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Bリーグ2023-24シーズン第6節島根スサノオマジック対川崎ブレイブサンダースの個人的な試合展望

新シーズンが開幕しあっという間に1か月が経過
10月は各地で熱戦を繰り広げてくれました
11月はまず11月3日の祝日にB1リーグは2試合が行われ、金曜日から日曜日にかけて熱い試合が続きます

島根は前節の北海道戦ではチームの主力ビュフォード選手が欠場
それでもチーム全員で粘り強く戦いホームで勝利を収めて7勝2敗に
一方の川崎はアウェイ戦が続きます。それでも西地区の琉球、大阪に対して持ち前の強さを発揮し連勝は止まったもののここまで7勝2敗で中地区の2位につけています

お互いにここまで勝利を積み重ねている上位対決
島根はビュフォード選手の状況にもよりますが、総力戦になる一戦
川崎はアウェイ戦が続きますが、駆け付けてくれるサンダースファミリーの前でしっかり勝利を飾りたい

お互いにCS、更には年間王者を目指すために勝利にこだわりたい一戦。好ゲームに期待が高まります

解説:朴航生さん
実況:能政夕介

※加執・修正の可能性もあります

両チームの今季と前節について(11/2時点)5節終了時点

島根スサノオマジック【平均81.0得点(リーグ8位)平均75.9失点(リーグ7位)】7勝2敗で西地区4位

前節はチームの柱の1人ビュフォード選手がプレータイムなし
北海道戦ではマーティンと津山がスターティング5に起用された
北海道の高さとスピードに苦しむ部分はありながらも、安藤選手とニックケイ選手がいつも以上のプレーを見せ勝利に貢献した

そしてマーティン選手もプレータイムを確保した事で2試合とも2桁得点を記録し、GAME2は10リバウンドのダブルダブル達成
津山選手も2試合とも3Pを決め、特にGAME1では5つのアシストを記録
北川選手も要所で活躍し、晴山選手もGAME2は2本の3Pを沈めるなど、チーム全員で勝利へのこだわりを見せた一戦だった

今季の島根はインサイドにマーティン選手が加入、ニカ選手も現状フレッシュな状況と日本人選手のリバウンドへの意識も高くリバウンド平均は41.8回とリーグ5位(昨季38.1回で8位)
3Pの成功率は昨季チームとして36.2%で1位だったが、現状は成功率だけ見ると32.5%の12位。ただ積極的に打つ事、そしてビュフォード選手が戻ればチーム全体でもこの数字は上向く可能性が高い

今季はFTの成功率がチームで80%と高確率で現在リーグ2位。前節の北海道戦もニックケイ選手はFT16/16でチームの勝利に貢献した
TOも少なく、果敢なアタックで相手からファウルを引き出し、FTで加点をしていき試合を上手く進める場面もある
プレータイムのシェアの難しさや、選手負担の課題はあるかもしれないが、今季も島根は自分たちのスタイルを積み上げつつ上位を伺っていく

川崎ブレイブサンダース【平均81.8得点(リーグ7位)平均76.0失点(リーグ8位)】7勝2敗で中地区2位

昨季王者の琉球に勝利し、今季好調だった大阪の連勝を止めた中地区の雄でもある川崎ブレイブサンダース
GAME2こそ開幕以来の敗戦となったが、プレータイムをシェアしながらチーム全員で勝利を目指す
前節の大阪戦GAME1ではスターティング5以外の選手の活躍が光った
野崎は12得点、納見は流れを変える9得点、ロスコアレンも14得点8リバウンドと攻守で良さを見せた
安定感のある藤井は現在3試合続けて2桁得点を記録。欲しいところで得点を取り、チームをプレーで引っ張る姿が印象的でもあり、前節のGAME2で史上初となるB1個人通算400試合出場を達成した

今季はニックファジーカス選手が引退を表明。ラストシーズンの中で悲願の王者、そして3冠に向けて全員でハードワークを続けたい

得点数、失点数については島根と大きな差はないがインサイドの強さとバリエーションで分がある川崎は今季ここまで2点のFG成功率が52.9%でリーグ8位を記録
内外自在なロスコアレン選手やトーマスウィンブッシュ選手をはじめ、ユーティリティな外国籍選手が躍動できる形をつくれるか注目したい

3Pの成功率はチームで33.5%でリーグ9位。特にウィンブッシュ選手、ファジーカス選手、長谷川選手は50%近くの成功率を誇っている
リバウンドは今季平均が38.0回でリーグ15位だが、持ち前の激しい守備からの組み立てで主導権を握っていきたい

前節はヒース選手がGAME1は無得点もGAME2は20得点、9リバウンドを記録
アウェイ戦が続くが、怪我なくタフな好ゲームに期待したい

両チームのメンバー編成(★は今季加入)

■島根スサノオマジック
HC:ポール・ヘナレ(3季目)

■継続
ペリン・ビュフォード(4季目)
安藤誓哉(3季目)
ニック・ケイ(3季目)
北川弘(5季目)
津山尚大(2季目)
白濱僚祐(4季目)
ウィリアムスニカ(帰化選手)(4季目)
谷口大智(2季目)

■新加入
★ハッサン・マーティン(琉球でBリーグデビュー、海外でプレーし復帰)
★大橋大空(日本出身。海外でプレーし初のBリーグ)
★ワイリー光希スカイ(日本出身。海外でプレーし初のBリーグ)
★晴山ケビン(富山より加入)川崎は古巣

昨季CS進出を決めるもクォーターファイナルで悔しい敗戦を喫した島根スサノオマジック
今季も主力は残留し、新たに身体能力、リバウンド能力に優れたハッサンマーティン。そしてアウトサイドからのシュートと粘り強いディフェンスができる晴山を補強
大橋、ワイリーと日本から海外に渡り経験を積んだ若手を獲得し今季もCS進出、そして初のタイトルに向けて戦うシーズンになる

プレータイムのシェアというよりは、各個人がしっかりと状況に合わせてその役割を全うできるかどうか。特に若いプレイヤーはシーズンと共に、その存在感を示せるか楽しみにしたい

■川崎ブレイブサンダース
HC:佐藤賢次(HCとしては5季目)

■継続
藤井祐眞(10季目)
篠山竜青(13季目)
増田啓介(6季目)※特別指定選手時代含む
鎌田裕也(トータル10季目)2020-21シーズンのみ仙台でプレー
納見悠仁(2季目)島根は古巣対戦
ニック・ファジーカス(12季目)
長谷川技(12季目)
ジョーダン・ヒース(5季目)

■新加入
★ロスコ・アレン(新潟から加入)島根は古巣
★野﨑零也(FE名古屋から加入)昨季初のB1
★トーマス・ウィンブッシュ(イタリアのクラブから加入)
★飯田遼(香川から加入)初のB1

10年以上在籍する選手が多くいる。これはチームにとっても、個人やブースターの方にとっても喜ばしい事なのかもしれない。そして例年活発化していく移籍市場の中で川崎というチームは強さを誇っているからこそ、そうしたチーム作りができるのかもしれない
今季はロスコアレン、トーマスウィンブッシュと総合力の高い外国籍選手を補強。新加入の野崎や飯田はB2でのプレーの方が長いが、昇格に貢献した経験もあり、エネルギッシュなプレーヤーでもある

主力のメンバーに加えて、ベンチから出てきたメンバーもしっかりと役割を遂行しているからこそプレータイムのシェアができているのかもしれない
今季平均タイムの最長はジョーダンヒース、ニックファジーカスの両選手で約28分
鎌田選手のプレータイムがやや短いが、それ以外の選手は10分~25分のプレータイムを上手くシェアしている印象だ
長いシーズン、アクシデントを起こさないための試合運びも重要になる
盤石の状態での上位対決で勝利を掴み取りたい

過去の対戦成績(島根3勝・川崎7勝)リーグのみ

過去の対戦成績は島根の3勝、川崎の7勝という結果が残っている(リーグ戦のみ)
昨季はお互いに1勝ずつという結果だった
GAME1ではファジーカス選手が3Pを6/8沈め27得点12Rのダブルダブルを記録しチームをけん引。藤井も8アシストをマークし攻守で存在感を見せた

GAME2は逆に島根がエナジーを見せて、特に後半は攻守で躍動
ニックケイ選手が3Pを5/6で高確率に沈め、33得点を記録
インサイドではニカ選手が22得点、ビュフォード選手も20得点を記録した
チームでリバウンドも粘り、お互いに1勝ずつを分けた戦いだった

2022-23シーズン(島根1勝 川崎1勝)
川崎 80-64 島根 2022.12.04
川崎 61-89 島根 2022.12.05

2020-21シーズン(島根1勝 川崎1勝)
島根 65-79 川崎 2021.01.30
島根 86-85 川崎 2021.01.31

2019-20シーズン(島根1勝 川崎3勝)
島根
73-68 川崎 2019.11.02
島根 53-87 川崎 2019.11.03
川崎 85-76 島根 2020.02.15
川崎 106-74 島根 2020.02.16

2017-18シーズン(島根0勝 川崎2勝)
島根 63-84 川崎   2018.02.03
島根 75-100 川崎 2018.02.04

島根は2020シーズンからビュフォード選手、2021シーズンから安藤選手、ニックケイ選手が加入し2020シーズン以降はお互いに2勝ずつ

地区が異なるため多くの対戦機会はありませんが、上位でシーズンを駆け抜ければCSで再戦する可能性も十分にある両チームです

島根でのホームゲームは2020-21シーズン以来ですので、約2年半ぶり
今回はカミアリーナといつもと異なる場所での戦いですが、どのような戦いを見せてくれるか注目です

個人的な見どころ

7勝2敗同士。そして11月最初の試合となり、両チーム気持ちを強く持って臨む一戦になりそうだ

OTの接戦を勝利し、ホームで連勝を飾った島根は連勝を伸ばすために
開幕戦以来の敗戦となったが今季まだ連敗はなし。アウェイで勝利しホームに戻りたい川崎との一戦

注目ポイントは3つ
①メンバー編成
②リバウンドからの攻守
③アグレッシブな守備と集中力

①メンバー編成

大きなポイントの1つは島根のビュフォード選手の起用
前節北海道戦は出場しませんでしたが、今節はどうなるか?中4日なので、決して長くない期間の中でどのような判断をしていくか?
長いシーズンですのでできるだけ長く万全の状況でプレーすることを願うばかりですが、出場有無によっては島根はチームとしてのレベルアップが求められるはずです

川崎も今季のスタッツで見ると、安定感のある藤井・ファジーカス選手に加わる選手があと日替わりで素晴らしいプレーを見せている印象です
ウィンブッシュ選手は前節GAME2は1得点も琉球戦32得点、富山戦は23得点を記録
ロスコアレン選手も大阪戦GAME1は14得点もGAME2は2得点のみ
ヒース選手はGAME1無得点もGAME2は20得点を記録
この3選手は走れる外国籍選手でもあり、この3選手が安定して得点(アレン選手とヒース選手はリバウンドやブロック面も)を記録できれば川崎の安定感はより増すはず

島根、川崎共に日本人プレーヤーの活躍も必須となる中で、誰をスタートからチョイスして試合を優位に進めるのか?
そして途中交代から流れを変えるプレーを見せる選手が出てくるのか?この両面の部分で注目していきたいと思います

②リバウンドからの攻守
2つ目のリバウンドからの攻守については、今季ここまでリバウンド数の平均値では島根が優位性を保っている(島根:平均41.8回 川崎:平均38.0回)
特に今季の島根はORが好調で、ニックケイ選手、ウィリアムスニカ選手に加え安藤選手や白濱選手といった日本人プレーヤーも高い意識でリバウントに絡んでいる
強い守備から早い攻撃展開で躍進を遂げた島根のバズソースタイルは当然疲労度の部分や個の質によってチームプレーの難しさが出る部分もある
島根はミスなく主導権を握りつつ、特にアウトサイドからのシュートのトライは積極的に行い、リバウンドはしっかりと拾って主導権を握りたい

一方の川崎はファジーカス選手、ヒース選手といったDRをしっかり確保できる選手からの次のプレーに注目したい
セットオフェンスで進めるのか、それとも早い展開に持っていくのか?
その切り替えの早さと判断、その強度で自分たちの得意な形でしっかりと加点を行い流れをつくりたい
ここまでアシスト平均で見ると藤井選手が平均5.6回、ファジーカス選手が4.2回とこの両選手が得点をクリエイトしている
個でも打開できる選手は多いが、リバウンドからの切り替えでチームとして得点を奪えるか注目したい

③アグレッシブな守備と集中力
最後はアグレッシブな守備と集中力だ
島根は仮にビュフォード選手不在になると、安藤選手・ニックケイ選手の両選手への負担は大きくなる
特に安藤選手はビュフォード選手がいれば、得点を奪う事に集中もできるが、そうでなければ得点とアシストの両方が求められる
特に2人に対しては厳しいマークが予想される中で、だからこそ他にスペースが生まれる
そうしたスペースを上手く活用できるか、それともそうさせない守備ができるかどうかは重要になる

これは島根サイドにも同様の事が言える
特に守備面で期待値の大きい白濱選手。ニカ選手、マーティン選手、晴山選手も個々の役割はもちろん守備面で外国籍選手のインサイドアタック、そしてファジーカス選手得意のアウトサイドシュートをしっかりと抑えていきたい

島根はマーティン選手・ニカ選手がスティールやブロックショットでも存在感を見せている
一方の川崎で見ると、ハードディフェンスに定評がある藤井選手
そしてロスコアレン選手もスティールが上手く、ヒース選手はブロックショットでリーグトップを記録する平均1.9回を記録

個々で身体能力の高い選手が多くいる両チームですが、高い集中力が求められる一戦になりそうです

共に7勝2敗で迎える上位対決。今回は島根のホームアリーナでカミアリーナで開催。共に19時5分にティップオフ!是非現地、そしてバスケットLIVEにてお楽しみください!



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