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魂に刻まれた100円の幸せ

 お金がないから
 −欲しいものが買えない。
 −やりたいことができない
 −幸せになれない


 いま上手くいっていないのはお金がないせい。
 お金さえあればなんでもできるんだ!


そう思おうと
お金がないことがとっても歯がゆくて
みじめさと情けなさを感じてしまう・・・

そんなこと、あなたにもありませんか。


ここ数日、
幸せについて考えることがありました。

 幸せって何だろう・・・

それを考えながら、お散歩をしていたら、
かつての経験が穏やかに蘇ってきました。

当時、余裕なお金がなくて、
食べていくだけで精一杯でした。

その日のバイトが終わると
エネルギーを使い果たしてぐったりです。

こういう時は甘い物でエネルギー補給。

ですが、
お財布の中にはわずかな小銭しかありません。

 これじゃあケーキは無理よね。
 大福も高いし、チョコレートも・・・だめか~。

お財布の中をのぞくと
ため息がいっぱい詰まっています。

でもいくら眺めていても、
お金は増えません・・・

 それでも
 1円でも安く、甘い物を手に入れたい!

その一心でスーパーをうろうろしていると・・・
ありました、ありました!

手のひらサイズのミニアンパン。
一袋100円です。
しかも5つも入っている!

これを手に入れないはずはありません。


でも冷静に考えてみれば
5つのアンパンを一つにまとめると
普通サイズのアンパン一個分なんです。
それほどお得ではないのかもしれません。

それでも「5つ」という
数字のマジックだけで
超、超、得した気分!

心なしか笑顔になって
足取り軽く家路に着きました。


私が選んだミニアンパンは
決して高価なおやつではありません。

それでも
疲れた私の身体を癒すには
充分に事足りました。

さらにお財布の中をのぞくと、
ため息と入れ替わって
幸せでいっぱいになっていました。

 お金がなくても
 豊かさを楽しむことができる

 それを体験している私は
 なんて幸せなんだろう

あの時の私は本当にそう思っていました。


今日お散歩の途中で
ジョギングやショッピング、あるいはドライブ等々、
それぞれの人生を楽しんでいる人たちと出会いました。

その一方で
杖や車いす、あるいは家族の介助なしでは
外出が難しい人ともすれ違いました。


それに比して、今日の私は
自分の目で見ることができ、
自分の耳で聞くことができ、
そして自分の足で歩くことができるのです。


相変わらずお財布の中は
ため息で窒息しそうだけれど

自分の足で街を歩き、
自分の目で様々な商品を選び、
そして
自分の耳で雑踏の音を聞くことができる。


私にはお金がないけれども
できることがこんなに沢山ある!

それに気づいたら
私はとても幸せな人間なんだと思えてきました。


けれども数日後には
またあの感覚が蘇ってくるのかもしれません。


 お金がないから私は
 〇〇〇できない


それでもいいと思います。

たとえ束の間の幸せであったとしても
その感覚を味わっていたら
あの時の記憶は魂の奥深くに刻まれて
そしてふとしたことがきっかけで
あの穏やかで温かく優しい感覚が蘇り
幸せの中に身を委ねていくのだと、
私は思うのです。


魂の中に刻まれた小さな幸せの記憶

それを大切にしていくことで
彩のある豊かな人生を送ることが
できるのではないのだろうか。

お散歩中に浮かんできた
小さな幸せのメッセージでした。


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