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カグラバチ 1巻 ジャンプ本誌掲載時感想

みなさんこんにちは。
ジャンプ歴20年Vtuberの寿司いくらです。
普段は毎週火・水曜にジャンプの感想を語り合う配信を行っております。

配信で話す内容をまとめたものを毎週記事として公開しておりまして、今回の記事はその中からカグラバチ 単行本1巻収録分の内容を再編集したものとなります。
ようはジャンプで読んだ当時の感想ですね。

それではどうぞ!


●1話

表紙
2022年36•37合併特大号掲載の『ロクの冥約』の外薗健先生の初連載作品!
ロクめっちゃ良かったので連載になってくれてうれしい。記事見返したらアンケ入れてたし。
白黒のコントラストが印象的な作画だったけどカラーの表紙からもそんな雰囲気が漂ってるな。
刀の作画特に気合入っててカッコいい。
よく見たら表紙の時点で水滴浮かんでるんだ。

巻頭カラー
表紙で刀を印象づけてからしっかりとした鍛冶の説明。やや文字が多すぎ感はあるかな。
一転、見開きはバーンと切り結ぶアクション!立体感あってカッコいい惹き込まれる扉絵!本編に出てくるシーンの別アングルですね。

本編
まずは主人公チヒロと父親の日常。
親父、めちゃくちゃすっとぼけてて良いキャラだな。外薗先生の武器の一つのセリフ回しの小気味良さが光ってる。
それでいて仕事中の真剣な眼差し──絵だけですごい職人なんだなという説得力を出せているので、チヒロがなんだかんだ父親を尊敬しているのもスッと理解できるな。
柴さん登場により自然に世界観説明。戦争の話が出てきてさらに流れるように「明るい部分以外」の話へ。
あらためて刀を作る際に必要な覚悟について説かれ問われそれに応えるチヒロ。この親子、互いに真摯で真っ当な親子関係してて良いな……
「やっぱり父さんは──」
からあえて多くを語らずただデカい父の背中を描くだけなの粋すぎる。
そして後半戦。
「3年後」ではなく「38ヶ月後」なのなんかわからんけどセンスを感じる気がする。
前作にも出てたヤクザ、爻龍組……と妖術師なる能力者が登場。
妖術師、前作のヤクザのボスとデザイン似てるな。気に入ってるのかな。
…からのチヒロと柴さん。
ししゃも食べる擬音「しゃもっ」なの好き。
38ヶ月の間に何が……というのは今回は語られないんだけど、「傷」「あの日」「新鮮な憎しみ」と台詞回しだけで悟らせることで回想カットしてるのさりげなくテクい。きっと親父は……
"新鮮な"憎しみって言い回し、チヒロの中にいまだに父親が息づいてるのを感じる。
爻龍組の見せしめを見たら即殴り込み。テンポ早くて良い。
アクションがやっぱりすごくカッコよくて、黒ベタで画面にメリハリが生まれてるのと、構図が映画みたいでめちゃくちゃ見栄えが良いんだよな。真上から回転斬り映してるところとか分かりやすい。
殴り込みに来たのも「お前らのようなクズが…… 刀を握るのを見過ごすわけにはいかない」って刀本位の理由なのがこのキャラらしくて良いよね。罪なき人を手にかけたからとかではない。
そして最後の戦闘。
親父が打ってた刀がただの刀ではない妖刀だと明かされて……
「淵天」
うおお見開きかっこいい!!
日常パートの金魚が能力に落とし込まれてるの、文脈のエモさもあるし単純に絵面としてもめちゃくちゃキマってて最高。
「涅」と「錦」が確認できたけど赤い金魚はいないのかな。
その後のアクションも迫力も爽快感もあるし見やすいしカッコいいしすっごい良いな〜。
どうやらチヒロの復讐劇のようだけど、暗くなりすぎないかだけちょっと心配。
ジャンプは新連載で暗いとそれだけで読まれなくなっちゃうこともしばしばだから……。
個人的には物語もバトルもすっごい好きだったので期待大です!
最後アオリちっちゃ!探さないと気づかないだろこれ。

●2話

なんか海外で死ぬほどバズってミーム化しとるみたいですね。
確かに初期NARUTOっぽい絵柄だし和風で刀で海外ウケしそう……か……?
ミーム見る感じそういう真っ当なウケ方が発端なのか微妙なとこだけど。
センターカラー!
めちゃくちゃ暗い、THE・復讐って感じの扉絵。
でも黒で締まった画面といい刀から立ち昇る水滴といいしっかりカッコいい。
本編
冒頭、1話のザコ組長ガン詰め。
チヒロだけだとマジで真面目すぎて辛気臭くなりそうなところを緩和してくれる柴さん、ムードメーカーとしてあまりに重要すぎる。
組長の暴走。
秘密を喋らないように術をかけるとかは漫画とかではよく見るけど、周りをめちゃくちゃ巻き込む形で発動するのは秘密を知りたがってるやつもワンチャン消せて合理的だなー。見るからに高度なので術者の実力も暗示できる。
「俺は一回東京戻ろかなおもてるけど」
の見開きの真っ黒い松、迫力と不気味さちゃんとあるしその中で当たり前のように普通に会話してる2人カッコいいな。
中盤は回想。
先週親父の死2話で描かれるかもねとか言ってたけど本当に来た。
回想の中でさらに過去の回想が出たり出なかったりしてるのに読みづらくないの地味に凄い。
奪われた6本の妖刀、左上のやつだけしめ縄して厳重に保管されてるし容れ物ごとなくなってるし明らかに格が違いそう。
前回と併せて、刀作りについてチヒロに説く親父がめちゃくちゃ職人として真っ当でかっこいい……からこそ、そこからの親父の死に顔と復讐に燃えるチヒロが深く突き刺さるね。
そしてチヒロが今持ってるのは幻の七本目……戦時中にはなかった刀だから敵にバレてなくて助かったのか。なるほど。
ラストは東京。風景からして明らかに現実の東京じゃないね。ネオンとか看板とか明らかに日本語怪しいし欧米の映画に出てくるエセ日本って感じ。
これも外人ウケよさそうだな。

●3話

いきなりヒロイン登場!
あんまりかわいくねえ!!
……まあこの作品に期待してるのはそういう要素じゃないからええか。
ヒロインのヒナオちゃんは妖術師関連の情報屋とか斡旋とかそんな感じのポジション。前線に絡めづらいからフェードアウトしていきそうな気配がぷんぷんしておる。
今回のメインはそこにやってきたちびっことチヒロのお話。カバの細胞分裂すき。
無愛想なチヒロがちびっこと相性良いってのは意外だったな。面倒見の良さが勝つのか。
ちびっこの名前はシャル。タイミング凄いけど確かにここまで自己紹介するタイミングなかったもんなあ。
全体的に独特なセリフ回し、わたしは嫌いじゃないんだけど会話が長いとややくどくなってしまう感じがあるかもとも思った。
あと今週四角くてでかい口の作画やたら多くて気になるな。
ラストには早速追手──敵が登場。
"不落"って静かに唱えるのカッコいいし、突然現れるダルマも不気味で良いねえ。爆発するダルマなのかなこれは。
「能力バトル!!」って雰囲気の出し方が3話のソレじゃないんだよな。めちゃくちゃこなれてる。良いねえ。
この作品もバトルが作品の満足度に直結してるタイプだな。

●4話

妖術師とのバトル。
"玄力"なる概念が出てきた。
呪力とかチャクラとか、バトル漫画にはつきものだよね。
妖刀はそれを増幅させる──増やすってすごいね。変換するとかじゃなくて。そりゃ強いわ。
涅の大ゴマは構図とコマ割りオシャレだし、猩の大ゴマは炎と水が舞う画面に立ちのぼる赤の金魚……ってビジュアルキマりすぎ。めっちゃかっこいい。
拘束されたものの猩が吸収したものを解放し勝利……と決着のつき方も気が利いてて良いね。
シャルと妖術師の顔の作画とか気になるシーンが多々あるものの、全体としてはバトルの満足度が高いので個人的にはまあ許せるかな

●5話

ダルマの妖術師倒した後。
シャルちゃん唐突な新衣装!けっこう可愛いやん!
前半はチヒロとシャルちゃんで食事。
やっぱシャルちゃん描く時だけ高確率で画質粗いのどういうことなん……??
食い物の解像度のがどう見ても高いの笑っちゃうな。アシさんが描いてんのかな。
てか色々食べる天丼、流石にページ使いすぎ感あったなー。この作品の会話劇、嫌いじゃないんだけどここまで尺取られるとなんか嫌。
この作品にはめちゃくちゃカッコいいアクションを見に来てるのでその隙間の味変、口直しくらいの量ならいいけどそれがメインになると違うっていうか。
後半は次なる敵、双城厳一。
道路の白線がぐにゃあ〜っと渦になってる絵面は得体が知れなくていいねえ。
やっぱ異能バトルやってナンボよこの漫画は。

●6話

運転中に敵襲。
無限湧きする土人形の物量で攻めてくるの、地味に序盤の敵としてはめちゃくちゃ強いんじゃないか感あるよね今回の敵。
しかもその中に仲間の初見殺し精神攻撃術師を紛れ込ませてハメるとかいう悪質コンボ。すごいちゃんと組んでるな。
チヒロの幻覚、親父との楽しい日常が小さくなって代わりに最期の姿がどんどん大きくなっていくのトラウマ抉り描写として斬新で良い(コピペすぎるけど)。
そしてトラウマ映像を見せられたもののむしろそれで奮起するってのは復讐劇ならではの立ち上がり方でグッとくる。……前も別の作品でこんな感じの展開見た気がするんだけどなんだったかな。思い出せん……(多分鬼滅の刃の魘夢戦)
そして何よりラスト5Pのアクションは圧巻の一言。
分身消し飛ばしてるのも見開きの疾走感も超カッコよかった。やっぱアクション描かせたらズバ抜けてるな。
アクションの量が作品満足度と直結してるという評はやはり間違いではなさそう。

●7話

泥の妖術師撃退後。
新たな刺客が3人も……と思っていたら、片目隠れの兄ちゃんが援軍に。
飛び蹴りも、何かつまんでジジジ…もしっかりカッコいいな。何より妖刀とか妖術とかバンバン出てる中で体術だけでも強いのが格高いね。この上でまだ妖術も使えるんだろうし底が知れない。
新キャラの名前は薊(あざみ)。"神奈備"(かむなび)なる、国に雇われた妖術師とのこと。公安のデビルハンターやね。
すごい余裕綽々なバトルだったのに手ぇめっちゃ痛いんかい。
中盤は拠点、喫茶ハルハルに帰還してみんなで会議。柴さんが元神奈備とか、シャルがまだ一緒にいられるらしいとかポツポツと情報を出しつつ、終盤では闇の競売"楽座市"と真打という縦軸情報をドカンと盛り込み、さらに敵幹部の描写もチラ見せ。
上部にノイズのかかったコマ割り、無限城みたいな異質な光景、幹部っぽい悪そう強そうなヤツ──と、1ページだけなのに超キマってんねえ!!いいよ!??
来る初の長編エピソード、楽座市編。ここで黒閃撃てるかが作品の明暗を分けるぞ。

●8話

センターカラー
うおカッコいい!!
刃から迸る水滴と血液で白黒赤の錦柄金魚を形作ってるのめっちゃオシャレ!いいねえ…!
本編
冒頭ちょっとだけ喫茶ハルハルを描いてから、序盤はダルマこと円 法炸の話。
柴さんの適当発言めちゃくちゃ沁みてるとこちょっと笑った。
その後は妖術師辞めて更生を志すダルマ。姉ちゃんやお母さんと会おうとする流れ、一気に理解と親しみを持てるようになった……
……ところに前回出てきたヤバそう悪そうな敵幹部、双城……!!
ダルマに感情移入し始めてたのでお姉ちゃんやられちゃってるシーンのショックでかい。しかも氷の能力で完封→まだ息がある姉ちゃんをダルマ自身の能力でトドメ刺させるっていう強さ残忍さでいきなり悪役としての格爆上げだ。
さらにこないだの幻覚の妖術師の弟も殺害。双城自身が見た幻覚もなんだか意味深で良いねえ。
そしてラストには喫茶ハルハルに。
いきなりチヒロと双城の激突……!!
初手の見開きも最後の見開きもしっかりカッコよくキマってて良いよ!?
こないだ薊さんに言われた「君には手に余る」を掻き消すかのような「淵天」で戦いが始まる演出もオシャレだし。
しっかりと作品の持ち味発揮できてていいじゃんいいじゃん!!

◇振り返り

まだ始まってすぐなので警戒心が強いな。
アクションがカッコよすぎという評価は初期から一貫してる。その分アクション以外の評価は低め。
ここからさらにアクションはカッコよくなるしアクション以外の部分もどんどん良くなっていくんだよな。
シャルの解像度も普通になるしね。
(単行本だとシャルの解像度上がってるらしいですね。なぜか本誌の時は妙に粗かったのです)


というわけでカグラバチ1巻の感想でした!
次巻の感想でまたお会いしましょう!
よければコメントやスキの方よろしくお願いします!
それではまた!


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