天使たちの日常戦線(終章、知るということ)
モルテ「・・・はあ。」
ノーヴェ「お、どうしたんだよ?モルテ。大きなため息なんかついて。」
モルテ「いや、時々考えてしまうんですよね。私自身の能力について。」
ノーヴェ「・・・予知か?」
モルテ「ええ。私の使える神力は天界で唯一禁止されている予知です。勿論、何故禁止されているのかは重々承知しています。」
ノーヴェ「まあ、お前の予知は数ある中でも最上の、観察者効果までフィードバックする予知だからな。」
モルテ「はい。しかも見たい時系列の予知が的確に見れてしまうタイプです。」
ノーヴェ「何日の何時何分何秒に何処で何が起こるってところまで見れるもんな。」
モルテ「はい。なのでビランチとネニアが私の力を封じてくれているのですが、それでも、予感というものが天使の中で一番働いてしまうんですよね・・・。」
ノーヴェ「・・・予知って、どうやって封じてるんだ?」
モルテ「時間支配と構築の神力を使って封じているそうです。そもそも予知とは、私の魂が肉体から完全に離れて未来に行き、その見た未来が現実になるまで神力で無意識に固定してしまう力らしいんです。ビランチは“魂が肉体から離れて未来に行き、固定してしまうまでが一連して無意識下で行われてしまっているから、意識でコントロールするのは無理ね。だからあなたは悪くないわ。”と言ってくださいました。ネニアは“多分、未来の固定は見るという行為がきっかけで行われているね。”と相変わらずでしたが、私はその何時ものネニアの姿に、何処かそんなに重く考えなくてはいいのではないか?と感じることが出来、とても心が救われました。そうして二人はまず時間固定の神力で私の魂が未来に飛ばないよう制限をかけ、そして構築の神力によって、その時間固定が継続的に続くよう組んだのです。そうすることによってビランチが神力を注ぎ続けなくても、永久的に能力が封じられるようになったのです。」
ノーヴェ「・・・そんな壮大な封印だったんだな。」
モルテ「ええ。ですが、さっきも言ったように予知は封じられていても予感はいつも働きます。」
ノーヴェ「それって・・・大逆の時とかか?」
モルテ「はい。まあ勿論、悪いことだけではありませんがね。」
ノーヴェ「・・・ミィディアと話が出来ることも予感していたのか?」
モルテ「いや、それは幸いしていませんでした。しかし、神力が封じられていると返ってその神力に関することについて意識してしまうんですよね・・・。」
ノーヴェ「成程な・・・。あのさ、俺これからヴェンとラスポに会いに行くんだけど一緒に来てくれねーか?」
モルテ「・・・何故です?」
ノーヴェ「いや、予知についてもっと知りたいし、それにそんなに考えちまうならいっそ考え抜いた方が良くねーか?」
モルテ「・・・確かに、考えるという行為が止められないのであれば一度徹底して考えた方がいいかもしれませんね。」
ノーヴェ「だろ?じゃ、行こうぜ!」
モルテ「はい。」
~~~~~
ノーヴェ「よう!待たせたな、お前ら!」
ラスポ「いえ、そこまで待っていないのでお気になさらず。」
ヴェン「同じく。・・・それより、今日はモルテも一緒なのですね。」
モルテ「迷惑ですか?」
ヴェン「いえ、まったく。」
ラスポ「ただ、珍しいですね。」
ノーヴェ「まあな。それと今回はちょっと真剣な話をしたいんだ。」
ラスポ「・・・それは、彼の神力に関することでしょうか?」
ノーヴェ「流石ラスポ。鋭いな。」
ラスポ「どうも。」
ヴェン「では、今回話したいこととはモルテの予知についてですね?」
ノーヴェ「ああ。そうだ。」
ヴェン「具体的にはどのような話をするのでしょう?」
モルテ「私としては、私自身の神力について話したい・・・というより、聞きたいのです。あなたたち二人が予知についてどのような考えを持っているのか。」
ヴェン「成程。」
モルテ「勿論ノーヴェの考えもですが。」
ノーヴェ「・・・りょーかい。じゃ、始めようか。俺は予知って神力はお前にぴったりだと思う。確か予知の神力は天使の中でも知恵を極めた奴にしか出ない神力だよな?」
モルテ「ええ。」
ノーヴェ「ってことは、お前は今の天界の中で一番知恵を行使するのに優れた天使ということの証明をその予知はしている。」
モルテ「まあ、そうですが何故智天使の私がこの力を持っているのかが分かりません。」
ラスポ「・・・それは恐らく、天使の中で一番感情に左右されず決断を下せる冷静さをあなたが兼ね備えているからだと思う。あまり良くない言い方をすれば酷な決断を下せるということだが、時にはそういったことは必要になる。」
モルテ「しかし、感情に流されない決断なら私よりビランチやネニアのほうが適切だと思います。」
ヴェン「・・・彼女たちの場合は、知らないからこそ決断出来ている面もあるように思います。確かにビランチは感情の機微に乏しい。ですが、大逆の時はイプノを仕留め損なっています。これは恐らく、ビランチ自身でも自覚出来ない心の迷いからくるもののように感じる。ネニアも傍目から見れば揺らがないように見えますが、彼女の心はずっと悩んでいる。それはもう苦しくなる程に。それが常態化している。二人とも感情に流されないわけではない。」
モルテ「・・・そうなのですか。」
ヴェン「ええ。ですがモルテはどんな残酷な事実を知ったうえでも、合理的な決断を下せる。私にはそう見える。例えばですが下界にあるトロッコ問題で確実に犠牲にしなければならない一人がもし自分自身だったとしても、あなたは決断出来る。自分が消えると分かっていても、心を痛めながら迷いなく決断するでしょう。」
モルテ「・・・まあ、してしまうでしょうね。私の消滅が未来に必要なら。」
ヴェン「ビランチより前の天使長たちはみなそうでした。私たちが存在の危機にさらされた時は真っ先に己の存在を賭け、守ってくれた。」
ノーヴェ「・・・けど、そんなやり方は残された天使たちに悲しみを生むだけだ。」
ヴェン「ええ。」
ノーヴェ「ってか、予知ってのは代々天使長が開花する神力だったのによ・・・酷だぜ。」
ヴェン「しかし、ビランチがもしこの能力を開花していたら前天使長と同じ結果を辿っていたでしょう。」
ラスポ「・・・寧ろ、天使長以外で開花してもらえて私は良かったと思います。」
ノーヴェ「・・・何でだ?」
ラスポ「こうしてみんなで助け合える。天使長の場合は誰も知らず誰も意見出来ませんでしたが、モルテの場合はこうして勇気を出して話してもらえましたし、私たちも知恵を出し合って、一人で抱え込ませることもさせずに済む。」
モルテ「・・・確かに、一人だと出ないような考えがあなた方と話していると私も出ますしね。」
ラスポ「そうなのですね。」
モルテ「ええ。しかし・・・これはビランチを攻めているような形になってしまうのであまり言いたくはないのですが、予知の神力が天使長から私に代わってから天界は大きく変わりましたよね。」
ノーヴェ「・・・まあな。けどよ、俺はいい変化だと思うぜ?」
モルテ「何故そう思うのですか?」
ノーヴェ「だってよ。これだけの天使がいんのに、ビランチが天使長になるまで、天使の仕事を全部天使長一人にやらせてたんだぜ?しかもそれを誰よりも分かっているからって理由で。別に予知をしてしまったからって、天使長一人が全部を背負うことなんてねえだろ。予知の結果が悪いから天使長が全部悪いなんておかしくねえか?」
ヴェン「・・・確かにそれはそうですね。問題なのは予知の力であってそれを行使する者ではない。」
モルテ「・・・誰も悪くありませんものね。」
ノーヴェ「そう、誰も悪くない。」
モルテ「・・・あの、ノーヴェ。私、もっと他の天使の悩みを聞いてみたいのですが・・・よろしいですか?」
ノーヴェ「全然いいぜ!・・・ついていくか?」
モルテ「いえ、一人で行かせて頂きたい。」
ノーヴェ「はいよ。じゃ、こっから先は三人で話そうぜ!」
ラスポ「りょーかいです笑。」
~~~~~
ウナ「お、モルテ珍しいじゃないか。どうしたんだ?」
モルテ「・・・力部門の皆さん。唐突で申し訳ないのですが、皆さんの悩みを聞かせてはもらえないでしょうか?」
イアス「・・・何か悩んでんのか?」
モルテ「はい。」
モルタ「その様子だと相当な悩みだな。」
モルテ「ええ。実は・・・。」
フォー「話したくなかったら無理に話さなくてもいいぜ!」
モルテ「え?」
ヴィツ「なーに驚いてんだよ!誰だって話したくねーことの一つや二つはあるだろ?気にすんな!」
モルテ「(・・・いいのか。)では、お言葉に甘えさせて頂きます。」
ガンペーデ「じゃ、端から順に各々の悩みを話すか?」
フォリア「そうだな。」
モルテ「(こんなにあっさり・・・いいのか。)」
シュルケル「じゃ、私からだな。私はな・・・出番が少なくて悩んでいる。」
モルテ「・・・はい?」
シュルケル「聞こえなかったか?」
イアス「いや、はっきり聞こえた。悪い汗。続けてくれ。」
シュルケル「そうか。さっきも言ったが私は出番が少ないことに悩んでいる。まず、共同戦線。ここには出番がなかった。まあここは我慢してやろう。神話と神話の真相には出られたからな。次に天界戦線。ここも時々ちらっと出られた。・・・モブのような扱いだがな。最後が今回の日常戦線。今度こそ!今度こそ主役級の出番があると期待していたのに・・・!何なんだ!この扱いは!同じ権天使のラーナですら一章分任されているというのに!」
イアス「そ、それを言ったら・・・俺やウナだって、一章分の出番はなかった・・・ぜ・・・?」
シュルケル「共同戦線ではなかったかもしれないが、天界戦線では大逆で主役をしていたでしょう!」
モルテ「(・・・メタ過ぎる悩みですね。)」
フォリア「シュルケル。それを言ったら俺もないぜ?」
フォー「地上にいたもんな。お前。」
フォリア「ああ泣。」
モルタ「それを言ったら俺のほうが扱いがひどい。これでも中天使なんだぞ?俺もレナやアッズのように大逆で重要っぽい話をしたかった・・・。」
ガンペーデ「あれだろ?戦える智天使はなんとか・・・ってやつ。」
モルタ「そうだ。そういえばレナと一緒に戦ってたもんな。お前。」
ガンペーデ「・・・まあ・・・な。」
モルタ「ちょっと誇らしげなのがむかつくな。」
ガンペーデ「しょーがねーだろ!事実なんだから!」
ヴィツ「ってかさ、一個人というよりも力部門全体が出番少なくね?」
フォー「・・・確かにそれは言えてるな。」
フォリア「判断とかが出番多いのは分かるよ?司令塔的ポジションだし進行に重要だから。」
イアス「・・・問題は。」
ガンペーデ「奇跡部門だろ!あいつら出過ぎじゃね?やらかしまくってるのによ!」
ヴィツ「・・・やらかしてるから、出てんじゃね?」
ガンペーデ「・・・取り上げやすいから的な?」
ヴィツ「そう。」
モルタ「それに比べてこっちは・・・。」
イアス「真面目にやってんのに大した出番なし。」
フォリア「いやになっちゃうよな・・・。」
シュルケル「他の天使部門なら出番が多いのもまだ許せる!だが堕天使達の出番がそこそこ多いのが私は許せん!」
イアス「それな!確かに堕天使は数が少ないから回ってくるのが早いにしても、出過ぎだよな!」
ヴィツ「あいつら共同戦線だと四章分くらい出てるぜ?」
モルタ「セイとイプノ二章分ずつだな。」
シュルケル「天界戦線、日常戦線でも結構食い気味に出ている!」
モルテ「あの・・・。」
シュルケル「締めるか?」
イアス「いや、流石にそれはまずくねえか?」
モルテ「あのですね・・・。」
ガンペーデ「それより、何でこんな話になったんだ?」
モルテ「それは、私が悩みを聞いたからですよ・・・!」
イアス「も、モルテ・・・どうした?」
モルテ「あなた方の悩みを聞いていたらですね、とても悲しくなってしまって・・・泣。」
フォー「だよな・・・!泣けるよな・・・!」
フォリア「もういい!みんなで泣いて慰めあおうぜ!」
ガンペーデ「・・・ああ!」
ウナ「(何だ、この茶番・・・。)」
~~~~~
モルテ「・・・ということがあってですね。」
グラヴィーネ「ということがあってですね。じゃないわよ。そしたら私たちの立場はどうなるのよ!」
ニエンテ「そうだぜ?日常戦線が初登場。こちとら共同戦線でも天界戦線でも存在してたのに、まるでポッと出扱い。」
グラヴィーネ「どうせ、ネニアのことだって災厄の伏線回収し忘れたから急遽出した存在だと思ってるんでしょ・・・って、誰か止めなさいよ!」
モルテ「済みませんね。思っていたよりグラヴィーネのノリが良かったので、つい・・・。」
グラヴィーネ「ついじゃないわよ。ってか何で私たちは呼ばれたわけ?」
モルテ「いえ、予知についてあなたたちの意見が聞きたいと思いましてね。」
ニエンテ「予知ね・・・。確かビランチ以前の天使長が持っていた神力だよな。」
モルテ「ええ。ですが、何故かビランチの代では私に出ました。何故でしょう?」
グラヴィーネ「何故って・・・。」
ニエンテ「・・・多分、元々なる存在じゃなかったからじゃねえか?」
モルテ「それは・・・ビランチがということですか?」
ニエンテ「そうだ。確か、今の代の天使長はネニアがなる予定だった。けど、あいつが降りて二番目に神力が強いビランチがなっちまったことで色々狂ったんじゃねえか?」
グラヴィーネ「予知の付与が狂って、智天使であるモルテに付与されたってこと?」
ニエンテ「ああ。予想だけどな。」
モルテ「その付与が狂って、何故私何ですか・・・!」
ニエンテ「まあ、そう思うよな。でもよ。お前が予知を持っている限り、今後どれだけ天使が生まれても、予知持ちの天使は生まれねえんじゃねえか?」
モルテ「・・・何故そう思うのです?」
ニエンテ「理由自体は何となく・・・何だけどよ、前までは天使長がいつも持ってたから偶然かもしれねえんだけど・・・俺、予知を持ってる天使、天使長しか知らねえんだわ。」
モルテ「・・・グラヴィーネもですか?」
グラヴィーネ「ええ。・・・あの、今の話聞いてて思ったことを少し話してもいい?」
モルテ「いいですよ。」
グラヴィーネ「もしかして、前の天使長って、モルテに予知が付与される未来を予知してた・・・とかないですか?」
モルテ「・・・どういうことです?」
グラヴィーネ「・・・これはあくまでわたしの突拍子もない妄想だと思って聞いてほしいんですけど、ビランチの前までは天使長が予知を持っていましたよね?」
モルテ「ええ。」
グラヴィーネ「けど、前天使長は、長である自分が予知を持たない未来を見たくなって見た。そうしたらそこには以前よりも天使たちと心を通わせた天使長の存在を見た。しかし、そこにいる天使長は自分ではなかった。けど天使長はその光景を見て、独断で永劫の時を進む未来よりずっといいと感じた。」
モルテ「・・・だから、自分の存在を完全に抹消し、天使長以外に予知を託した・・・ということですか?」
グラヴィーネ「そう。」
ニエンテ「・・・まあ、一応筋は通るな。モルテの予知は天使長の使う予知と同じ、見たいと思った未来を見る予知。それに予知神力の譲渡は、その神力の所有者が消えなければ行うことが出来ない。」
グラヴィーネ「それに、私の妄想通りならモルテが予知神力を持つ予知をすれば確実に譲渡される。」
モルテ「だとしたらまた一つ疑問です。」
グラヴィーネ「・・・何?」
モルテ「何故私を選んだんですか・・・!」
ニエンテ「・・・似合ってるからじゃねえか?」
モルテ「え?」
グラヴィーネ「モルテには予知神力を持っている姿が一番様になるから・・・とか?」
モルテ「はあ・・・。」
ニエンテ「そう落ち込むなよ。今はその予知もビランチとネニアが封じてるんだからよ。」
モルテ「まあ、そうなんですが・・・。」
グラヴィーネ「・・・もし、前天使長の願いが予知神力がない未来だとしたら・・・!」
モルテ「ん?どうしました?」
グラヴィーネ「いや・・・今、もし前天使長が予知を使わない未来を望んでいたとしたら・・・!って考えたら、何もかも筋が通った気がして、偶然に鳥肌が立ったんです!」
ニエンテ「・・・どう筋が通ってるんだ?」
グラヴィーネ「まず、予知神力ってメリットとデメリットどっちが大きい?」
ニエンテ「・・・正直言うとデメリットだな。」
グラヴィーネ「でしょ?でも、必ず誰か一人は所有をしていなければならない。って昔からある天使のルールにあるわよね?」
モルテ「そうですね。」
グラヴィーネ「だから、予知を譲渡せずに消すことは出来ない。なら、譲渡して封じるしかない!ということはその予知を封じる力を持つ天使とそれより階級の低い予知持ち天使が必要になる!」
ニエンテ「・・・だからビランチとネニアにってことか!」
グラヴィーネ「そう!ビランチに時間支配の神力が天使長になった時に新たに付与されて、天使長をネニアが断った時に何故か、構築の神力が付与された!破壊に構築なんて、なんてアンバランスな神力だろうって思ってたけど、モルテの予知を封じる為に付与されたのだとしたら説明がつく!」
ニエンテ「・・・確かに、そうすれば天使のルールを破らずに、予知を使わないことが出来る!」
グラヴィーネ「ネニアが言ってたんだけど、モルテの封印は時間支配の神力と構築の神力が互いに補いあって出来てるって言ってた。」
モルテ「・・・確か封印は、ビランチが最初に私の魂を時間固定し、それを構築で継続するように促したんだと思います。」
ニエンテ「でも、それじゃあモルテの魂の活動も止まっちまうんじゃ・・・。」
グラヴィーネ「それは大丈夫だと思う。ネニアが持ってる構築は何も時間停止の神力を構築するだけのものじゃないって言ってたから。時間停止の神力を構築の神力で壁状にして、卵の殻のように構築すれば、その殻が壊れることがない限り、魂が飛ぶこともないし、殻自体が構築・時間停止・構築の三層構造の壁になってるから、魂の時間が止まることもないって言ってた。」
ニエンテ「・・・じゃあ、意図的に壊さない限りは・・・。」
グラヴィーネ「封じられているはず。」
ニエンテ「・・・ここまでの偶然が予知されていたとしたらって考えると、確かに鳥肌もんだな。」
グラヴィーネ「でしょ?実際、予知がなくても世界は回ってる。」
ニエンテ「・・・しかもかなり友好的な形でな。」
モルテ「人間界にある神話の中で、予め知るのは最も辛いこととされる。という文言があるのですが、それはやはり天使にとっても同じことのようですね。」
ニエンテ「天使長でも耐えられないんだ。人間が辛いはずだ。」
モルテ「そうですね。」
グラヴィーネ「でも、悪いことばかりじゃなかったはずよ。」
モルテ「・・・?」
グラヴィーネ「だって、天使長も天使もみんな心を開けない、本音を言えない天界よりも堕天使も天使もみんなが本音でぶつかれる今の世界のほうが情緒があって幸せだもの。」
ニエンテ「確かに笑。それに楽しいしな!」
モルテ「・・・ですね笑。」
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