2024明治安田J1リーグ第10節ヴィッセル神戸対京都サンガFCの個人的な見どころを紹介
GWの連戦はシーズン序盤で流れをつくる重要な連戦になりそうです
この週末、そして5月3日の祝日、中2日の5月6日の祝日と変則的な連戦です
ホームの神戸はアウェイ3連戦を連勝と最高の結果で戻ってきました
横浜FM戦では大迫の負傷、前川の退場もあり悔しい敗戦。ただそこから町田、カップ戦の今治、そして湘南戦と総力で勝利を飾りました
一方の京都は4試合続けて無得点、リーグ戦は3連敗と苦しい状況が続きます。カップ戦は長野と対戦し延長戦の末2-3で敗戦
上昇のきっかけを掴みたかった一戦でしたが、良かった部分を持って、この週末の神戸戦に挑みます
順位は現状で見れば差はありますが、直接の対戦成績では京都が優勢
昨年は神戸が2勝も、一昨年は京都が2勝を挙げています
GW中の関西勢同士の一戦。神戸が連勝で首位奪還を目指すか、京都が川崎戦以来7試合ぶりの勝利を飾るか?お互いにハードワークするチームだけに、球際の攻防に注目したい一戦です
(J1リーグ 解説:朴康造さん リポーター:竹島 麻里子さん 実況:能政夕介)※追記、修正の可能性あります
順位と前節の振り返り(2024/4/26時点)(リーグ戦のみ)
ヴィッセル神戸:5勝2分2敗 勝ち点17の4位 14得点 6失点(+8)
神戸は横浜FM戦の敗戦を引きづる事なくアウェイでの公式戦3連戦を3連勝という自信に繋がる結果を出した
とはいえ決して順風満帆の3連戦ではなかった
町田戦は大迫、前川不在の影響もあり特に前半は町田に押し込まれる部分もあった。それでもルーキーの山内のJ初ゴールもあり2-1で勝利をもぎ取った
カップ戦のアウェイ今治戦では早い時間帯に失点。延長戦までもつれた一戦に終止符を打ったのはアカデミー育ちの佐々木だった
そして前節のアウェイ湘南戦は前半チャンスをつくりながらも仕留めきれず、鳥栖戦のような雰囲気も流れた
そして湘南の決定機に対しても体を張った守備を見せ、最後に復帰した大迫と武藤の粘りで勝利を勝ち取った
完勝ではないかもしれないが、泥臭く、ハードワークしながらしっかりと結果に結び付けている。その勢いをホームで発揮し、札幌戦以来となるホームのサポーターに直接勝利を届けたい
気がかりなのは負傷者の状況だ。鳥栖戦で負傷した広瀬と飯野。横浜FM戦で負傷した大迫を前節復帰も、今季スタートから出場できるかは不透明だ
武藤も本調子ではない中で、井出の復調はじめ若手の台頭にも注目したい
京都サンガFC:1勝3分6敗 勝ち点6の16位 6得点 6失点(±0)
京都は前節のリーグ戦、ホームで新潟を迎えた
今季まだホームで勝利がない京都は前節から2名先発を変更
負傷から復帰した金子がアンカーをつとめ、8節の鹿島戦で京都戦デビューとなった塚川が今季初先発で起用された
京都はセットプレーから高さを生かした布陣でゴールを狙うも得点を生まれず。パスで繋ぐ新潟に対して果敢にプレスをかけてショートカウンターを狙う
ただ、新潟もボールを保持しながら空いているスペースを上手く使いながら前進しゴールに迫る。お互いに持ち味を出しながらゴールを目指すも得点は生まれずに0-0で折り返し
後半に入って京都は松田天馬をピッチに送り込む。ボールを奪い、カウンターからゴールに迫る回数は増えるもなかなか決定機をつくれない
それでも積極果敢にミドルシュートやセットプレーから原の高さを生かしたプレーを見せる
新潟はボールを繋ぎゴール前まで迫ると、サイドからのクロスを上げ、そのこぼれ球を谷口が仕留めて先制に成功
京都は鈴木冬一のミドルシュートなど、交代選手が存在感を見せるも得点は奪えず0-1の敗戦となった
セットプレーやシュートの数が決してすくないわけではないが、これで3連敗。そして4試合続けてリーグ戦では無得点となった
それでも、先日水曜日のルヴァンカップでは宮本以外10名のメンバー変更を敢行して臨んだ。中2日でリーグ戦を控えている事もあり難しい人選の中、フレッシュなメンバーが序盤からピッチで躍動する
一美が前線で体を張り、序盤からセットプレーで飯田が先制ゴールを奪う
序盤は京都ペースで試合が進み、またもセットプレーから今度は平賀が得点を奪い2-0で前半の内にリードを広げた
特にCKのキッカーを務めた平戸は、精度の高いキックでチームに貢献、そして復調を自らのプレーで示した
ただ前半の終盤に、長野は上手くビルドアップしながらボールを運び、サイドからクロスを上げて1点を返して2-1で前半を折り返す
後半も序盤は京都ペースで試合が進むが、追加点は奪えず、逆に長野は終盤にサイドチェンジからフリーになった黒石が強烈なボレーシュートを放ち同点に
2-2のまま延長戦にもつれ込んだ一戦は、交代メンバーで押し込む京都を長野が凌ぎ、セットプレーから今度が長野が得点を奪い2-3で逆転勝利
京都は手痛い敗戦も、前半後半の序盤にできた良い入りの部分を次に繋げて、勝利を手繰り寄せたい
過去の対戦戦績(リーグ戦のみ)
過去の対戦成績はリーグ戦で見ると、神戸の9勝・京都の13勝、引き分けが2回と京都が上回っている
昨季は4月に京都のホームで対戦し3-0で神戸が勝利(神戸:汰木の2得点、大迫が得点を記録)
そして9月は神戸のホームで対戦し2-1で神戸が勝利(神戸:川崎・パトリッキ)(京都:原が得点)
2023年シーズンは神戸の2勝も、2022年は京都が2勝。直近の5試合の戦績はお互いに2勝と1分けで五分の展開となっている
■所属選手が在籍時にこの対戦カードで得点を決めている選手
ヴィッセル神戸:汰木が2得点の他、大迫、パトリッキ、初瀬が得点を記録
京都サンガFC:宮吉が2得点の他、原、松田、豊川が得点を記録
■古巣対戦
ヴィッセル神戸
本多 勇喜:2016-22年在籍し213試合4得点
中坂 勇哉:2019年途中からプレーし7試合1ゴール
京都サンガFC
曺 貴裁監督:1996-97年まで2年間選手として神戸プレー
神戸の本多にとって、京都は特別なチームの1つ。自身初の昇格にも貢献。キャリアの2/3は京都でのプレーになっている。
今シーズンの成績(リーグ戦のみ)
ヴィッセル神戸:5勝2分2敗 勝ち点17の4位 14得点 6失点(+8)
先制試合:4試合 4勝(昨季は先制試合22試合で19勝2分1敗)
先制された試合:3試合 1勝2敗(3節のFC東京戦で今季初の逆転勝利)
スコアレスドロー:4節の広島戦、6節の鳥栖戦(昨季は1試合のみ)
ホーム: 1勝1分2敗 勝ち点4 7得点 4失点 得失点+3
アウェイ: 4勝1分0敗 勝ち点13 7得点 2失点 得失点+5
リーグ戦では7名が得点(武藤・宮代が4得点、大迫2得点、佐々木・汰木・山川・山内が得点を記録)
複数得点:4試合
複数失点:1試合
無失点:4試合
無得点:3試合(昨季は4試合のみ)
<得点>前半に5得点 後半に9得点
<失点>前半は無失点 後半は6失点
前半開始15分以内に2得点、後半開始15分に3得点と出だしに強い
14得点中セットプレーでの得点は6点の42.9%。大迫直接FKで1得点
初瀬がFKとCKから起点をつくる(CKから4得点、FKから2得点内1本は直接)
6失点中セットプレーからの失点は1で割合は16.7%(CKから1失点:3節FC東京戦)
神戸は横浜FM戦の敗退から公式戦はアウェイ3連戦を3連勝とした
ケガ人も出る中で、復帰する選手もいるなど総合力を見せている
リーグ戦では今季初の連勝を飾った。昨季は最高が3連勝と大型連勝は内が、連敗はなし。昨季連勝でフィニッシュした以降の3連勝を目指す
京都サンガFC:1勝3分5敗 勝ち点6の19位 7得点 13失点(-6)
先制試合:2試合 1勝1分(先制すれば負けなし)
先制された試合:6試合 1分5敗(開幕戦の柏戦は先制を許すも同点に追いつく)
スコアレスドロー:6節のG大阪戦で今季初のスコアレスドロー
ホーム: 4敗 勝ち点0 3得点 9失点 得失点-6
アウェイ: 1勝3分1敗 勝ち点6 4得点 4失点 得失点0
リーグ戦では5名が得点(豊川・川崎が2得点、安齊、佐藤、原が得点を記録)
複数得点:2試合
複数失点:4試合
無失点:2試合
無得点:4試合(現在4試合続けて無得点)
<得点>前半5得点 後半に2得点
<失点>前半は3失点 後半10失点
今季は7得点中セットプレーでの得点は2点の28.6%。FKとCK起点にそれぞれ得点を記録
13失点中セットプレーからの失点6で割合は46.2%(CKから3失点,PKから1失点等を記録)
昨季は11節~16節で6連敗も、無得点は2試合まで
カップ戦では延長戦で敗退もメンバーを代えて複数得点を奪っている。中2日とタフな日程だが、得点と勝利を目指したい
個人的な見どころ
Jリーグより両チームへのプレビューも展開
GWの関西勢の対決は球際のバトルに注目が集まる一戦にになりそうだ
神戸、京都共にハイプレスでプレッシャーをかけてボールを奪いゴールに向かう。このプレスの強度と、そこをかいくぐるために何かできるかが重要になりそうだ
個人的なポイントを3つ
①負傷者が気になる神戸と連戦の京都の人選
②球際のバトル。ボールを奪うポイントとタイミング
③空中戦で流れを掴めるか
勝負強さは健在の神戸。ただ、その中で違いを出せる大迫・武藤は万全のコンディションとは言えないかもしれない
神戸は前線のチョイスに注目したい。もし仮に大迫・武藤がスタートから難しければ、前線には山内・宮代・佐々木の可能性もある
京都戦に強い汰木康也の練習復帰もあったが、先発起用は難しいかもしれない
神戸は今季ここまでリーグ戦では前半無失点と守備面での安定感も光る。ただ、それは守備陣だけではなく前線の選手がしっかりとハードワークをして、相手に良い形でオフェンスのスイッチを入れさせていない部分も大きい
メンバーが変わってもチームのスタイルである高い強度のプレーを攻守で見せていきたい
京都は先発メンバーを10名入れ替えたとはいえ、延長戦を戦いハードな日程で今節を迎える。こちらも同じくチームは総力戦と言える
直近リーグ戦では4試合無得点。今季ここまで前半無失点の神戸相手に先制点を早い時間で奪えれば一気に勢いも出てくるはず
メンバーの主軸は恐らく新潟戦の先発メンバーが濃厚となる。原・豊川・山崎に加え、カップ戦で存在感を出したトゥーリオや一美、平賀にも期待したい
セットプレーで結果を出した平戸や、CBの宮本は連戦のためスタートからは難しかもしれない
そう考えると可能性としてDF、MF、FWの各ポジションの選手が変わる。その連携と強度のバランスが重要になる。メンバーの変更が可能性が高いだけに、前半の入りや、選手交代後の展開に注目していきたい
そしてメンバーが変わる事を考えると、②球際のバトル。ボールを奪うポイントとタイミング
が重要になる。どの局面で勝負し、流れを掴むかだ
神戸は京都と比較的近いスタイルの湘南と対戦し、苦しむ時間帯はあったが無失点で切り抜けた。特に前半と試合終盤にはしっかりと試合の流れをつくった
京都は新潟と神戸というスタイルの異なる相手ではあるが、志向する部分で似ているところもあるだけに通常のトレーニングでの積み上げや経験が生きてくるはず
前回神戸のホーム戦では早い時間帯に相手のクリアミスを原が拾って、シュートを打ち先制点に繋がった。あの場面も前線に人数をしっかりかけていた京都が結果的に得点に繋げる形になった
一方の神戸の得点の部分は、ロングボールを起点に1点目は汰木のクロスに川崎修平が合わせて同点に追いついた
2点目も初瀬が裏のスペースに出したボールを俊足のパトリッキが仕留めて勝ち越しゴールとなった
この場面も、空中戦で勝利した神戸がセカンドボールを拾って、初瀬につけてロングボールという場面になっていた
③空中戦で流れを掴めるか という部分にも繋がるが、どこでボールを奪い、切り替えてゴールを目指せるか?両チームともショートカウンターの頻度が多いだけに、その攻防と一瞬の隙、そしてチャンスを得点に結びつけられるかを注目したい
更に神戸はセットプレーでも活路を見出したい。初瀬、扇原とキッカーは好調。宮代や山川も今季はセットプレーから得点も記録
ターゲットは大迫や武藤だけではなく、トゥーレルも含めて1つのセットプレーから流れを変える事ができる
京都は今季セットプレーからの失点が少なくないだけに集中力高く戦いたい
そして両チーム前線で空中戦の強いプレーヤーがいる。そこに対してどう強みを生かせるかも重要になる
収める、落とす、そのタイミングや方向をチームとして上手く連携できるかどうか。そして、その良さを生かすようなクロスやロングフィードを駆使できるかどうか
1か所1か所の局地バトルが激しい攻防になりそうなだけに、怪我なくタフに戦って欲しい
神戸もホームでは札幌戦以来、実に5試合ぶりのホーム戦勝利を
そして京都は連敗を止めて、上昇のきっかけを。気持ちを見せる良いゲームに期待しましょう
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