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[ヨーロッパ旅行 8] 🇩🇪ドイツ家庭のリアルなクリスマス

クリスマス前後の数日はドイツ人の友達の家で過ごしました。彼女は留学先で出会ったミュンヘン出身の友達。クリスマスに合わせて帰省するところに私含め数人の友達でお邪魔させてもらいました。家族で過ごす大事なイベントに参加させてもらえたのはとても有難いことです。おかげでドイツ人の家庭のリアルなクリスマスの過ごし方を一緒に体験することができました。

可愛いモーニング

ミュンヘンには深夜に到着。友達と彼女のお母さんが出迎えてくれました。連日の旅で疲れ切った私はお母さんの優しさに甘えてすぐに寝かせてもらいました。

そして翌日目覚めると、キッチンの方から何やら良い匂いが。すでにテーブルにはモーニングが用意されていました。パン、チーズ、ハム、ソーセージにコーヒー。こんなに可愛らしいモーニングは初めてだったので朝から笑みが止まりません。

クリスマスのお菓子シュトーレン

彼女の家では24日のクリスマスイブが祝祭のメインの日なのだそう。そのため朝から伝統的な食事が並びます。初めて頂いた白ソーセジが絶品でした。ドイツ伝統のプレッツェルも。クリスマス当日はほとんどのお店が閉まってしまうので、食材は事前に私たちが食べたいものを聞いて用意してくれていました。

広場のクリスマスマーケット

昼過ぎに街の中心にあるクリスマスマーケットへ向かいました。綺麗な教会に囲まれた場所で雰囲気バッチリ。友達のオススメはいちごチョコ。

天気が悪かったのだけ残念
美味しそう

初めてのミサ

16時からミサがあるということで、私も一緒に着いて行きました。ちゃんとした教会のミサに参加するのは初めてのことだったのでドキドキ。宗派で言うと友達はプロテスタントで、おばあちゃんはカトリックらしいです。家族の中でも宗派が分かれるんですね。今回は一緒に来た友達の一人がカトリックだったので、カトリック教会に行くことになりました。Frauenkircheと呼ばれる、二つの玉ねぎ型のドームが特徴的なこの建物はミュンヘンでおそらく一番大きい教会です。

Frauenkirche

内装は白く、質素で厳かな雰囲気。何よりも天井から吊るされた雫型の照明が美しい。この暖かい色の灯りが思わずほっと息をつけるような安心感のある空間を演出していました。

椅子はほとんどミサを聞きに来た人たちで埋まっていて、後ろで見学に来た観光客が立っているような感じでした。私たちは聖歌の書かれている本を持って長椅子に座ります。ミサが始まってからは撮影禁止と脱帽が指示されていました。

全体の時間は1時間弱。神父たちが列で入場するところから始まり、司祭が教壇に立って聖書を朗読をします。その間に聖歌を歌ったり言葉を復唱するタイミングがあったのですが、ドイツ語なので何を言っているのかはさっぱり分からない私は周りに合わせて立ったり座ったりしているだけでした。しかし高い天井を反響して耳に届く神父の声はとても心地が良いものでした。室内プールで話す時みたいな柔らかい声は、あたかも神様が天井から語りかけているかのように聞こえてきます。信者たちが毎週ミサに通う理由も少し分かった気がします。

最後には聖体拝領の儀式がありました。この儀式はカトリック信徒以外は参加できないそうなのですが、友達は「ちゃんとやればバレないよ」と言うので、私も作法を教えてもらいながら列に並ぶことにしました。

説明してもらった流れは、
1. 自分の順番の前に一礼
2. 司祭の前に進み、手のひらを差し出す
3. 司祭が「キリストの御体」と言い聖体を渡すので「アーメン」と言って受け取る
4.  受け取った聖体を口に入れて十字を切る
でした。

聖体として渡されたのは、丸くて白い、味のしない煎餅のようなものです。普通のパンが渡されると思っていたのでびっくり。それを噛まないで口の中で溶かすように言われたのでその通りにやってみました。司祭の前に立った時は緊張してしまって動作がぎごちなかったので「こいつ教徒じゃないな」と思われたかもしれません。決して冷やかしのつもりではなかったので許してください。

賑やかなディナー

友達の家に戻ると、すでに彼女の親戚が集まっていました。おばあちゃん、叔父さん、叔母さん、いとこなどが加わってより賑やかに。そしてお待ちかねのディナーが準備されていました。夜は伝統的な家族料理であるというラクレット。チーズを溶かしてジャガイモやお肉と一緒に食べる、BBQや焼肉に似た料理です。それ専用のグリルがありました。

グリルの下段でチーズを溶かします

食べる前におばあちゃんの提案で「silent night」を歌うことになりました。みんな母国語で歌ってほしいと言われたので、「きーよしこーの夜」までしか知らない私は急いでスマホで歌詞を検索。初めてフルで歌いました。ドイツ語、英語、韓国語、日本語が混ざった歌は不思議な響きでした。これ以上インターナショナルな「きよしこの夜」はないでしょう。

それぞれチーズと好きな具材をグリルし始めます。用意してくれた具材の中には、白アスパラといった珍しいものもありました。また、「ドイツの飲み物だよ」といって渡されたのは、Speziというコーラとファンタオレンジをミックスしたような炭酸飲料。そんな飲み物があるなんて知らなかったけど美味しかったです。こんなに豪華な食事を大勢で囲んで食べるのは久しぶりだったので、なんだか感動してしまいました。祭日に飛び入り参加した私たちを温かく受け入れてくれる彼女の家族の優しさにお腹も心もいっぱいになりました。

食後のビールと人狼ゲーム

食後はビール。さすがドイツ人ですね。ミュンヘンのクラフトビールを飲ませてもらったのですが、しっかり麦の味がする割にはすっきりしていて飲みやすかったです。

そして毎年家族でビール片手にやるゲームがあるそうで、それが人狼ゲームでした。とはいっても、ルールを聞くと私が日本でやったものとは少し違います。まずゲームのホストが一人いて、全員に紙に書いた役職が配られました。役は人狼、狩人、騎士、占い師、とここまでは分かりますが、魔女(毒薬と回復薬を使える)や、幽霊(死んだ人を復活させられる)、peeking girl(他の人の役職を覗き見できる)という新キャラもいました。それぞれが使える技の回数が限られていたりして私はルールを理解するのに時間がかかったけれど、新鮮で面白かったです。結果はあと一歩のところで人狼の勝利。狼が四人もいたので難しかったです。


その後も談笑を続けて楽しい夜を過ごしました。クリスマスツリーにキャンドル、猫と暖炉。友達の家は私がイメージする理想的なクリスマスをそのまま再現したみたいな家でした。改めて特別な経験をさせてくれた彼女と彼女の家族に感謝です。

そっくりな猫がもう一匹

私は一人旅が好きなので今回の旅行もほとんど一人でしたが、「一人旅では味わえない経験もあるな」と人の温もりに触れて思うのでした。

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