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「食とからだをめぐる冒険」滞在記録① 〜木祖村のお母さんたちと朴葉寿司づくり〜

6月1日、滞在先の藤屋レジデンスに木祖村のお料理上手なお母さんたちをお招きして、木曽地域の郷土食「朴葉寿司づくり」の実演会を行なっていただきました。
各家庭ごとにお寿司の具材や、朴葉の巻き方は少しずつ異なります。
地元で手に入った食材を、それぞれの知恵や工夫でより美味しく美しい料理にしていくお母さんたちの脳内は、クリエイティブなセンスに溢れていました。

実演会当日、山から採れたての大きな朴の葉。
朴葉を一枚ずつ丁寧にとっていく。
酢飯に使われるお酢は、深澤さんお手製のもの。この酢、砂糖、塩少々を加えて寿司桶で混ぜる。
洗った朴葉を広げてテーブル上に並べたら、出来上がった酢飯と具材を乗せていく。
温かい酢飯を乗せることで、包んだときに朴葉の香りがよりご飯に染みる。
毎年恒例となっていた朴葉寿司づくりも、コロナの影響でずっとできていなかったそう。
今回のリサーチのために、特別に集まってくださった5名のお料理上手なお母さんたち、本当に素敵。
持ち寄られた色鮮やかな具材やおかずたち。全てお母さんたちの手作り。
きゃらぶき、椎茸、紅生姜、茗荷の塩漬け、薄焼き卵、きゅうり、鮭フレーク
色鮮やかな具材たちを並べて、朴葉の左右を織り込み、縦にくるっと巻いていく。
完成!
深澤さんお手製のおかずやすんき汁と共に。
出来上がり翌日も、朴葉の香りがよくご飯に移って美味しくなる。
薮原のお母さんたちは庭先で畑をやっていることも多くて、その時期ごとに採れる素材をうまく活用して常備菜や漬物を作っている。お母さんたちがつくる何気ないおかずたちはどれも美味しい。
茗荷の塩漬け 綺麗な紅色の正体は赤カブから抽出したそう。
茗荷竹。浅漬けのもとでさっぱりと。


お母さんたちに日々のお料理はどのように学んだのかを尋ねたところ、薮原にお嫁に来てから、家のことを教えてもらいつつ、生活していくうちになんとなく身につけた、とのことだった。
郷土食は暮らしの中で培われ、今も脈々とお母さんたちの手で育まれて、孫子たちへと伝えられているカルチャーそのものだ。

エレガントなお母さんたちの佇まいやチャーミングな会話のやり取りに、すっかり虜になってしまった私。夢のような時間が広がる藤屋キッチンで、素晴らしい食の体験をさせていただきました。

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