恋愛や趣味〟などより先に〝生存〟に意識が向いているのでしょう。なので周囲の者たちと価値観や考え方が少し合わないのでしょう。」

ミィディア「生存・・・か・・・。」

モルテの話を聞いて色々なことに対して合点がいった。

周囲の人全てに対してイライラすることや話している話題や内容に興味が湧かず共感も出来ないことが。

周囲の人々は〝恋愛や趣味〟といった娯楽を満たすことにある程度の意識を向けて生活をしている。

つまり〝生存〟という大前提が保障された生活を送っている。

しかし俺はこの大前提である〝生存〟を毎日脅かされながら生活をしている。

つまり生きるのに必死なのだ。

周囲の人々は〝楽しむ為に生きている〟のに対し、俺は〝生きる為に生きている〟のだ。

常に瀬戸際。

脅かされることなど決して許されない。

周囲の者はまだ娯楽から生存のレベルまでは落ちることが出来る。

落ちても死なないからだ。

苦しくはあるだろうが。

マズローの段階で表すと周囲の者は3段階の社会的欲求で色々想いを馳せてるのに対し、俺はなんとか1段階・2段階の生理的・安全の欲求を行き来しながら保っているというイメージだ。

当時の俺の心はそれほどまでに危機を感じていた。

そんな心持ちの状態でヘラヘラ楽しそうにしている奴がいたらどう反応するだろう?

恐らく一種の殺意の様なものが周囲に芽生えるであろう。

いやむしろ視界にすら入らないだろう。

気にかける余裕すらなく只々その日を生きる為に我武者羅になっているだろう。

こんな心持ちの状態では当然話も合わない。

そして恋愛という気分になることもない。

〝生まれて初めて接する他者〟である親に暴力を振るわれ生命を脅かされれば人を信じられなくもなる。

信じて危うくなった経験が身体の記憶に刻み込まれている。

本当に信用出来るかどうかじっくり確認しないと無理だ。

しかしそう身体では感じていてもそれを確認すること自体が無理であること。

またその行為自体が相手に不信を募らせ更に信用出来なくなっていくという悪循環になっているということは頭では分かっていた。

こうした周囲との意識の違いから俺は〝生〟を感じるものや圧倒的な力に強く惹かれていった。

天才や圧倒的な能力。

未だかつて誰も勝つことが出来たことが無い存在に。

そんな存在になれたら・・・どんなに気分が良いことだろう。

今現在置かれている最底辺の状況から解放されるだろう。

周囲の人間なんて微塵も興味が湧かなかった。

寧ろ邪魔でしかない。

こっちが何かやろうとしているときに口を出し手を出し横槍を入れてくる。

その挙げ句こう言うのだ。

「手が止まってるよ!」と。

手が止まってるよじゃねーんだよ。

お前が割って入ってやり始めたから手を止めてるんだろ?

お前が止めさせてるんだろ?

勝手に入ってきておいて何で色々言われなきゃなんねーんだよ。

相手が出来るどうかを確認せずに口を出し邪魔をする・・・相手を理解しようとしない存在。

それが俺にとっての他者であった。

先の大地震の時だってそうだ。

俺たちは中学生だった為地震が起きた時校庭の中心に集められた。

そして教師の指示を待っている時俺は周囲の様子を見てふと

「集団下校かなー・・・(めんどくさいなぁ。)」

と思ったことを呟いてしまった。

そして暫く待ってから出された教師達からの指示が、ドンピシャで集団下校だった。

「凄いじゃん!当たったじゃん!ミィディア‼」

一人の女子生徒がそう言ってきた。

「そ、そうだね笑(別に普通に考えればそうだろ。大地震なんて起きたら、学校としては生徒をそのままでは返すわけにはいかない。学校としては安全に生徒を家まで返さなきゃいけない。そこで状況もロクに分かってない時に取れる措置なんて、教師を伴っての集団下校くらいだろ。頭悪いなコイツ。)」

もう挙げればキリがない。

そうした生活の中でストレスが溜まっていた俺は竹刀を振ることで発散していた。

中学生の俺は剣道を習っていた。

しかしやる気はまるっきりなかった。

なんせ一時間の練習を練習が始まる時間に家を出て遅れて行きその後、五分もあれば済む着替えに二十分程かけて三十分だけ嫌々やって帰る・・・という有様であった。

この剣道は親に無理やり習わされていた。

親に「嫌ならやめれば?」と言われ「じゃあやめたい」といったら「じゃあ他に何やるの?」と言われ習わされていた習い事の一つである。

うちの母親ははっきり言って毒親だ。

スポーツの習い事は何かしらやってないと・・・という考えを持っていて何もしていないことに対してグチグチと文句を言ってくる。

俺は文句を言われない為に習い事を止めることが出来なかった。

なのでどれも長く続かなかった。

サッカー、剣道、個人塾と・・・他にも色々やらされた。

でも剣道だけは少しやっていて良かったと思う。

何故なら当時の俺は両親共々憎んでいたからだ。

殺してやりたくて仕方が無かった。

剣道をやっていても〝剣道より剣術の方が知りたいな・・・〟なんて思っていた。

そして剣道と剣術の違いを調べながら殺し方を研究し想像していた。

人間をどれだけ無慈悲に、圧倒的に、他愛もなく、鮮やかに、優雅に、美しく、合理的に殺すか。

それを考えることは小学校の頃よりも多くの危機を感じ体験していた俺にとって、良いストレス発散になった。

今思えばこの頃の俺は倫理観や道徳観が吹っ飛んでいただろう。

アニメや漫画の残酷な描写を見る度に心の汚れが取れたような気持ちになりその後更に重い気持ちになる・・・それを繰り返していた。

その後様々な殺し方を学んでいくと同時にふと心の隙間に戦国時代の侍が刀を握っている時どんな心境で握っていたのか・・・そんな考えが頭を過ぎった。

殺さなければ殺される。

しかし誰も好き好んで人を殺そうとは思はない。

ということは殺したくないのに殺さないと・・・‼という葛藤があったことは想像に難くない。

この葛藤は想像に難くはないが想像を絶するものだろう。

その相手が家族や親友だったなら・・・想像したくない。

現代では他人を殺さないと生きられない状況など稀有に等しいだろう。

しかしそれが“時々”という頻度で起こっていたであろう戦国時代の剣術は望まずともレベルは上がっていく。

上がらなければ終わりなのだから。

それを思った時俺は何故剣道よりも剣術に惹かれたのか。

それが分かった気がした。

そういったことを感じ思いながら中学時代を過ごした。

両親を殺す妄想は数えきれない程したが実際に両親に手をかけることはなかった。

しかしその妄想にも拍車がかかり、ただ殺しただけでは自分が今までされた仕打ちや苦しみを与えることが出来ない・・・と次第に思うようになっていった。

そう思い始めてから俺は剣術という〝物理的〟に殺すという方法から、催眠や幻術や暗示といった〝精神的〟に殺す方法に考えが移っていった。

心を殺し廃人にしようと考えていた。

その頃には俺も高校生になり両親を精神的に苦しめて殺すにはどうしたらいいか・・・を考えていた。

その時に心理学に出会った。

「人の心を支配すれば復讐も果たせるしひいては学校にいる面倒な奴らを支配して楽に生きることが出来る!」と。

一種の直感的な確信があった。

小学校の頃に心を殺された俺自身の無念を晴らす為。

人は自分の身に降りかかって初めてことの重大さに気付くという。

「今までの苦しみを菓子折りつけて返してやろう・・・。」

そんな気でいた。

よく「復讐は良くない‼」とか言う奴がいるが、それは復讐しないと気持ちが前へと進めないという感情を無視した意見だ。

高校生の俺はもう後には引けなくなっていた。

そうして親への復讐を決めた時あの天使はまた現れた・・・。

?「お久しぶりです。ミィディア。」

ミィディア「‼。お前小学校の時に来た!」

セイ「はい。セイと申します。以後、お見知りおきを。」

ミィディア「・・・何の用だよ。」

セイ「いえね、復讐をしたいように見えたのでお力をお貸ししようかと・・・クフフフッ・・・。」

ミィディア「・・・・・・。」

セイ「したいのでしょう?復讐。今まで苦しめてきた親達に対して。」

ミィディア「したいけど下手には出来ないだろ。普通に殺せば犯罪なんだぞ?」

セイ「ならば、心を殺せばいいじゃありませんか。あなたの心理学の知識と私の力を使って皮肉としてお返ししてあげれば良いのですよ。」

ミィディア「でもどうやって?」

セイ「具体的には私にあなたの身体をほんの少し貸してもらえれば可能です。私がミィディアに乗り移り親にさえ近づければ、まやかしの力を使い魂を永遠に光が差すことがない牢獄へとお送りしましょう。」

ミィディア「・・・送ったらどうなるんだ。」

セイ「死にます。しかし失敗すれば人間界の西洋で呼ばれるゾンビの様に“生きた屍”のようになります。」

ミィディア「生きた屍か・・・。」

少し話は戻るが俺が高校生になった時家庭環境が少し変わった。

いや、変わったというより俺が少し成長したことで変わって見え始めた。

本当に毒親なのは母親ではなく父親であることが分かり始めた。

母親は母親なりに苦しんでいたことを知った。

父の稼ぎが少ないせいで母も家事をしながら働いていたこと。

それにも関わらず父は二人の子供(俺と9歳離れた妹)の為に仕事を増やそうとはせずあろうことか子供のお金を使ってまで転職を繰り返し、転職の際にうまれた家族への借金を返そうとしないこと。

その転職の影響で生活費も足りなくなり子供のお年玉を泣く泣く切り崩しながら生活を成り立たせ、母の母(俺のおばあちゃん)に「なんでちゃんと貯金しなかったの!」と怒られ挙げ句一生懸命働く姿を見た父から「働き者だね。」と言われた時は殺意が湧いたことなど母の苦労を聞いた。

俺自身も夜中にふと目が覚めた時に暗闇で母親がすすり泣いているのを見た時は自然と涙が溢れ悲しくなった。

その背景を伝えれば最初は父も変わってくれるだろうと高校生の俺は甘く考えていた。

しかし伝えた父親から返ってきた言葉が

「一家の長が困っている時は身銭を切るのが当然だ。」

と一蹴し話すら取り合ってもらえなかった。

俺は我慢出来ず激しい怒りをぶつけた。

「自分の転職に子供のお金を使うのが当然なわけがないだろ!第一、母さんは給料が下がるのに転職して何を考えているんだって言ってるし!俺もそう思う!それに仕事探すまでの生活費は俺たちのお年玉から出てるんだぞ‼俺が幼稚園の頃に自己破産だってしてるのに・・・なんとも思わないのかよ‼」

「・・・当然だ。」

「・・・‼(もういい。もう我慢出来ない。母親だって苦しんでるのにこのまま我慢してたらずっと苦しむだけだ。早くコイツを殺さないと・・・‼)」

俺は苦しんでいる母親と八歳になる妹を人質に取られている気分だった。

待っている間にも母や妹は不自由な暮らしを強いられる。

ましてや妹は家族の間で何が起きているのか知らない。

俺は知ったことで昔の俺のように自分の人生に絶望してほしくない。

自分の未来を諦めて廃人のように生きてほしくない。

しなくてもいい絶望を味わって欲しくない。

今この状況動けるのは自分だけ。

妹だけはどんなことがあってもこの毒牙から守りたい。

そんな一種の覚悟の様な決心を俺はした。

たとえ自分の親を殺すことになっても刺し違えてでも妹の未来は守る。

これほどまでに強い約束を自分自身としたのはこの時が初めてであった。

それにこれ以上コイツが変わるのを待ってはいられない。

親が生きるのに子供の命を削って子供の未来を奪って当然と思っているような頭のイカれた奴を親と呼ぶ気も失せた。

「親が生きる為に子供を犠牲にするのが当然だと思っているならきっとその逆も分かってくれるだろう・・・。」

そうした想いから俺はセイと共に父親を殺すことにした。

セイ「で、どうしますか?やりますか?」

ミィディア「ああやる。但しすぐには殺さないでほしい。」

セイ「何故ですか?」

ミィディア「苦しませたいからだ。苦しませて泣きながら謝るまで苦しませてから殺してほしい。」

セイ「・・・そうなると問題が一つ。」

ミィディア「なんだそれは。」

セイ「あなたの身体が私の力の負荷に耐えられるかですね。」

ミィディア「負荷?」

セイ「そうです。私たちの力は神から授かりし力。人間の体で使うには負荷が大き過ぎる。例えるのであれば鉄のボールに溶岩を注ぐようなもの。長時間使用を継続すれば最悪ミイラ取りがミイラになるでしょう。」

ミィディア「・・・俺の方が先に死ぬってことか?」

セイ「そうです。あなたの満足のいく結果が得られるかどうかはあなたの体の耐久力と精神力次第です。またこれは私都合になりますが、あなたの方が先に逝きそうであればその時点で退かせて頂きます。それでもやりますか?」

ミィディア「・・・ああやる。もう死んだように生きるなら俺の命でアイツを地獄の道連れにしてやる。」

セイ「・・・良い心意気です‼それでは、行きますよ‼」

ミィディア「ああ‼」


~~~~~


俺はセイと共に父親に近づいた。

セイ「(あれが父親ですか?)」

ミィディア「(ああ。そうだ。)」

セイ「(成程・・・。{これは思っているよりまやかしが効かないかもしれないな・・・。})

ミィディア「おい。」

父親「なんだ親に向かってその口の聞き方は。さっきも言ったが意見は変わらな——。」

ミィディア「(いまだ!セイ‼)」

セイ「(ガディーリ・イン・ジーロ‼)」

そうセイが唱えると父親の顔は瞬く間に醜く変化していった。

ミィディア「ハァハァ・・・。(セイ。どうなったんだ?成功したのか?)」

セイ「(魂の四割は送ることに成功しました。ですが殺すことは叶いませんでした。恐らく人としての心を奪うまでですね・・・。)」

ミィディア「(・・・そうか。分かった。)」

この出来事の後からクソはどんどん不幸が重なりやがて家庭内のパワーバランスが変化していった。

クソ(父親)に虐げられていた母親は変わり果てた父親の姿を見て最初は動揺していたが今まで溜まっていたものがあるのか

「何があったか知らないけどいい気味だね笑」

と言っていた。

しかしこの復讐には思わぬ副作用をもたらした。

ミィディア「なんか人間を辞めた気分だな・・・。」

セイ「・・・では、私は消えさせて頂きます。」

ミィディア「ああ・・・。」

俺はもう普通の人として生きていていいのか考えるようになってしまった。

親に手をかけた(が失敗してしまったが。)事実を受け止め切れずに後悔した。

どうしてこんなことになってしまったのか。

俺は普通の人として生きていきたかっただけなのに。

それなりに仲の良い友達がいて好きな人がいてそれなりに楽しい生活が欲しかっただけなのに。

今は好きな人が出来てもこんな奴相手に申し訳ない。

それにそんな気分にはなれない。

生きているのか死んでいるのか。

自分でも分からない。

人を殺そうとした時の感覚が暫く身体が強張って抜けない。

俺はまるで一生かけても償い切れない罪を犯した犯罪者になってしまったかのような感覚に襲われた。

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