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Bリーグ2023-24シーズン第22節大阪エヴェッサ対京都ハンナリーズの個人的な試合展望

リーグ後半戦。下位チームが上位チームに迫る試合など熱い好ゲームが続いています。同時に連戦でのコンディション調整、チームとして勢いの継続や上昇のきっかけをどのタイミングで掴むか?その難しさがあるかもしれません

大阪は今季好調な開幕を飾りながらも、ケガ人の影響もありリーグ中盤以降波に乗れない状況が続いています

それでも、宇都宮戦、アルバルク東京戦、名古屋ダイヤモンドドルフィンズ戦と勝利に値する素晴らしい試合展開も見せてくれています

チームが再び上昇のきっかけを掴むために、自信を結果に繋げたい一戦です

一方の京都はアウェイの地で琉球、島根に勝利。そして前節は川崎に勝利と西地区・中地区の強豪にも勝利を飾っています。とはいえコンディション不良やけが人もいる中でこの勢いを継続できるか注目したいところです

今季10月に京都のホームで対戦した際は、後半に大阪が力強さを見せ逆転勝利を飾りました

あれから約2カ月半。シーズンを通じて成長したチームの姿をブースターに届ける事ができるでしょうか?

関西という地域を盛り上げるために、大阪・京都がより面白い試合を見せてくれる事に期待したい一戦です

解説:根間洋一さん
実況:能政夕介

※加執・修正の可能性もあります

両チームの今季と前節について(2/6時点)21節終了時点

大阪エヴェッサ【平均77.7得点(リーグ14位)平均83.0失点(リーグ19位)】13勝23敗で西地区7位(6連敗中)

1/20の横浜戦以来勝利から遠ざかっている大阪
それでも敗戦した横浜・A東京(2試合)・名古屋D戦はいずれも10点差以内の好ゲームを見せています

ただ、欲しいのは勝利という結果。良い戦いを継続しながら、その集中力を全てのQで見せていきたい

前節の千葉戦、GAME1も結果は点差が開いたが1Qを除けば大阪らしいバスケットを見せる事はできていました

そして、GAME2はスタートからエナジーを見せて前半は互角。ただ、後半の立ち上がりで差が開き、結果として連敗を止める事はできませんでした

連勝中の千葉は試合巧者だった。大阪が得意とするインサイドの攻撃をアグレッシブな守備で確率を下げた

それでもGAME2は鈴木達也、カロイアロ、ハマーな果敢なアタックも功を奏し、インサイドだけではなくアウトサイドでも効率よく得点を取る場面もありました

特にカロイアロ、ロングがインサイドにいる時に大阪は強い。そこから中で仕留める事もできれば、リバウンドから得点も奪えます。そして、インサイドに人が集まれば外に出してアウトサイドからフリーをつくってシュートを打てることができます

ただ、前節は外国籍選手が早い時間でファウルトラブルにも見舞われました。前節特に警戒をされた橋本は得点を伸ばせず苦しみました
試合の中では、鈴木達也だけではなく、竹内や合田も要所で輝きを見せましたが、勝利をするためには全員でより強い気持ちで向かっていく姿勢が必要になってきます

中2日の一戦ですが、チーム一丸となって勝利に向かいたいところです

京都ハンナリーズ【平均77.7得点(リーグ14位)平均84.3失点(リーグ22位)】12勝24敗で西地区8位

OTの末敗れたホーム群馬戦。そこからは同地区の強豪、琉球と島根との連戦でした。その3試合を2勝1敗で勝ち越し、前節川崎相手にホームで勝利を飾りました

決してチーム状況は万全ではありません。コンディション不良でCJとマシューライトを直近の3試合で欠いています

更に、前節のGAME1で水野が負傷しGAME2はロスター外
苦しい状況でも、悲観する事なく勝利を積み上げている京都は確実に登っているよう思います

昨季活躍したディアロがチームにフィットし、澁田や半澤はアグレッシブな攻守で存在感を見せています

加えて、ファラーズが脳震盪から復帰し、前田も徐々に復帰に向けてギアを上げている最中。チーム内での競争が、チームをステップアップさせているようにも見えます

GAME1の川崎戦はエースである岡田を中心に、ディアロ・ケビンジョーンズと2人の外国籍選手が攻守で活躍し、粘る川崎を振り切りました

一方でGAME2は川崎の守備の圧力、岡田への対策の前に悔しい敗戦に

1試合1試合での集中力、そして相手の対策を上回るプレーを個々としてもチームとしても必要になってくるタイミングです

ただ、京都は敗戦から確実に次につなげるチームです。シーズン序盤こそ長い連敗で苦みましたが、徐々に上位チーム相手にも素晴らしい戦いをみせてくれています

現在、大阪とのゲーム差は「1」仮に京都が勝利すれば戦績では並ぶ形になる。ただ、得失点差では現在「-48」と大阪が上回っています

勝敗に加えて、京都は勝ち方にもこだわりを見せていきたいところです

今季ここまで失点数はリーグで下から3番目。若いチームだからこそのエネルギー溢れる部分と、不安定さの両方が見えるここまでのシーズンかもしれません

「共に登る」そのコンセプトと共に確実に自信をつけてきた。シーズン終盤に向けて、更なる高みを目指していきたい一戦です

両チームのメンバー編成

大阪エヴェッサ
HC:マティアス・フィッシャーHC(2年目)

■選手(継続)
橋本拓哉(9季目:2012-13のbjリーグ時代でのプレー含む)
竹内譲次(3季目)
合田怜(8季目))
飯尾文哉(昨季特別指定選手でプレー今季からプロとしてプレー)
木下誠(3季目)
鈴木達也(2季目)

■新加入(IN)
ショーン・ロング(北海道から加入)
西川貴之(佐賀から加入)
アンジェロ・カロイアロ(トルコのクラブから加入)
イアン・ハマー(ギリシャのクラブから加入)
土屋アリスター時生(三遠から加入)
多嶋朝飛(茨城から加入)
髙木 拓海(大阪産業大学より特別指定選手として加入)

■他チームへ移籍
エリエット・ドンリー(信州へ移籍)
星野零志(岩手へ移籍)
ショーン・オマラ(FE名古屋へ移籍)
アイラ・ブラウン(千葉Jへ移籍)
ディージェイ・ニュービル(宇都宮へ移籍)
カイル・ハント(新潟へ移籍)

京都ハンナリーズ
HC:ロイ・ラナ(2年目)

■選手(継続)
水野幹太
小西聖也
マシュー・ライト
青木龍史

■新加入(IN)
岡田侑大(信州から加入)
前田悟(川崎から加入)→現在負傷中
澁田怜音(新潟から加入)
チャールズ・ジャクソン(横浜から加入)
ラシード ファラーズ(千葉から加入)
ケビン・ジョーンズ(SR渋谷から加入)
半澤凌太(三遠から加入)
鈴木悠介(山形から加入)
ステイシー・デイヴィス(NBA G Leagueから加入)
シェック・ディアロ(NBA復帰から再加入)11月にリリースあり12月の島根戦で復帰

■他チームへ移籍、引退、契約満了など
ジェロード・ユトフ(横浜へ移籍)
小澤智将(横浜エクセレンスへ移籍)
久保田義章(三河へ移籍)
満田丈太郎(福井へ移籍)
トビンマーカス海舟(千葉へ移籍)
ザック・モーア(アースフレンズ東京Zへ移籍)
益子拓己(川崎に練習生として参加)
小室昂大(東京八王子へ移籍)
エペウドゥ(引退)
ステイシー・デイヴィス(NBA G Leagueから加入→新潟へ)

両チーム所属選手の縁はいくつかあります

竹内とケビンジョーンズはA東京で共にプレー(2019-21)

飯尾と小西は洛南高校の先輩後輩(小西が1つ学年が上)

西川と岡田は三河で共にプレー(2018-19)

鈴木達也は2021-22シーズン京都でプレー

青木は2021-22シーズン大阪でプレー(彼にとってB1デビューは大阪)
また、鈴木達也と岡田は拓殖大学の先輩後輩(学年は鈴木が8つ上)

といったような縁もあります。コート上での再開や、コミュニケーションを取る姿も見られるかもしれませんね

過去の対戦成績(京都19勝・大阪16勝)リーグのみ

昨季は4度対戦し京都の3勝、大阪の1勝
今季は10月の水曜ゲームで1度対戦し、その時は大阪が勝利を飾りました

2023-24シーズン(大阪1勝)
京都 74-83 大阪

前半は京都リード。半澤や岡田といった日本人プレーヤーも輝きを見せ、試合を優位に運ぶ。大阪はカロイアロが1Qだけで10得点。ハマーも2Qに5得点と、新たなが外国籍選手が活躍を見せました

後半に入ると京都はアウトサイド、大阪はインサイドでそれぞれ加点。大阪はロング、カロイアロと得点を積み重ね逆転に成功して4Qへ

4Qは木下が個人で13得点と勝利に大きく貢献。京都も岡田が3P2本含む8得点と粘り強く戦うも、結果は悔しい敗戦になりました

2022-23シーズン(京都3勝・大阪1勝)

京都 87-77 大阪 2023.01.18
京都 68-81 大阪 2023.02.11
京都 89-82 大阪 2023.02.12
大阪 88-92 京都 2023.04.19

2021-22シーズン(京都1勝・大阪3勝)

京都 68-67 大阪 2021.10.09
京都 74-75 大阪 2021.10.10
大阪 88-71 京都 2021.11.13
大阪 77-60 京都 2021.11.14

2020-21シーズン(京都2勝・大阪2勝)

大阪 82-88 京都 2020.10.17
大阪 78-70 京都 2020.10.18
京都 72-79 大阪 2021.02.27
京都 74-60 大阪 2021.02.28

2019-20シーズン(京都1勝・大阪3勝)

大阪 59-90 京都 2019.10.16
京都 71-81 大阪 2019.12.07
京都 80-86 大阪 2019.12.08
京都 70-73 大阪 2019.12.25

2018-19シーズン(京都4勝・大阪2勝)

京都 78-65 大阪 2018.11.07
大阪 58-67 京都 2019.01.16
京都 75-77 大阪 2019.03.09
京都 81-69 大阪 2019.03.10
大阪 57-69 京都 2019.04.20
大阪 52-51 京都 2019.04.21

2017-18シーズン(京都5勝・大阪1勝)

京都 84-66 大阪 2017.11.11
京都 81-75 大阪 2017.11.12
大阪 82-60 京都 2017.12.29
大阪 65-81 京都 2017.12.30
大阪 79-85 京都 2018.03.17
大阪 82-89 京都 2018.03.18

2016-17シーズン(京都3勝・大阪3勝)

京都 72-63 大阪 2016.10.01
京都 58-78 大阪 2016.10.02
大阪 75-59 京都 2016.10.29
大阪 86-93 京都 2016.10.30
大阪 72-84 京都 2017.04.08
大阪 82-74 京都 2017.04.09

大阪はシーズン序盤好調で、この京都戦を勝利して開幕から7連勝を飾りました

一方京都はアウェイ秋田戦で今季初勝利を飾り、ホームでの初勝利を狙ったのが前回の対戦でした

現状勝利数の差は僅かに「1」京都が勝利すれば、勝利数では大阪に並ぶことになります。週末は大阪がアウェイで群馬、そして京都はホームで名古屋Dと戦いは続きます

バイウィーク前に1勝でも多く積み重ねたい両チームにとって、ダービー戦は負けられない一戦となりそうです

個人的な見どころ

今季2度目の対戦となる今回の大阪VS京都
前回対戦時はまだチームとしてもスタートを切った段階での一戦でした

そこからリーグはいよいよ中盤から終盤に向かおうとしているタイミングです

状況は違えど、タフな連戦となる水曜日ゲーム。怪我無くどう戦い、勝利を掴むか注目したいところです

個人的にポイントは3つ

①コンディション、ケガ人が多い京都の状況は?

②重要な1Qと4Q

③強度の高い守備で流れを呼び込めるか?

です。1つずつ見ていきましょう

①コンディション、ケガ人が多い京都の状況は?
京都は島根戦からCJとライトが欠場(川崎戦含めて3試合欠場中)

リバウンド面、得点面でも重要な2人の選手が不在という中で、チームは現状3戦で2勝1敗と勝ち越しています

ただ、連戦で選手たちの疲労も強いはず。川崎戦で水野も負傷となった影響も計り知れない状況です

もちろんその中でプレータイムを伸ばしている半澤・澁田・ディアロが目覚ましい活躍を見せています

大阪のカロイアロ・ロングという個の強さが際立つ外国籍選手との部分で、どれだけチームで戦えるか?1つのポイントになりそうです

一方で大阪にとってもマッチアップの可能性が変わる部分もあり少し読みにくい展開かもしれません

もちろん誰が出ても自分たちのバスケットを展開する事には変わりありませんが、千葉戦のGAME1のように難しい入りをしてしまうと当然勝敗にも影響が出てきます

相手の状況に加えて、自分たちのやりたいバスケットを長い時間継続できるかどうか?立ち上がりから主導権を握り合う戦いに期待したいところです

②重要な1Qと4Q

そういった意味でも試合の入りは両チームにとって重要になりそうです

大阪は千葉戦のGAME1、京都は川崎戦のGAME2で展開は違えど相手に主導権を渡してしまい難しい試合になってしまいました

中2日とコンディション調整や準備期間の短い中で、気持ちを切り替えて自分たちのコンセプトをぶらさずに戦えるか楽しみにしたいところです

大阪は古巣対戦となる鈴木達也が、前節見せた気持ちの強いプレーでチームを引っ張る事ができるかどうか?

一方の京都は、エースである岡田に加えて、澁田や小西といったボールコントロールをする選手がミスなく、そして状況に合わせたプレーを攻守で見せる事ができるか。両チームの立ち上がりに注目したい部分です

そして4Q、ゲームのクローズの部分で集中力を切らさずにプレーできるかどうかも注目したいところです

前節の結果だけ見れば大阪は4Q単体ではリードを奪い、京都はリードを許ました。そして前回対戦では、前半リードした京都を、大阪は後半で逆転し勝利を掴みました

前節では鈴木達也が4Qだけで10得点。京都も澁田が6得点を記録。前回対戦では、木下が4Qだけで14得点を記録しています

前節の両チームの4Qの攻守は課題も見えました。だからこそ、そこからの修正を誰がどのように行っていくのか。今季の平均得点と失点が近い両チームだからこそ、接戦になる可能性も高い一戦。ゲームクローズには特に注目して見たいですね

③強度の高い守備で流れを呼び込めるか?

直近5試合
の平均得点と平均失点は下記の通りです

大阪:平均得点→76得点(今季平均は77.7得点)
   平均失点→86.4失点(今季平均は83.0失点)

京都:平均得点→79得点(今季平均は77.7得点)
   平均失点→84.2失点(今季平均は84.3失点)

大阪は連敗中ということもあるが、今季の平均よりも直近5試合の得点と失点は下回っています

一方の京都は直近5試合の結果だけで見ると、上回っている状況です

ただ、京都は前節の川崎戦で101失点。川崎の強度の高い守備に苦しみ、自分たちのバスケットを展開できない時間が長くなりました

大阪もGAME2の千葉戦では流れを変えたい3Qで千葉に14点のランを許してしまいました

大阪に目を向けると、カロイアロ・ロングと上手さ強さのある選手がいます。特にインサイドでこの2人がボールを上手くコントロールできるようチームとして動きをつくっていきたいところです。逆に京都はその部分をしっかりと抑えたい

一方の京都はディアロ、ジャクソン、ジョーンズと個の能力も高いが、そこを活かしているのは間違いなく岡田という存在です

彼からのパス、ボールコントロールに対してどれだけプレッシャーをかける事ができるか。優先順位の高い相手のストロングに対して、序盤から圧力をかけていきたい

そして、注目すべきはそこからのアップデートです。前回対戦で、終盤木下が輝いたように、相手の対策からコートでどのように選手とHCが解決を導き出すか?そうした選手たちがステップアップする姿を、是非間近で体感して欲しいと思います

明日は大阪エヴェッサにとっても初めての会場となるAsueアリーナでの開催です

大阪駅からのアクセスも良いので、両ブースターの皆さんの熱い応援で、関西勢同士の対戦を是非盛り上げて欲しいです

また、週末に試合もありますが、両チーム怪我無く、タフに素晴らしい戦いを明日も期待しましょう!

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