”育成”の本質が事例で分かる?⇒『サッカーとビジネスのプロが明かす育成の本質』
紹介する一冊
『サッカーとビジネスのプロが明かす育成の本質』菊原志郎・仲山進也氏著
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こんにちは。フリーアナウンサーの能政夕介です。前職楽天でお世話になった仲山進也さんの新刊という点と、現在スポーツ中継でサッカーという競技を担当することも多いので惹かれた1冊。
サッカーはユースチーム(各サッカーチームの育成年代)や高校生等スチーム(各サッカーチームの育成年代)や高校生等多くの人がプレーを行っています。
世界的に見ると競技人口は2億6,000万人。日本では登録されている競技者で約90万人がプレーをしています。
ビジネスの場と、スポーツの現場での”育成”についてどのような共通点があるのか?
元日本代表でプレーされ、現在海外で活躍する南野拓実選手や中島翔也選手を育成年代で指導された菊原志郎氏のエピソードと、楽天創成期から現在も在籍しながら、横浜Fマリノスでプロ契約スタッフとして関わる等、自由な働き方を体現する「個と組織の成長マニア」仲山伸也氏が描く育成の本質とは?
『育成』についてはビジネスの現場でも離職防止の対策等も取られています。スポーツの現場でも、なぜこの選手は成功して、なぜこの選手は結果を残すことができないのだろう?と疑問を持つことがあります。
実際の育成現場では、何が起こっていて、実際に指導者目線としてどのような考え方が必要なのでしょうか?サッカーだからこその要素もありましたが、他のスポーツやビジネスの場にも展開できる要素が多くありました。
実際に中身を見ていきましょう。
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うまくなるまでやると「やらされ感」がなくなる
うまくなりたいという気持ちがあると、自分で一生懸命工夫する。人よりもうまくなると達成感や優越感が生まれ、より工夫することができ良い循環が生まれる。
それでは、どうすれば気持ちが没頭できる、夢中状態になるのでしょうか?
指導する側はどのようにサポート・支援をする必要があるのでしょうk?
夢中体質のつくり方(フロー理論:ミハイ・チクセントミハイ氏の理論を参照)
その理論を基に書籍内では図を使い、仲山伸也氏のアレンジを加えて、説明をされています。解釈の1つとしてですが、
能力を大きく超えた挑戦をすると、人は「不安」になります。
逆に能力が高いのに挑戦をしないと「退屈」になります。
モヤモヤの正体は「不安」と「退屈」の2種類なのです。
これに対して、挑戦と能力のバランスが取れているとき、人は「夢中」になりやすい。
と述べられています。個人でバランスを取り「夢中」の状況に持っていくことが理想ですが、周囲がその環境をつくりだすための働き方をすることも重要になりそうです。
また、夢中な状態になれたとしても、独りよがりになってしまっては良い成果が生まれない。菊原氏の経験談で印象に残ったエピソードがありました。
「人の気持ちを考えないのはダメだ。言い方を考えなさい。その人がやる気をなくしたら、おまえにもパスは来ない。人のせいにしてはダメだ。自分も、他の人も成長できる方法を考えなさい」
」(小学生時代の菊原志郎氏に菊原氏の父親がかけた言葉)
こうした意識をどのように引き出せるかどうかは、関係性の質が重要になってきそうです。書籍内では、「グループ」と「チーム」の違いと変化についても述べられています。その中のキーワードの1つに心理的安全性という言葉が出てきます。
思っていることを言っても評価を下げられない、非難・攻撃されない、自分の立場が危うくならないと感じられる状態が「心理的安全性」です
と述べられています。菊原氏の読売クラブ時代のエピソードや2011年にFIFA U17ワールドカップで日本代表がベスト8に入った際の育成エピソードの中でも語られています(中島翔也選手、南野拓実選手、鈴木武蔵選手、早川史哉選手、岩波拓也選手、室谷成選手等、現在国内外で活躍している選手たちがどのように結束していったかも描かれています)
サッカーの事例がもちろん主ですが、そこからビジネスや日常生活へ転換ができる解説が加えられていることで、より自分事として落とし込みやすい内容になっています。
その他にも気になる要素として
努力の質について
同じシュートを1,000回やる努力と、その次を想定して相手ゴールキーパーと駆け引きしたり、こうやったら面白いかなと楽しみながらしたりする努力は違います。(菊原志郎氏のコメント)
漫然と繰り返すのではなく、楽しみ方やその工夫ができるという思考の柔軟性をどのように伝えていくかも育成を考える上では重要な要素ですね。
変化した選手の事例
中島翔哉選手・植田直通選手・中村航輔選手・喜田拓也選手のエピソードも登場。選手の変遷も描かれています。こちらはサポーターの皆さんから見ても興味深いかもしれませんね。
「選択肢を増やす」・「優先順位」の理解を伝えるためには?
中国の育成年代を指導する中で、菊原志郎氏がどのような意識で実践をし、勝てなかったチームを1年半で全国優勝に導いたかについても描かれています。
個人的には”育成”というのは他者に対してだけではなく、自分自身への育成にも当てはまると思っています。もちろん身近な人との関わり合いの中で、相互に成長するために知っておくと考え方の幅が広がります。
他にも紹介したいことはたくさんありますが、百聞は一見に如かずということで興味がある方は是非読んでみてください!
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▽目次▽
第1章 天才の育ち方
第2章 強いチームを育む組織文化
第3章 組織の育成─── 自走するチームのつくり方
第4章 個の育成1─── 伸びる子と伸びない子の違い
第5章 個の育成2─── 自走人の増やし方
第6章「個を伸ばす指導者・保護者」と「個をつぶす指導者・保護者」の違い
第7章 グローバル時代の育成
第8章 サッカーから学んだことを通して幸せになる
こぼれ話
楽天へは2009年の4月に入社し2013年の3月に退社しました。
新卒研修はヴィッセル神戸の販促のサポートを仲間たちと行ったことは今でも印象に残っています。
”達成する文化”が強く残っており、目標を逆引きして、どのようにして行動計画を立てていくかという点を新卒時代に学びました。
そんな思い出深い楽天。ですので、実況アナウンサーとしてヴィッセル神戸の試合を初担当した試合は今でも強く印象に残っています(ポドルスキーのデビュー戦)
2019年のシーズンも残り天皇杯のみ。来季のサッカーも楽しみですね。
因みに筆者の仲山氏は他にも多くの書籍を出版されています。
他にも、多くの書籍があるので興味のある方は是非のぞいてみてください。
https://search.rakuten.co.jp/search/mall/%E4%BB%B2%E5%B1%B1%E9%80%B2%E4%B9%9F/?f=1&grp=product
皆さんもおすすめの本があれば是非教えてください!ご覧いただきありがとうございました。
サポートいただいた内容は今後の記事や取材等に充てさせていただきます。少しでも良い内容をお届けできるようにしていきます。