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職人酒場はミッシングリンクなのか? 


12/8発売の『週刊漫画TIMES』掲載の「解体屋ゲン」はクラフトバンク株式会社とのコラボ、「職人酒場のカラクリ」です。

こちらから読めます。Kindle Unlimited加入なら読み放題。


職人酒場とは?

地方で爆破解体を行ったゲンたちは、片付けと整地をしてくれる協業業者を探している。そんな時、職人酒場という集まりがあるのを紹介される。

アートレイズの直子さん(実在)

早速出掛けてゆくゲンと慶子。でもそれはイメージしてた昭和の酒場とは違い…

料理も豪華(本当)
盛んに情報交換が行われる

運営するクラフトバンクの社員たちが丁寧かつ熱心な運営で盛り上げてくれる。

みんなテンション高く
さりげない気配り

大勢の職人さんと名刺交換して、無事に協力会社も見つかりめでたしめでたし、というのが今回のストーリー。まあゲンさんのことなので…

なに?
宴会芸?

それはさておき(笑)。
色んな工種の職人さん、協力会社を探す企業が参加して、毎回沢山の名刺交換が行われ、数千万円単位の工事が成立しているそうです。すべてリアルの話です。

クラフトバンクがなぜ『職人酒場』を開催しているかというと、本来がマッチングサービスの会社であり、同時に「クラフトバンクオフィス」という専門工事会社向けのDXツールを販売するベンチャー企業だからです。


建設分野におけるDXの難しさとは?

ちと話は変わりますが、建設ICT化、建設DX、政府が進めるi-Constrution……要するにITを取り入れて業務を効率化せよ、ということですが、これが現場ではすこぶる評判が悪い。これには幾つかの理由があります。

旧い体制と職人の高齢化

手書き、あるいはWordによる見積、ホワイトボートによる予定表、エクセルによる工事完了書、FAXのやり取りに事務所のタイムカード…。こんな中小零細企業はまだまだ沢山あります。そして高齢化した職人は変化を嫌います。上記をいきなり「今日から統合ソフトを導入するから、出退勤はスマホで、事務仕事はパソコンで」と言われてすんなり使えるでしょうか?100%無理!なんなら社長からして無理です。

人間は突然の変化に対して拒絶反応を持つのは当然だと思います。それは生き延びるための生物としての知恵かも知れないし、自分の既得権益(このやり方で仕事をやってきた)に対する防衛本能かも知れない。ある日突然(という風に見える)やってくるDXの波を、そう簡単に受け入れられる筈がないのです。


受け入れ態勢の不備(あるいは歩調が合わない)

あるいは、がんばって自社のDXに成功したとしても元請け、あるいは行政からこう言われます。「悪いけど前の書式で出して」もっと酷ければ「プリントしてFAXで送っといて」「データはDVDに焼いて郵送して」。DX化というのは全員が足並みを揃えなければうまくいかない…どころか2度手間3度手間になります。「DX化反対!あるいは世の中がもっと進んでからでOK!」みたいな意見が起こるのも無理ないかも知れません。

勉強不足・継続不足

買ってはみたものの開梱してないドローン、試作のみで終わった3Dプリンター、iPhoneの中だけにあるLiDARのデータ…。DX化は初期投資は掛かるのになかなか利益を生みません。しかも最新機器は、数年で時代遅れになり使い物にならなくなります。もちろん、バリバリにICT機器を使いこなしている企業もありますが。

かくして、「DX化?まだいいんじゃない?」という結論に達してしまいそうになります。でもそうも言ってられないのです。

時代の波

2024年問題

最近あちこちで言われるようになった2024年問題、要は2024年4月から残業の上限が規制され、違反すると罰則が適用されます。ここでは具体的な数字は省略しますが、とても無理ゲーなほどに残業が出来なくなります。しかしだからといって納期が長くなるとかはなさそうです。つまりなんとしても作業を効率化して就業時間内に片付けなくてはならない時代がやってくるのです。

2025年問題

2024年問題で終わりかと言うとそんなことはなく、2025年以降は団塊の世代が75歳以上を迎え大量離脱が予想されること、さらに少子化の影響による人口減少で若者の働き手が不足することは明らかです。そしてこの傾向はこの先ずっと続く、日本社会が抱える問題です。

つまり好む好まないとに関わらず、一刻も早くDX化を進めないと来年以降に仕事が回らない会社が噴出して、企業倒産が一気に増えることになります。既にその芽は出ています。ここではクラフトバンク総研の高木さんのツイートをお借りします。

つまり時代に乗り遅れないためには、DX化を進めて事業の効率化を図らない訳にはゆかないのです。しかも今すぐに。

ではどうしたらいいのか?

その一つの解は、事務作業の効率化です。私はいずれAIが進歩し、人間のアシスタントとして事務作業を代わりにやってくれる時代がやってくると思います。また小さな頃からゲーム機やスマホ、パソコンに囲まれて育ったデジタル・ネイティブ世代はすんなりとDXを導入できると思います。ただそれにはまだ十数年のタイムラグがあり、直近の問題の解決には役立ちません。

改めて職人酒場とは?

ところで、ゲンさんが職人酒場に見出したカラクリとはなんでしょう?

得意げなゲンさん

世の中にはマッチングアプリ・マッチング企業は数多くありますが、なんだかんだいって実際に会って話さないことには相手との信頼関係は作れないし、逆に言えば大人数で直接会うことで得るメリットは多いです。後ろめたいことのある企業、評判の悪い企業は出てこれないので、ある種のフィルターの役割も果たします。

職人酒場は、協力会社を見つけるだけでなくDX化の相談に乗ってくれます。
クラフトバンクが長い試行期間を経て発表した「クラフトバンクオフィス」は導入企業には操作説明に社員が直接伺うと聞いてますし、アフターケアも万全です。
つまり導入はしてみたものの、面倒臭くてあるいはとっつきにくくて使わない、みたいな管理アプリが陥りがちなパターンを回避してくれます。

つまり私は、DX化の遅れている中小企業の今の世代と、デジタル・ネイティブの次の世代とを繋ぐミッシングリンクが「職人酒場」の一つの役割ではないかと思っています。
職人酒場では協力会社と繋がれますが、同時にクラフトバンクの若手社員とも繋がれます。困った時には相談に乗ってくれますし、解決が無理でもどこかに繋いでくれます。クラフトバンクの若くて優秀な社員に励まされたり、アドバイスを受けると「なんとかなるだろう」と思えるのだから不思議なものです。

AIがいくら進化したといっても、人間の持つポテンシャルやパワーにはまだまだ及びません。職人酒場は、クラフトバンクの若手社員が自主的に立ち上げ、たった1年の間に日本全国で週2回開催されるまでに成長しています。イベントの度に反省会を開き、それをフィードバックして新たな企画を考えているそうです。
いやおかしいから!どう考えても普通の人ができる仕事量を超えています。私はなにかおかしなクスリをやってるんじゃないかと睨んでいます(笑)。

クラフトバンクが他のスターアップ企業と一線を画している理由、解体屋ゲンに取り上げた理由を分かってもらえたでしょうか。

それはCEOの韓さんのこんな思いから生まれているのかも知れません。

CEOの韓さん

Con-Techのスタートアップ企業でありながら、限りなくフィジカルなクラフトバンクさんの快進撃は、まだ始まったばかりです。この先の「解体屋ゲン」にも、様々な形で登場してくれると思います。


そんなクラフトバンクさんが特設サイトを作ってくれました。

❇どこかとコラボする度に言っているのですが、私たちはコラボはしますが、いわゆる企業案件ではありません。相手企業と一切の金品のやり取りはありません。
もちろんこのnote然りです。

この先の「解体屋ゲン」そしてクラフトバンクの快進撃をお楽しみに!!


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