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オレンジ色の記憶はここに【フードエッセイ】

なにやら湯気が出ているお皿を
上品な佇まいのウェイトレスさんが
私のテーブルに運んでくれる。

そこには、きらきら〜っと沸き立つ湯気
ほわほわ〜っとしたお母さんの優しさに満ちた
コスモドリアが待っていたのです。

たったひとりで座る4人席で見たのは
小学生の頃に家族と行った
レストランみたいなやさしい風景
それがロイホ様であります。

ふうふうしながら口に放り込もうとした瞬間に、
レモンの爽やかな香りが鼻孔にふぁ〜っと入る清涼感。
米の甘みとその傍らでパセリがすんとクールな香りを漂わせて嬉しい。

食べ進めると、な、な、なんと、
じゃがいもと思いきや、マロンが出てきたではないか…!
レモンの爽やかさの後に
急に出陣したねっとり優しい濃厚テイスト。
こ、こ、これが、ロイホ様の圧倒的なセンス…
おもわず「様」をつけずにはいられない美のもてなしに涙腺ものよ。

あっという間にお皿を平らげた。
纏わりつくおこげは丁寧にこそげ落とすようにね。

店内には小さな赤ちゃんを抱いたご家族からご年配夫婦まで
そんな中に私はただ一人静かに過ごしていましたが
まるで羊水の中に満たされたような温かさに
かすかなオレンジ色の光が差し込むような記憶です。

ロイヤルホストは今日も愛に満ちている

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