見出し画像

Bリーグ2023-24シーズン第18節京都ハンナリーズ対群馬クレインサンダーズの個人的な試合展望

B1リーグはオールスターでの中断もあり、水曜にリーグ戦が再開。京都はアウェイの長崎戦に勝利し連敗を止めました

一方群馬はホームで宇都宮と対戦し悔しい敗戦もあり、現在連敗中。お互いに上位に向けて後半戦確実に勝利を積み重ねていきたい一戦です

リーグ戦は今節で折り返しとなる30試合目・31試合目になります。両チームにとって、今季ここまでの戦績を見るとシーズン前に思い描いていた結果とは差があるかもしれません

それでも、後半戦に向けて巻き返しと自分たちの目標地点に1歩でも近づけようとする逞しい姿が見たいものです

オールスターで見た夢のような祭典も心躍りますが、コート上での真剣勝負は私たちのココロをたぎらせてくれますし、私はそんな時間に胸高まります

開幕前の天皇杯2次Rで顔を合わせた両チーム。その時は群馬が勝利をしましたが、リーグ戦ではどんな一戦になるか?期待しながら待ちたいと思います

解説:内海慎吾さん
実況:能政夕介

※加執・修正の可能性もあります

両チームの今季と前節について(1/18時点)17節終了時点

京都ハンナリーズ【平均77.3得点(リーグ14位)平均83.8失点(リーグ21位)】9勝20敗で西地区8位(前節連敗ストップ)

2023年のラストゲーム、茨城戦での敗戦は悔しさが詰まった一戦でした。101得点をしたものの、109失点での敗戦。粘れなかったわけではありませんが、集中力、冷静さ、チームとしての課題も見えた2023年の最終戦でした

それでも、2024年最初の試合となった千葉戦。敗れはしましたが、特にGAME2はエナジーを強く見せた一戦でした

接戦を勝利に繋げる事は決して簡単ではありません。京都はリーグの中でも若いメンバーが集うチームです。難しさと同時に可能性も秘めているように感じます

前節の長崎戦は前半にリードチェンジを繰り返し、後半3Qでリードを広げ、4Qに粘る長崎に勝ち切り連敗を止めた一戦でした

長崎のスタイルでもある早いバスケット展開に手を焼く時間もありましたが、京都らしい粘りのあるDFの時間も多く見れました。スタッツで見れば3Pを5本沈め24得点を記録したマシューライト、そして19得点のCJに15得点のKJと外国籍選手の活躍も光りました

ただ、この試合も小西は存在感を見せていました。3アシスト5Rに2つのスティール
得点面ではFT2/2を含む6得点でしたが、バランスの良さとアグレッシブな守備で流れを引き寄せたように思います

宇都宮戦ではニュービルに、千葉戦では富樫に、そして長崎戦では馬場に対して若きキャプテンが強気の守備でチームに流れを引き寄せ勝利に貢献しました

京都はチームとして、ここから連勝という結果で自信をつける事ができるかどうか?
過去リーグ戦で勝利がない群馬相手に、自分たちのバスケットを貫き結果で示せるか注目していきたい一戦です

群馬クレインサンダーズ【平均76.1得点(リーグ17位)平均81.4失点(リーグ17位)】12勝17敗で東地区6位(2連敗中)

2024年最初の試合で素晴らしい展開を見せた群馬クレインサンダーズ 。連勝で勢いに乗っていた島根に対して攻守で安定感を見せ90-83で勝利を掴んだ一戦でした

GAME2こそ敗戦しましたが、GAME1では29アシストと美しい連携で得点を多く記録していきました

確実性と高い遂行力が多く見れただけに、前節の宇都宮戦は悔しい敗戦になってしまったかもしれません。ただ、その中でも得意のファストブレイクも見せ、後半は群馬らしさも多く出ていました。ただ、結果は81-93の敗戦。このアウェイ戦で巻き返しを図ります

宇都宮が群馬に効果的なシュートを打たせず、逆に要所で決めるべきシュートを決めて試合を優位に運んだ部分もありました。それでも群馬は今季強みである高いFTの成功確率、ペイントエリアでの得点、ファストブレイクではしっかりと成果は記録しています

今季の群馬はFTの成功率がチームで75.4%でリーグ5位を記録。特に2Pの試投数と成功数はリーグでも上位の水準です。アシストやスティール平均も高い中で、今季苦戦している外のシュートの確率とリバウンドでの粘りを見せれば勝利はグッと近づくはず

実力のあるプレイヤーたちが、リーグ後半戦に向けてどのようにチームで戦い抜いてくるか。名手が揃うだけに、その爆発力に注目したいところです

両チームのメンバー編成

京都ハンナリーズ
HC:ロイ・ラナ(2年目)

■選手(継続)
水野幹太
小西聖也
マシュー・ライト
青木龍史

■新加入(IN)
岡田侑大(信州から加入)
前田悟(川崎から加入)→現在負傷中
澁田怜音(新潟から加入)
チャールズ・ジャクソン(横浜から加入)
ラシード ファラーズ(千葉から加入)
ケビン・ジョーンズ(SR渋谷から加入)
半澤凌太(三遠から加入)
鈴木悠介(山形から加入)
ステイシー・デイヴィス(NBA G Leagueから加入)
シェック・ディアロ(NBA復帰から再加入)11月にリリースあり12月の島根戦で復帰

■他チームへ移籍、引退、契約満了など
ジェロード・ユトフ(横浜へ移籍)
小澤智将(横浜エクセレンスへ移籍)
久保田義章(三河へ移籍)
満田丈太郎(福井へ移籍)
トビンマーカス海舟(千葉へ移籍)
ザック・モーア(アースフレンズ東京Zへ移籍)
益子拓己(川崎に練習生として参加)
小室昂大(東京八王子へ移籍)
エペウドゥ(引退)
ステイシー・デイヴィス(NBA G Leagueから加入→新潟へ)

群馬クレインサンダーズ
HC:水野宏太(2年目)

■選手(継続)
星野曹樹
マイケル・パーカー
トレイ・ジョーンズ
五十嵐圭
八村阿蓮
野本建吾
菅原暉
並里成
ケーレブ・ターズースキー

■新加入(IN)
辻直人(広島から加入)
コー・フリッピン(琉球から加入)
木村圭吾(新潟から加入)
ベン・ベンティル(セルビアのクラブから加入)

■他チームへ移籍、引退、契約満了など
山崎稜(広島へ移籍)
アキ・チェンバース(SR渋谷へ移籍)
ジャスティン・キーナン

HCは変わらず、メンバーが入れ替わった京都と比較して、群馬はHCも選手も大きくは入れ替わらずのシーズンとなりました。ただ、新加入の辻・フリッピン・ベンティルは20分以上のプレータイムを確保しておりチームとして昨季から変化を見せながら戦っている状況です

両チームに所属する選手の縁で見ると

チャールズジャクソンと辻は広島で共にプレー(2021-22シーズン)

澁田と木村は昨季新潟で共にプレー(2022-23シーズン)

ケビンジョーンズと並里は琉球で過去共にプレー(2018-19シーズン)

ケビンジョーンズと八村阿蓮は渋谷で共にプレー(2020-21シーズン)

半澤と菅原は筑波大学時代の先輩後輩(2018-21の3年間共にプレー)菅原が先輩で半澤が後輩にあたる

ラシードファラーズとコーフリッピンは千葉で共にプレー(2019-21)

水野は星野・五十嵐と新潟で共にプレー(2020-21)

他にも青学の先輩後輩や洛南高校の先輩後輩など、繋がりの多い選手同士の縁があります。コート内外でそうしたコミュニケーションを観れるかも1つ楽しみにしたいポイントですね

過去の対戦成績(京都0勝 群馬4勝)

Bリーグ発足後、Bリーグでの記録では京都は対群馬戦で勝利なし
過去4試合は全て京都のホームで戦い群馬が勝利を挙げている

2021-22シーズン(群馬2勝)
京都 76-97 群馬 2021.12.04
京都 86-94 群馬 2021.12.05

2022-23シーズン(群馬2勝)
京都 81-88 群馬 2023.01.21
京都 73-91 群馬 2023.01.22

昨季のGAME1では前半京都はリードする展開でしたが、後半に群馬が逆転し勝利を飾りました

GAME1は京都ではユトフ、ライトが活躍。群馬ではパーカーとジョーンズが2桁得点をマークし勝利に貢献しました

GAME2ではジョーンズの24得点をはじめパーカーや並里、ターズスキーなど6名が2桁得点をマークし連勝に貢献。京都もディアロをはじめ4人の2桁得点を記録も後半に失点がかさみ悔しい敗戦となりました

昨季についてはリバウンドとインサイドでの得点で京都は群馬に上回られての敗戦でした。今季の京都はリバウンドでの優位性は現状あります。群馬は辻をはじめ外からの加点も期待ができるプレイヤーがいるだけに、良さと課題点に対してどのように取り組んでくるのか?

昨季からの変化をどのように結果に繋げていけるか注目していきたいところです

因みに開幕前の第99回天皇杯の2次Rで対戦。その時は群馬が86-69で勝利をしています

群馬はベンティル、パーカー、ジョーンズと辻が2桁得点を記録
京都はステイシーディヴィス、岡田が2桁得点を記録
この試合の群馬は圧倒的な3Pの成功率でした(13/27で48.1%)

今季チームとしてアウトサイドのシュートは決して高くないが、それだけのポテンシャルはあるチームです。
京都は9月からの4カ月間で確実にチームとしてのステップアップは見えています。だからこそ、両チームの変化を楽しみに見たいですね

個人的な見どころ

水曜日のナイトゲームから中2日の週末ゲーム。決して多く準備期間が取れるわけではないが、前節勝利している京都はその流れをホームで見せて連勝を飾りたいところです。一方の群馬は敗戦からの修正で連敗を止めて戦績を五分にまず戻していきたいところです

個人的な注目点は3つ。インサイド、リバウンド、そして守備にフォーカスをしています

①お互い強みのインサイドをどう生かすか?
②流れを分けるリバウンド
③激しい守備、そしてFTの行方

1つずつ見ていきましょう

①お互い強みのインサイドをどう生かすか?
総得点のうちペイントエリアからの得点割合は京都が44.4%でリーグ9位。一方の群馬は43.4%で10位とほぼ近い数字になっています
京都で見るとこのインサイドでの得点に貢献している選手がチャールズジャクソンとディアロの2人。ただ、日本人プレーヤーでも水野、小西、半澤、澁田、岡田とフィジカルやスピードのある選手が果敢にドライブをしかけて得点に繋げる場面も多くあります

一方の群馬はパーカー、ターズスキーの2人が圧倒的な強さを誇ります
この2人は強さだけではなく上手さも兼ね備えており2人の2FGは成功率70%を超えています
また、群馬はアシスト平均が1試合あたり19.3回でリーグ5位と、並里・フリッピン、ジョーンズの3人はフィニッシャーにもなり得る怖い存在でもある
宇都宮は強度の高い守備で、立ち上がりを除く前半は上手く試合をコントロールした。京都が同じように、ヘルプやローテーション含めて対応できるか注目したいところです

インサイドの得点についてもプロセスは違っていて、群馬は相手のTOから得点につなげる事に長けているチームです。実際に相手TOからの得点平均は15得点とリーグ8位。更にファストブレイクからの得点は13.2得点でリーグ3位です
京都からすると前節の長崎戦で相手のファストブレイクからの得点で、流れを渡す場面もありました。短い準備時間の中でどのように対策を施しているか期待したい部分の1つです

②流れを分けるリバウンド
今季の京都はリバウンドから流れを引き寄せています。昨季苦しんだリバウンドも今季はチーム平均39.6回でリーグ8位。特にDRは平均27.4回でリーグ6位の水準です
もちろんジャクソンやジョーンズの活躍も著しいですが、日本人プレーヤーのリバウンド意識は非常に高いものがあります
小西、水野、岡田は1試合平均で2.3回を記録。180センチ台の彼らが、上手くボールをもぎ取り少しでも自分たちに流れを引き寄せようとタフに戦います
京都はOR後の得点が平均12.1点とリーグ9位の水準です。ファストブレイクは群馬程ではありませんが平均10.4点ですので決して少ない数字ではありません。京都からすると優位性のあるリバウンド面をしっかりと確保して、流れをつくりたいところです

群馬は今季ここまでリバウンド平均は34.2回とリーグ23位の数字になっています。もちろんこれは一概に悪いという部分ではなく、戦術的な部分も相まっての数字になっているように思います
ターズスキーは7.7回と群馬のプレーヤーの中では圧倒的です。ジョーンズ、パーカー、ベンティル含めチームで上手くバランスを取りながらリバウンドから得意の展開に繋げていけるか注目です

③激しい守備、そしてFTの行方
京都の粘り強い守備に対して、群馬は上手さの光る守備という印象です
群馬はスティール平均が7.4回とリーグで4位と高い水準を誇り、そこから攻撃に繋げ、良い守備から攻守に切り替えて得点を取る場面が多くあります
そして、そうした流れになると相手チームは止めるためにファウルをしてしまい、結果的にFTを得て更に得点を重ねていきます
群馬のFT成功率は75.4%とチームとして非常に高い数字です(リーグ5位)

ジョーンズ、辻、ターズスキーは8割を超える成功率
ベンティルも78.7%なので試投数の多い選手たちのシュートが上手い事が特徴です

一方の京都はファウルの数がリーグで最も少ないチームでもあります(平均16.1回)腰を落とし、よく走り粘り強く守備をします
現状平均失点数は83.8点と少なくありませんが、積極的な守備というよりかは、相手との我慢比べのような守備を粘り強くしている印象です
京都は群馬の早いバスケットに対して、ペースを乱さずに遂行しきる事ができるかどうか。その点は長崎戦での勝利が彼らに自信を与えているかもしれません
ただ、群馬は早いだけではなく上手さもあります。天皇杯では外のシュートを決められ京都に対して勝利を飾りました。得意のインサイドに加えて、前節好調だった辻のように外からも得点をより奪えれば非常に熱い試合になるように思います

洛南高校出身で京都にもゆかりがある群馬の辻選手は、川崎所属時代から社会貢献活動に取り組んでいます

新型コロナウィルスの影響もあり一時ストップしていた活動でしたが、先日再開するというリリースもありました

「スリーピース バスケットボールを通じて、社会貢献を!」と群馬クレインサンダーズが共同で「令和6年能登半島地震」に対する募金活動を実施

個人的にですが、スポーツ選手が与える影響はとても大きいと思っています。こうした活動も実際に行動に移すには色んな判断や本人の強い気持ちが必要だと思っていますし、リスペクトできる素晴らしい取り組みだと思います

現状全国の各チームで、能登半島地震に対する活動も行われています。現状まだ素直に試合を楽しむことができないという方もいらっしゃるかと思います。その中でも、私も自分にできる事をまずは全力で取り組みたいと思います

京都VS群馬の一戦は1/20と1/21の週末に実施。是非現地、またはバスケットLIVEにてお楽しみください。私も2024年最初の実況、しっかりと取り組みたいと思います

この記事が参加している募集

Bリーグ

サポートいただいた内容は今後の記事や取材等に充てさせていただきます。少しでも良い内容をお届けできるようにしていきます。