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2024明治安田J1リーグ第21節ヴィッセル神戸対鹿島アントラーズの個人的な見どころを紹介

上位チームとの連戦が続いた両チーム
ホームチームの神戸はG大阪戦1-2の敗戦、町田戦は0-0のスコアレスドロー
複数失点後の試合でしっかりと無失点とし、堅守を崩さなかった一方で得点面には課題が残っている
とはいえ、リーグ後半戦のスタートで現状は4位。勝ち点差は詰まってきている中でしっかりと勝ち切りたい鹿島との一戦となる

一方の鹿島は浦和戦2-2の引き分け、G大阪戦は0-0のスコアレスドローと3連戦は2分けと現状リーグ戦は11試合負けなしで2位につけている
常勝軍団復活へ。「勝つ」事でその存在を示したい一戦となる

リーグも前節から後半戦がスタート。夏場は移籍もあり、ここから各チーム変化も起こりやすい

ただ、今のチームがベースになる事は間違いない。だからこそ、前半戦積み上げてきた勝ち点を自信に変えて、ピッチ上で熱い試合を観たい一戦です

(J1リーグ 解説:加地 亮さん リポーター:加藤綾さん 実況:能政夕介)※追記、修正の可能性あります

順位と前節の振り返り(2024/6/28時点)(リーグ戦のみ)

ヴィッセル神戸:10勝4分6敗 勝ち点34の4位  27得点 15失点(+12)

中3日の連戦となったホームゲーム。神戸は大迫がベンチからスタート
最前線に佐々木、左にパトリッキ、右には武藤を敷いた
中盤は扇原、井出から井手口・宮代を起用。底には山口が入った
守備は累積警告で出場停止の山川に代わって菊池がCBに
控えにも飯野や鍬先といったメンバーが入った

G大阪戦も決定機をつくりつつもこじ開けきれなかった部分もあったが、メンバーを代えた一戦は主導権を握りながらゴールに迫る場面を見せた

前半お互いに好機をつくるも、守備陣とGKのセーブも光りお互いに得点を与えたない。その中でも神戸は特に長短のパス、攻守の切り替えて町田を上回りつつゲームを運んだ前半だった

神戸は前後半通じてパトリッキがコンディションの良さを見せた
ゴールこそ生まれなかったが、ドリブル突破で違いを見せ相手守備陣を苦しめた
後半に入っても神戸は攻勢を強め、大迫や飯野を投入した後はフォーメーションを変えつつゴールに迫ったが体を張った町田の守備を攻略できず、結果は0-0のスコアレスドローに終わった

勝ち点こそ得られなかったが、山川を欠いた守備陣で無失点に抑えた部分。そしてメンバー交代しながら主導権を握る事が出来た部分をプラスに捉えたい
一方で、シュートの数で大きく上回りながら、最後の際の部分でやり切れなかった部分をどう修正してくるか
得点まで逆算したプロセスに、どれだけ変化やチームとしての戦術+個の良さを出せるか。中3日での連戦だがその変化には大いに注目したい

2024明治安田J1リーグ第20節神戸VS町田の試合結果(Jリーグ公式HPより引用)


鹿島アントラーズ:11勝5分4敗 勝ち点38の2位  33得点 22失点(+11)

鹿島は連戦だが好調さもあって先発メンバーの入れ替えはなし
控えに土居がメンバー入りした。その鹿島はホームでサポーターの後押しも受けながら充実した前半でのプレーを見せた

立ち上がりから攻撃的なSB濃野から鈴木への連携でゴールに迫る
前半は特にガンバのプレスで空いたスペースを上手くつきながら鹿島が攻守の切り替えからチャンスを多くつくる
ただ、G大阪も中谷の攻守もあり得点を許さない
鹿島は仲間、師岡もゴールに迫る場面を見せるも、得点は奪えず前半は0-0のスコアレスで折り返す

後半に入ると少しペースも変わり、鹿島はなかなかボールを握れず。G大阪が主導権を握る時間が増えた
鹿島は交代メンバーがギアを上げる。柴崎のコントロールショット、藤井のスピード、チャヴリッチもチャンスをつくるプレーを見せるも得点は奪えず

前半で点を取り試合を決めたかった鹿島は今季初のスコアレスドローという結果に
今節は鈴木が警告を受けて、今節は出場停止。連戦中も存在感を見せていたエース不在の中で、チームとしての総合力が求められる一戦となりそうだ

2024明治安田J1リーグ第20節鹿島VSガンバ大阪の試合結果(Jリーグ公式HPより引用)

過去の対戦戦績(リーグ戦のみ)

過去の対戦成績はリーグ戦で見ると、神戸の13勝、鹿島28勝、引き分けが10回と鹿島が上回る

今季は15節(5/19)に対戦し鹿島のホームで1-0。鹿島が勝利(濃野の得点)
昨季は4月に鹿島のホームで対戦し5-1で神戸が勝利(神戸:大迫・武藤が2得点、佐々木が得点 鹿島:鈴木)
そして10月は神戸のホームで対戦し3-1で神戸が勝利(神戸:佐々木2得点・井出が得点を 鹿島:松村が得点を記録)神戸がシーズンでホーム&アウェイで勝利するのは昨年が初

鹿島は今日勝利すれば、対神戸戦は2012年以来12年ぶりのシーズンダブルとなります

■所属選手が在籍時にこの対戦カードで得点を決めている選手(リーグのみ)
ヴィッセル神戸:大迫・佐々木が3得点、武藤が2得点、山口、井出が得点を記録
鹿島アントラーズ:鈴木優磨が4得点、土居が3得点、濃野・松村・柴崎が得点を記録
※鈴木は2022年の天皇杯準々決勝でも得点を記録

■古巣対戦:
・ヴィッセル神戸
大迫勇也:2009年~13年まで在籍(リーグ戦139試合40得点)
広瀬陸斗:2020年~23年まで在籍(リーグ戦71試合出場)

今シーズンの成績(リーグ戦のみ)


ヴィッセル神戸:10勝4分6敗 勝ち点34の4位  27得点 15失点(+12)

先制試合:10試合 9勝1分け(昨季は先制試合22試合で19勝2分1敗)
先制された試合:7試合 1勝6敗(3節のFC東京戦で今季初の逆転勝利)
スコアレスドロー:4節の広島戦、6節の鳥栖戦、20節の町田戦(昨季は1試合のみ)

ホーム: 4勝2分4敗 勝ち点14 12得点  8失点 得失点+4
アウェイ: 6勝2分2敗 勝ち点19 15得点  7失点 得失点+8

リーグ戦では10名が得点(宮代7得点、武藤が6得点、大迫4得点、佐々木と山口が2得点・汰木・山川・山内・本多・井出が得点を記録)

複数得点:7試合  
複数失点:3試合 
無失点:8試合 
無得点:7試合(昨季は4試合のみ)

<得点>前半に12得点 後半に15得点   
<失点>前半は無失点 後半は15失点
前半開始15分以内に4得点、後半開始15分に5得点と出だしに強い

27得点中セットプレーでの得点は12点の44.4%。大迫直接FKで1得点初瀬や扇原がFKとCKから起点をつくる(CKから6得点、FKから5得点内1本は直接、PKから1得点)

15失点中セットプレーからの失点は5で割合は33.3%(CKから4失点:FC東京、京都、新潟,G大阪戦など)

神戸はリーグ戦で見ると、5/11のC大阪戦での4得点以来複数得点なし
上位を伺うためには得点で結果を出す必要もある
前節の町田戦は堅牢な守備を見せ、シュートも放った。あとはそのプロセスを結果に結びつける事ができるか注目したいところでもある

鹿島アントラーズ:11勝5分4敗 勝ち点38の2位  33得点 22失点(+11)

先制試合:12試合 9勝2分1敗(9節鳥栖戦のみ逆転負け)
先制された試合:7試合 2勝2分3敗(4節川崎戦、17節横浜FM戦は逆転勝利)
スコアレスドロー:20節G大阪戦が初(昨季5試合)

ホーム: 6勝4分0敗 勝ち点22 16得点  9失点 得失点+7
アウェイ:5勝1分4敗 勝ち点16 17得点  13失点 得失点+4

リーグ戦では8名が得点。鈴木優磨が10得点記録、チャヴリッチ6得点、濃野5得点、名古4得点、仲間・植田が3得点、藤井・関川が得点を記録)
複数得点:11試合  複数失点:5試合 無失点:6試合  無得点:4試合(前節13試合ぶり無得点)

<得点>前半に12得点 後半に21得点   
<失点>前半は7失点 後半は15失点
前半の立ち上がりに7得点,後半の立ち上がりに9得点と前後半の15分以内に得点が多い

33得点中セットプレーでの得点は13点の39.4%。鈴木がPKで4得点、名古・樋口がFKとCKからアシストを記録して得点へ繋げている
22失点中セットプレーからの失点は4で割合は18.2%(FKから2失点とCKから1失点など)FKでの失点はいずれも後半アディショナルタイム

複数得点が前半戦の半分以上で記録。前節は今季初のスコアレスドローと13試合ぶりの無得点だった。今節はチームトップ10得点の鈴木が不在も、チームで2番目に得点が多いチャヴリッチが存在感を見せたい
また、今季の鹿島は守備陣が点を取る。濃野、植田、関川でチーム約30%の9得点を記録している
チーム総合力を持って、アウェイの地でもやり切りたい一戦となる

個人的な見どころ

今季のリーグ戦、前半戦での戦いも3連戦の3戦目だった
その時は神戸がホームで福岡に勝利しアウェイ鹿島戦で5連勝を狙った一戦
ただ、結果は鹿島がホームで1-0の勝利で連勝をマークしました

鹿島は現在リーグ戦は11試合負けなし(7勝4分)ただ、この連戦は2分けと3試合ぶりの勝ち点3を狙う一戦

神戸は7試合複数得点がリーグ戦ない状態。前線の奮起もだが、シュートを打つ事ができているため、そのプロセスの改善と結果を手に入れたいところでもある
▼第15節のハイライト▼

個人的なポイントは以下の3つを挙げたい
①神戸はどう点を取るか?鹿島は鈴木優磨が不在の中誰が奮起するか?
②前半に固い両チーム。連戦の中、90分強度を保てるか
③前に繋ぐ、奪う中盤がカギ。セットプレーのクオリティーも

①神戸はどう点を取るか?鹿島は鈴木優磨が不在の中で誰が奮起するか?
神戸は4-1で勝利したC大阪戦以来複数得点から遠ざかっている
シュートの数はリーグ4位の神戸(1試合平均15.1回)ただ、シュート決定率はリーグで5番目に少ない水準になっている

相手陣内PA内でのプレー数も多い。後はゴールまでの逆算とその遂行力となる。昨季の王者は、当然今季各チーム対策を施している
どれだけ個のクオリティーが高くても、予測ができれば止める難易度は変わってくる

それでも神戸は前半戦を折り返して4位につけている。ここから上を目指すためには昨季からの進化が必要になってくる
前節はその変化の一部が見られたように思う。パトリッキの突破、潤滑油にもなった井手口や山口。単独突破で流れをつくった宮代

大迫を活かす。武藤を活かす。その先にある部分を、チームとして表現したい

一方の鹿島は、エースの鈴木優磨を欠く中でどんなプレーを見せるか楽しみにしたい
今季の鈴木は10得点3アシスト。PKでの得点が内4得点を占めるものの、その4本はすべて成功。強いメンタリティーを持ってチームを牽引している
もちろん、鈴木のCFでの振る舞いは他のFWとは一線を画すようにも思う

彼にしかできないプレーや、周囲の動きとの連動があったようにも映る。だからこそ、鈴木不在の中でも良さを見せて勝ち切りたい

チャヴリッチは186センチと高さもあるが、足元の技術やスピードもあるプレーヤーだ。今季はここまで6得点3アシスト
クロス、スルーパスのターゲットにもなるなど、相手のCBを押し下げるプレーにも期待がかかる
鹿島はチャヴリッチと仲間・名古・師岡と4人の連携に注目が集まる。切り替えからのプロセスでしっかりと結果を出し切りたい


②前半に固い両チーム。連戦の中、90分強度を保てるか

お互いに前半は固い。神戸はいまだにリーグ戦前半は無失点
鹿島も前半は7失点でリーグ3番目に少ない数値となっている

お互い前半に点を取れないチームではない。ここまで前半に奪った得点はお互いに12得点でリーグ2位
特に鹿島は浦和戦は2得点を前半に奪っている

神戸は今季先制試合は負けなし(10試合で9勝1分)だからこそ、先制点を奪い、固さのある守備で勝ち切りたい
ただ、もちろん連戦の中で蒸し暑さもありコンディションの難しさはあるかもしれない

鹿島は今季前半・後半の立ち上がり15分以内で7得点と9得点を記録(実に全体の半分を立ち上がり15分以内に記録)ここに1つ鹿島らしさがある

一方で後半30分以降の失点は9失点(特に後半アディショナルタイムは4失点)とその集中力を保ち切れるか注目したい

神戸は武藤が今季6得点中4得点は後半44分以降の得点となっている(90+5,89,90+3,90+1)※ちなみに武藤は残りの2得点は43分といずれも前後半の終了間際に記録している

更に重要になってくるのは交代選手で流れを変える事ができるかだ

今季の神戸は途中交代から得点を記録したのが宮代の1得点のみ(5/11のC大阪戦)
一方の鹿島はチャヴリッチが4得点(リーグ最多タイ)藤井が1得点

ただ、今節についてはそのチャヴリッチが先発起用が濃厚。だからこそ、途中から流れを変える選手起用とその活躍は重要になりそうだ

③前に繋ぐ、奪う中盤がカギ。セットプレーのクオリティーも

神戸の中盤は今季ここまで山口・扇原・宮代・井出・井手口が主にプレー
CB陣を含め守備陣もですが、山口はインターセプト数でリーグ3位の11回、こぼれ球奪取数は93回でリーグ4位を記録している。扇原もインターセプトは7回。タックル成功率は39回で84.6%なので高水準を誇っている

鹿島は今季ボランチでプレーする知念がデュエル勝利数は圧倒的にリーグ1位の89回(空中戦を除く1対1での勝利総数で、ドリブルで抜いた回数+タックル数をカウント。ドリブルについてはかわした回数はカウントせず、タックルについては自チームのボールとならなかった場合もカウントする。)

2位の岡村が59回なので30回の差をつけている(神戸は酒井が51回でチームトップ)
知念はインターセプトが12回でリーグ2位。佐野は11回で山口と並んでリーグ3位となっている
タックル数などは知念が脅威だが、佐野はこのインターセプトやシュートブックで存在感を出している(シュートブロックは15回でリーグ6位)
ボランチの2人が広範囲でカバーをし、攻守の潤滑油になっている

お互いに能力の高い中盤プレイヤーがいる中で、ボールの奪い合い、そして切り替えの部分では大いに注目したい部分でもある

膠着した試合状況の中で、流れをつくるセットプレーではお互い攻守で良さを見せている

■ヴィッセル神戸の今季のセットプレー
27得点中12点の44.4%
15失点中失点は5で割合は33.3%

■鹿島アントラーズの今季のセットプレー
33得点中13点の39.4%
22失点中失点は4で割合は18.2%

お互い4割近くセットプレーから点を取り、守備面では多く失点はしていない

神戸は初瀬を中心に。鹿島は今季名古が好調でここまで5アシスト中4アシストはセットプレーで記録している

前節終了時点では2位と4位の上位対決。土曜日の結果で順位の入れ替えはあるかもしれませんが、上位対決であることは変わりないはず
お互いに勝って、上位を伺いたい熱い対戦カード。怪我無く好ゲームに期待しましょう


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