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売りたいもの、売れるもの

大学を卒業し、岡山の雑貨店で働き始めてから、1年半が経った。

「なんでもない毎日に、小さな何かをもたらしてくれるものを集めています」というコンセプトのお店には、素敵なものがたくさんある。
毎月、お給料の3割くらいは自分のお店で使ってしまうくらい、良いものが集まったお店だ。

だけどだけど、どうしたって、
私が「売りたいもの」と、お店で「売れるもの」は完全には一致しない。
もともと紙もの好きだった私は、働いて数ヶ月経ったころからステーショナリー部門の発注・ディスプレイ・新規取引先の開拓をさせてもらっているのだけど、なかなか思い通りにならない。

お店は今年で9年目になるので、カラーみたいなものが確立されつつあって、
そこに合うデザインと価格のものは店頭に並べるだけで売れるし、
そうじゃないものは丁寧にPOPを付けても動きづらい。

私は、私が良いと思うものを広めたくて働いているのに。
いや、もちろん、自分と違う価値観というか感性というか物差しをもっと知りたくて、このお店に就職したのだけれど。

自分がよいと思ったものが売れないのは、やっぱり哀しいし虚しい。

そう思っていたとき、EVERY DENIM の山脇耀平さんのこの記事を読んで、ちょっとスッキリした。


特に響いて、思わず日記帳に書き出した部分がこの辺り。

適当に作られたモノなんて、適当に使われるに決まってる。適当に使われるモノなんて、適当に作られるに決まってる。
安定した仕組みの中で、適当なものづくりと適当な消費は、ある種、需給を満たし合っている。僕らはそれには乗っからない。自分たちの手で、豊かな生産・使用・消費のサイクルを生み出す。
生み出した循環は、決してマスに取って代わることはないだろう。それで良いと思う。僕らは何かを打倒したいんじゃない。

(この後に続く文章もとても好きなんだけど、長くなるので、割愛)

いやー、いいなぁ。かっこいいなぁ。

岡山の小さな雑貨店の中でさえ、モノの差は目に見えて明らかで。
その事実に凹みそうになっていたけれど、考えるべきはその先だ。

売りたいけど、売れないものを
売るために働きかけたい。
お店に居るあと半年でどこまで出来るかな。何が出来るかな。

小さな雑貨店の、隅に追いやられたステーショナリーコーナーからでも、出来ることがあるはず。

実名 出さん方がいいんかな?
まぁいっか。わたしは、
備中和紙をもっと売りたいんやー、
岡山の、倉敷で職人さんが一人で黙々と作ってる和紙を、もっと売りたいねんー


はい、なので、
明日は備中和紙について書きます。


#コラム #小売 #お店 #雑貨 #紙もの #文房具

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