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時間の話…

「なあ、“今”ってなんだろうな。」
「ん?何の話?」
「いや、今、俺が見てるあの星はさ、よく分からんけど例えば何万光年とかって離れてるわけでしょ。」
「よく分からないけど、そうかもね。」
「例えばさ、今俺が見てるあの星が約1万光年離れてたとしてよ?で、そ〜すると、今俺が見てるあの星の光って約1万年前のものになるわけじゃん?」
「そうだね。」
「ってことはよ?俺は今さ、今現在さ、1万年前のものを見てるってことになるわけじゃん。」
「うん。」
「“今”1万年前を見てるわけじゃん。」
「そうなるね。」
「もっと言えばさ、例えばシリウスなんかはよ?俺は常に8年前のシリウスを見てるわけじゃん?」
「うん。」
「月なら俺は常に約1秒前の月の姿を見てるわけだし、太陽なら約8分前の太陽の姿を常に見てるわけじゃん。ま〜太陽はまぶしいから直視はしないけど。目がグハッってなるから。」
「う、うん。」
「ってことはさ、観測した人間にとっての“今”があるだけでさ、宇宙全体にとっての“今”ってのはないわけだ。」
「うんうん。」
「だから“今”ってなんだろうな〜と思って。」
「あ〜、時間って実は流れてないって話しもあるからね。過去から現在へ、現在から未来へなんてよく表現されたりするよね。なんか、そんな風に時間はまるで流れているかのよう言ったりもするけどね、でもね、時間を川みたいに流れているものとして表現するのは比喩なのかも知れないなんて話もあって。」
「ほう。」
「スポットライト理論っていうの知ってる?」
「なんだねそれは。」
「過去・現在・未来には因果関係とかはなくてね、過去・現在・未来は同時に存在していると考えるわけ。ブロック宇宙論なんかではさ、時空間に過去も現在も未来も内包されていると考えるんだけどね、スポットライト理論もそんな風に考えるわけ。過去も現在も未来も同じステージ上に広がって存在していると考えるわけ。で、スポットライトの照らすところが現在だと捉えるわけ。う〜ん、なんて言ったら分かりやすいかな。過去・現在・未来は同じ空間にあってスポットライトが移動していくと捉えるわけ。だから並行世界っていうのかな。スポットライトから離れたところは触れることは出来ないんだけど、パラレルワールドみたいに存在するって感じなのかな、イメージとしては。」
「面白い話しだな。」
「こんな話しをしてるとね、あなたに話しかけている私と、目の前のあなたの時間は厳密にはわずかにズレているってことになるかもなんて。スポットライトを捉えてるのって個人個人の脳なわけだし。厳密言うと私達はまったく同時にやりとりすることはできないのかな〜なんて。」
「あ〜だから俺らはちょいちょいズレるのかな〜。」
「ふふ。そうかもね。」
「じゃあさ、俺らの距離をより短くして近づければさ、俺らは今まで以上に同じ時間を共有することが出来るってことなのかな?」
「そうなるのかもね。」
「じゃあ、もっとくっつこう。」
「ははは。そうきたか。」

………とゆ〜流れからおセックスするとゆ〜のもアリなのかも知れない。「じゃあ“今”を共有しよう。」「くっつくことで俺とあなたとで一つの存在になろう。結合して一つの存在になるんだ。そして一つの観測点となり時間のズレをなくすんだ。」みたいなノリで。
でも、ロマンチックな感じが今ひとつないからダメかな〜。丁重にお断りされそうだな〜。
でも、それに乗じて、宇宙で夢中でぶちゅ〜とか、そ〜ゆ〜しょ〜もないこと言いたいしな〜。
宇宙で夢中でぶちゅ〜。ダメですか?あ…そ〜ですか…
なら、宇宙で夢中でぶちゅ〜でクチュクチュ〜とかはど〜ですか?あ…サイテーですか…
なら、宇宙で夢中でぶちゅ〜でクチュクチュ〜でウォンチューウォンチューはどうですか?え?なんて?あ…ウザいですか…いっぺん死んでこいですか…でもいっぺん死んでもスポットライト理論によれば別の時間軸の俺は存在しているんですよ。え?どうします?並行世界の色々なところに、宇宙で夢中でぶちゅ〜でクチュクチュ〜でウォンチューウォンチューとか言う俺がいるんですよ?どうですか?
………ニヤリ
スポットライト理論バンザイ。

ええっ! ホント〜ですか。 非常〜に嬉しいです。