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誰も悪くない問題


この世の中には、本当に誰も悪いことなどしていないのに不利益を被っている場合がある。


確かに、こうした問題ごとには何かしらの原因があるのが殆どだ。


しかし、原因があるからといって、誰かが悪いとは限らない。


例を挙げよう。


これは、「誰も悪くない問題」の中でも、王道と言えるパターンなのだが、

ある特定の誰かの幸せがその他大勢の誰かを傷つけてしまうということがある。

これに対して、どちらかが不幸にならなければもう一方は幸せにならないという考えのもとで言っているのか?勘ぐった方はその浅い思考力をまず恥じて頂きたい。

一方が不幸だとか幸せだとかは関係なく、このパターンは往々にしてあるのだ。


しかも様々な形に変えて。


例えば、育ちの違い。毒親育ちか普通親育ちかで生まれる圧倒出来なハンデの差。


まず、毒親育ちの私から言わせてもらえれば、普通親育ちはとてもわがままにうつる。


衣食住がまともに与えられ、精神的に脅かされず、特段頑張らなくても平穏な生活が担保されている。

そのくせ、言い訳ばかり。

人として一緒にいるのも恥ずかしいと思う。


そして極めつけは、こちらのことを知りもしないくせに、勝手なことばかり言ってくること。


そんなの甘えだ。もっと頑張れ。それは頑張ってるとは言えない。頑張りが足りないから結果が出ないんだよ。など、さんざんなことを言う。


なら、こちらも言わせてもらうが、毎日食事もいつとれるか分からない、寝ている時に殺されているかもしれない、そんな状況で今と同じことが言えるか?


恵まれた環境を与えられている今でさえ、さほど変わらない実力のくせに、同じ状況になった時にお前は何が出来る?


毎日毎日、いつ食べ物を盗まれるのか、いつ叫ばれるのか、いつ大切な人が傷つけられるのか分かったものじゃない。


その状況で、そのマイナスな状況でプラスな状況に転じろなんてなんという無茶だ。


仕方ない、やってやるよ。そこまで断固として頑張りが足りないとほざくのであればやってやる。

その代わり、それが出来た暁には覚悟しろよ?お前たちに救いなど与えないからな?


・・・長々と語ってしまったが、恵まれていない者からは恵まれている者はこう見える。


しかし、客観的に見ればこれはどちらも悪くないのだ。


何故か。

当然、毒親育ちの人たちは悪くない。

生まれた時から常に瀬戸際。

人生サバイバルの状況で本来なら親から教えてもらうようなことも自力で獲得していく必要がある。

次に先ほどさんざん酷評した普通親育ちの方ももちろん悪くない。


普通に生きている彼らからすれば毒親育ちなど、嫌煙する存在であることは間違いないだろう。

しかし、嫌煙するのは何らおかしいことではない。


何故なら、彼らから見れば、毒親育ちの圧倒的な負の感情は本能的に恐怖の対象だからだ。


例えるなら、警察官に話しかけられるような何とも言えない恐怖感があるのだ。


悲しいことなのだが、これは毒親育ちが生きていく中で身に着けた心持ちが強すぎて、無意識に周囲の者を委縮させてしまっているのだ。


本当に誰も悪くない。ただ切なくなる。これはそんな話である。

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