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「ありがとう…幸せになります。」【菩薩・山口百恵の名言集】

皆様、ご機嫌いかがですか。

「プレイバック『part3』」は、私におまかせください。
時澤 言森です。



「声を大にして叫びたい日本語講座」のお時間です。


さて、何かが間違っています。
――私の当初の予定では。

歌手としてデビュー。
(「自分はただ歌が好きなだけ」なので、アイドルになれるなんて思ったこともなかったが、「世間」が、「アイドルにならない」という選択肢を私に許さなかった。)
(「私の歌で、みんなに夢や勇気を与えられるなら」と、アイドルとして生きる決意をする。)

→一世を風靡し、時代の顔になる。(「時代と寝た男」。)

→しかし、人気絶頂のさなか、惜しまれつつ引退。

→その後一切、メディアに姿を現すことはなく、しかし結婚し、「専業主夫」として、他人の稼ぎで、静かなれど心豊かな生活を送る。


……そうなんですよねえ。

私の人生について。

当初の予定通りなら、今頃は最後のところまで辿り着いていないといけないんですけど。

私は、……どこをどう間違えたというのでしょうか?
私は、……何故、今こんなことをしているのでしょうか?
私は、……?
私は、……(虚空に向かって問い続けている時澤言森。)


でもまあ、ね。
そもそも私のデビューも「80年代の幕開けと共に」という予定でしたから、「次の80年代まで待て」ということなんだと思います。

いいでしょう!待ちましょう!


……え?

その頃には私はもう生きてない??

……。

……。

……本当にそうでしょうか?

私のこの「念」が、80年代アイドルとしてデビューしないまま息絶えるとは、とても思えないのですが。

――今日も私の「生き霊」が、原宿・竹下通りを往来し続けていることでしょう。

「奈落のお百度参り」。
――いえ、何千回だろうと、何万回だろうと。
(「供養」だと思って、スカウトマンよ、早く私を見つけ出して!)
(このままじゃ私、「成仏」できない!!)
(生き霊なのに地縛霊!!!)

(てか、実はまだ死んでないからこそ大問題なんだけど!!!)



あなたも、70・80年代アイドルになりたくて、この「声を大にして叫びたい日本語」コーナーを読んでいただいているのだと思います。

――なれるよ、きっと!(なれる、なれる!)

チャンス!チャンス!
チャンス!チャンス!
チャンス!チャンス!

きっと、な・れ・るっ!

お届けしておりますのは
「マツケンサンバⅡ」と並ぶ
日本サンバ歌謡の代名詞、
河合奈保子さんで「夏のヒロイン」です。
(ちなみに本日のこの街の最高気温5℃、最低気温はマイナス7℃です。)


――まさか、皆様、
そろそろ「我に返ろう」なんて、
思ってやしませんね?


前置きが長くなりました。
(いつもの。)

「百恵」になりたいのに、
私、どこで道を間違えたんだろう?

――な~んてことは、誰でもが、
生きてりゃ一度や二度は考えたことがあると思います。


「声を大にして叫びたい日本語講座」
本日は
「山口百恵・名言集」です。


さあ、皆さんも、私の後に続いて、同じ台詞を、お経のように繰り返して、「即身仏」になりましょう。
(解脱!解脱!解脱!)


【LESSON1】
「波を数えていました。」

海辺での撮影の休憩時に、離れたところで海を眺めながら一人きりでたたずむ百恵さんに、スタッフ(もしくは撮影者である篠山紀信その人?だったかもしれない)が、
「何しているの?」と声を掛けたところ。

その時の百恵さんから帰ってきた答えが。

「波を数えていました。」

だったそうな。


いや、本当に数えていたのかもしれないし、ぼんやりしていた時間を、「波を数えていた」となぞらえたのかもしれないし。

いずれにしても、聡明さを感じさせる言葉選び。
この時、百恵氏、まだ十代。


たとえば、同じようなことを、今、私(四十代後半)がやったとしよう。

仕事中に、つい、白昼夢に恍惚とし、ぼんやりしてしまった私。

職場の人「何しているんですか!」
私「……時計の針の音を、数えていました。」
職場の人「は、はあ……。」(怪訝な顔で、困惑。)


――何だろう、控えめに言って、たぶん、会話が全く成立しなさそうですね?
(「伝説」にももちろんならない。)

でも、私は、気にしない。

「言って良いことと悪いこと」や「自分に許されていることと許されていないこと」の、見分けがまったくつかない。
――そんな人間に、私は早くなりたいです。

そうしないと、いつまでたっても、私は百恵に……。


♪あなたにすべてを見せるのは ちょっぴり怖くて恥ずかしい
時澤言森デビューシングル「-人にめざめる49才-としごろ」のジャケット写真。
(B面「叱らないでね」)

※画像とこの説明は、どう考えてもイメージです。



【LESSON2】
「『真心』です。」

まずは百恵さんの、初の40万枚突破、大ヒット5thシングル、「ひと夏の経験」の歌い出しの歌詞から。

♪あなたに 女の子のいちばん大切なものをあげるわ

作詞:千家和也

明らかに何かを暗示しているようにとれる内容だし、また、百恵さん自身も、大人たちがそれで何を暗示させようとしているか、わかってはいたと思うのだが。

歌詞のその部分についてのエピソードとして、以下、Wikipediaより、一部抜粋。

青い果実」から始まる青い性典路線の初期に既に完成されていた曲であり、元タイトルは「甘い誘惑」。翌年の夏向けシングルとして発売された。歌詞も「女の子の一番大切なものをあげるわ」等と性的なニュアンスを多く含むが、あくまで抽象的な表現に終始している。

百恵は当時のマスコミに、「女の子の一番大切なものとは何ですか?」と何度も質問されており、「真心です」と答えている。後に「処女とでも答えて欲しいのだろうか」とも(筆者追記:自らの著書の中で)述べている。

どちらもWikipedia『ひと夏の経験』の項から引用

この「真心です」という答えは、もしかすると元々は、百恵さん本人が用意したものではなくて、事務所または彼女側のスタッフの単なる「指示」だった可能性もあるにはあるが。

しかし、それにしても、真正面切って毅然と「『真心』です。」と答え続ける、この清々しさよ。
これって結局、正々堂々と回答し続けることによって、「(当時)15歳相手に、恥ずかしがらせようとして、むしろどちらのほうが恥ずかしい行いをしているのか」というふうな、「下品な大人の質問」に対抗する鮮やか且つ爽やかな「切り返し」にもなっていて、とてもお見事なわけです。

私も今後、どう答えたらよいかわからない質問には、「『真心』です。」と答えるようにしようかと思います。

上司「時澤さん! あなた、一体仕事を何だと思っているんですか!」
私「『真心』です。」



よし、とにもかくにも何事も、「『真心』です。」で押し通す!と。

――これでまた一歩、百恵に近づけそうですね?




【LESSON3】
「幸せになります。」

私が選んだ、我儘の生き方を押し通してしまいます。

今、皆さんに、「ありがとう」という言葉をどれだけ重ねても、私の気持ちには追いつけないと思います。

私の我儘、許してくれてありがとう。

幸せになります。

山口百恵さん最後のコンサートでのMCより

これ、注目したいのが。
「ごめんなさい」ではなく、「ありがとう」なのである。

そして、
「幸せになってもいいですか?」ではなく、「幸せになります。」なのである。

――なんでしょう、「そんなの許せない!」とか、ファンにすら言わせない、この鉄壁の「自ら幸せになる宣言」。

……。

いいえっ?
私は認めないわっ!
一人だけそんなぬけぬけとっ!

世間が許したって、私は許さないんだからっ!
(と、唐突に私が叫び出した今年は2023年。)
(ちなみに、百恵さんの引退は1980年です。)



でも、そうですよねー。

幸せって、 自分で「なる」ものですよねー。
誰かにしてもらうものでもなく、何かによってさせられるものでもなく。

だって、そもそも。
たとえば、誰かや何かが全く同じ作用をしてくれていても、それについて自らが「幸せだ」と感じとれなければ、 「幸せになった」と感じられないわけだしねー。


……って。
「おふざけの日曜note」のはずなのに、どうしよう、何だかだんだんと、真面目に考えさせられてきてしまった。(笑)

――百恵、おそろしい子!

でも、「幸せになります」って宣言してしまう、――ある意味、自分の幸せは、他の誰でもない、自分できっちり責任を持つ、この感覚は大事ですね。

(って、やはりしみじみとしてしまって、真面目にまとめてしまった。
……完敗です!笑)


言森「ありがとう。……私も、幸せになります。(独りで。)」


この時置いた「マイク」を、その後、再び持つ事はなかった百恵さん。


そういや、いつぞやに、百恵さんのお友達であるアン・ルイスさんも、こんなことをおっしゃっていた。
「百恵ちゃんは、カムバックはしないと思う。
彼女は、一番カッコいいことはどういうことか、知っている人だから。」と。

母にもらった名前通りの
多すぎるほどの倖せは
やはり どこか 寂しくて
秋から冬へ 冬から春へ
一つの愛を追いかけた

作詞:横須賀恵(山口百恵のペンネーム) ラストシングル「一恵」より一部抜粋


何て言うか、「がっかりなエピソード」が、一個も出てこない。
生き様まで完璧な、実に「アイドル」中の「アイドル」。

実は私、リアルタイムでアイドルウォッチャーになったのは80年代に入ってからで、70年代の山口百恵さんのご活躍については、ほとんど「後追い」で知ったクチなんですけど。

いや、それでも。
ホント、山口百恵になりたいと思う。


だから、私はマイクを置きません。
てか、百恵さんのマイクは、私が引き継がせていただきます。

――この先、百恵さんの伝説を、横からかすめ取るような形になってしまいそうで、今から既に、本当に申し訳なく思いますが。

『私が、日本アイドル界の秘蔵っ子として、秘蔵されたまま、 40年の月日が流れようとしています。』
(時澤言森 著 「紅い時-トップアイドル物語-」序文より)

次回、最終章!
「恐怖!不死鳥伝説!!」-語り継がれていく妄想のように-

ご期待ください!
(いい加減にしろ!!)