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鵺の陰陽師 3巻 ジャンプ本誌掲載時感想

みなさんこんにちは。
ジャンプ歴20年Vtuberの寿司いくらです。
普段は毎週火・水曜にジャンプの感想を語り合う配信を行っております。

配信内容をまとめたものを記事としても毎週公開しておりまして、今回はその中から鵺の陰陽師 単行本3巻収録分の内容を再編集したものとなります。
ようはジャンプで読んだ当時の感想ですね。
それではどうぞ!



●17話

代葉戦後。
いきなり処刑待ったなしの状況だけど、まあこのパターンはね〜……ということで夢オチ。
けど学郎がうなされてる声を聞いてうれしそうな代葉ちゃんが後に描写されているので「藤乃さん……」ってずっと言ってたんだろうな。意味のある夢オチ。
代葉ちゃん、自分の命については敗北した時点で諦めているので「気にしてはいけない」と言い残して去っていこうとする。
「楽しかったな」
オイ!!それが本音だろ!!?
そこに現れる鵺と狂骨。
帰ろうとする代葉に
「あっ だめだめ 殺されちゃうから」
いやそうなんだけど、軽いな……!?
で、敗北した代葉ちゃんの待遇についての説明。
狂骨との契約解除ヤダーーー!!狂骨のこともう普通にだいぶ好きになっとるんですけどー!!?
"素質のある後釜"……シルエット的に水着回で出てきた町田ちゃんかなと思ったけど比べてみたら思ったより似てなかった。違うかも。
さらに代葉ちゃんを縛り付けるのは猩枷という枷。マフラーのデザイン、そういうオシャレデザインかと思ったらちゃんと設定あったんだ……
かなり強固に複雑に組まれた機構みたいなんだけど、鵺さんこれを即解除……!!なんでもできるなこの人(妖)……!
でも代葉ちゃんには学郎による寄り添いが必要だったことは明らかなので、最初から鵺さんが解除してくれればよかったやんとはならないね。丁寧な描写の賜物だ。
「力が抜けて立てそうにない 暫くこのままでいい?」
ずっと自分の人生を束縛していた枷が外れた安堵、喜び、脱力、拍子抜け……ここの代葉ちゃんどんな表情してるんだろう。色々想像できちゃうな。
後半は戦いを労うスキヤキパーティー!
なんかいきなりキャシーとかいう激カワ女の子が追加されてるんだけど何!??(単行本だと先行登場してるけど本誌派はこの時が初でした)
しかも一人称俺様の合法ロリ(酒飲んでるしそもそも人外だし)。こんなノーモーションで属性モリモリヒロイン登場させていいんだ。
なんか「原作だとちゃんと順を追って自然な流れで登場したけどコミカライズするにあたってはヌルっと出さざるを得なくなったキャラ」って感じする。
キャシーって急に洋風な名前だなって思ったけどあだ名でキャシーって呼ばれてる説もあるか。あと猫又≒ケット・シー→キャシーとか……って思ったけどそもそもCathyって綴りなら直でCatか。
てかまあ鵺さんも学校の一室で暮らしててあんなに漫画ゲーム持ってるならそれを運んだやつがいるってのも考えてみればそうなんだけど……なんか勝手に数十年の孤独を過ごしていたイメージがあったな。
スキヤキパート、狂骨の描写もひとつひとつ良い。ほぐれてないえのき回されて渡されて不服そうな狂骨、仕込んだスキヤキを「うめぇ」と言ってもらえて満足げな狂骨(とキャシー)、ちょっと後の方でなぜかキャシーにぶっ飛ばされてる狂骨(鍋の取り分けで揉めた?)……良いキャラだなコイツ!!いつのまにかすごい好きにさせられてるんだけど!!
さらに夜。
がっこうぐらしすることになった学郎と代葉ちゃん、隣同士で就寝……!
読者としてはムフフとなるところだけど、学郎は「まぁでも狂骨さんもいるしそこまで…」とおそらくドキドキしすぎてしまうことを案じてるのが学郎らしい。
しかもその狂骨さんは速攻で退室するし。気を利かせたのか素か微妙なところだな。みんなはどっちだと思う?
「代葉は夜一人では寝れんからな」
って言われてるときの代葉ちゃんの何か言いたげな顔めっちゃ良い。
というわけで二人きりに。
めちゃくちゃ戸惑ってた学郎、それでも代葉ちゃんの手が震えてるのを見ると勇気出してカーテン開けっぱ申し出るの、やっぱこいつも勇者だな……
でページめくったら激近なの笑ったけど。
「え…?近」ドッ ドキッ ドキッ
おもろい。
そして布団の中でツンツンしてくる代葉ちゃん。えっちだ……
「ごめんなさい 少しの間 手を握ってもらってもいい?」「ごめんなさい本当に」
次のコマで本当に布団の中でモゴモゴしてるからここで手握ってるんだね。
"原作"だったら絶対ここでエッチなスチルが入るところじゃん……!!
そして語られる代葉ちゃんの真の役割。
「この町にとんでもないことが起こって大勢の人が死ぬ」
うわあなんか来たるヤバい何かを仄めかしてきたなあ。渋谷事変的な、この作品の最大の山場になりそうな……
それを軽減するという大義はあったものの、代葉ちゃん個人としてはずっと誰にも言えない苦しさや怖さを抱えていて……
震える代葉ちゃんの手を握る学郎と、それで安心して眠りに就く代葉ちゃん。
2人の戦いを締めくくる最後に2人の心情と関係性の変化を象徴するこのシーンを持ってこれるの、完璧だな……
でも学郎はこの日結局眠れなかったんだろうな。
ラスト1ページは次戦うことになるであろう敵。あの代葉ちゃんの師範って考えると格としては十分すぎる。学郎と代葉ちゃんの共闘にも大いに期待できそうな格の高さだ。
そしてなんと次号から2号連続センターカラー!ノリにノってるとはいえここまでとは!
流石にこれは時期看板コース入ったと言って過言ではないんじゃないか!??
このままいっけぇーーーッ!!!!!

●18話

2連続センターカラー第1弾!
木陰で体育座り(地域差ある呼び名)する代葉ちゃん。
第一印象でうわ綺麗っ!ってなった。
まぶしい太ももと木漏れ日のコントラストがひじょ〜〜に良い。
本編の内容と合わせて、ご新規さんへのアプローチもバッチリ。
本編
久々の周防先輩!の定期報告から。
初手初登場キャラなのでアオリでも「☆いきなり何!?」って言われてんの笑った。
周防先輩の応対、"めんどくさいコミュニケーションを当たり障りなく乗り越えるやつ"って感じすごいな。めんどくさいんだろうな副隊長。悪い人じゃなさそうなんだけど。
定期報告の後は前回ラスト登場の双斧(もろよき)さんと遭遇。困ったような笑い方とか性格の謙虚さとかから良い人なのが伺える。副隊長はサッサと流した周防先輩がわざわざ話しかけにいったあたりも好感度の差を感じるね。
ちょっとだけ学郎に似てる…?
場面は移り学校。
「よく眠れた」代葉ちゃん、完全に憑き物が落ちたなあ。
うろうろしていると鵺さんと遭遇。あれよあれよとお風呂に入れられて……
全読者待望のお風呂回!!代葉ちゃんのケツ!!ヤッタァ!
冷静に見ると、真剣な話をするから動きもギャグも無いのをお色気でカバーしていくって普通に最適な采配なんだよな。センターカラー回なので初見さんへの訴求にもなっている。強い。
代葉ちゃんの気持ちとしては、学郎たちにこれ以上迷惑をかけたくないというのが一番らしい。ただ後で鵺さんが言ってる通り、もうこうなっちゃったら根本解決まで学郎はどこまでも追いかけてきて救うぞ……!?なんだけど代葉ちゃんはまだそこまで分かってないみたいだね。
それに対して鵺さん、「全部予定通り(なので全然迷惑じゃないし無問題!)」と。一番良い答えかもしれんね。
学郎には頑張ってレベルアップしてもらって、無理そうなら鵺さんが控えてる。安心感あるな〜。
そこからは鵺さんの気持ち。思えば学郎→代葉の思いは繰り返し描かれてたけど鵺さん→代葉はあんまり描かれてなかったね。
代葉ちゃんがまた自分を犠牲にしようとしてることを指摘して、水かけたり頬つねったり。あら〜^
ただこう、今まで一緒に過ごした時間を例示してからの「君が来てくれて嬉しい」「凄く凄く嬉しい」「だから行かせない」「絶対に」はすごくグッときたな。鵺さんだって代葉ちゃんとの絆を育んできてたんだ。
あと後ろから見える巨乳すげー助かります。
朝風呂から上がったら朝食!
鯵の下ごしらえさせられてる狂骨、今日も面白いな君は。
からの「卵焼き 焼きます」は代葉ちゃんなりの鵺さんへのアンサーって感じがしてこれもまた良かったね。鵺さんの気持ちも届いたし、これで代葉ちゃんはもう出ていかない。
「おはよう夜島君 朝ごはん出来てるよ」
あっ これ原作でスチルあったシーンだ(幻覚)
朝食、キャシーの分明らかに多いし、狂骨は卵焼き少なくて不満そうだしかわいいなこいつら。でも確かにこれだけで"幸せな日常"って感じがちゃんとするし、だからこそ
「だめだ こんな日々が続いてはいけない」
に違和感なく繋がるんだなあ。
"こんな日々"の終焉を、結界が破られるのとシンクロさせる演出オシャレでめっちゃ良いねえ。ここアニメになったら初見の衝撃めちゃくちゃ増しそう。
しかもこの結界、鵺さん曰く代葉ちゃんにも狂骨にも破れない強度らしいので、それを当たり前のように破ってくる双斧さんの格の高さも同時に見えるんだよな。一手で複数の働きを生むのが漫画上手いねえ。
双斧さん、人が良さそうな一方で仕事は仕事として割り切ってやりきる一面も繰り返し描写されているので手心とかもほぼ期待できそうにない。しっかりと強敵だ。

●19話

センターカラー!
本編の内容に合わせて出撃する鵺さんのイラスト。
破られた結界がガラスの破片のように飛び散ってるの映えるね〜。
前回の扉絵がかわいい代葉ちゃんだったので今週はバトルっぽいかっこいい扉絵にしたのかな。
単行本10/4発売。「待望の1巻!!」って書いてある。それはそう。
本編
藤乃家作戦会議から。
双斧さんの「一人で十分だ」、任務成功だけを目指すなら合理的でない気がするんだけどどうなんだろう。自分以外の人が傷つく必要はない的な?あるいは別の狙いがあるか…
回想明けは双斧襲来。
「少々ノックが強かったね」
鵺さんのセリフ周りオッシャレ〜。
狂骨曰く双斧さんはマジ強らしい。藤乃家No.2……No.1を温存してるのは藤乃家カチコミ編のためかな。
鵺さんと双斧のやりとりは意外と淡々としてるな。
「私のやる気はパフォーマンスに直結していないので」「貴方を消して進みます」
ハンタのモラウといい、万全じゃなかろうがキッチリ仕事するキャラってプロ意識感じられてめっちゃカッコいいよね。
ページめくったら見開きで斬撃の嵐。
派手だしカッコよくはあるんだけど正直エフェクトもりもりで誤魔化してる感を感じちゃったかも。
今週呪術廻戦見ちゃったしな……って思ったけど今週の呪術では斬撃放つところ描かれてなかったわ。じゃあいいか(?)
「斬撃って…長すぎじゃないすか!?」言ってることは何一つ間違ってないんだけどなんかじわっとくるセリフ回しだな。
双斧の猛攻を凌ぎ切る鵺さん。
無言でゼノブレード出してるのも良いんだけど、ゼノブレード二分割してそれぞれ操ってんのもカッコいいねえ!
そこからまた会話。
鵺さん、すごい余裕たっぷりな態度だけど、MP上限は学郎に依存するってことで思ったより制限厳しいみたいね。だから学郎に強くなってほしかったのかな。
「その盡器はあと1分も出しておけないのではないですか?」
「多めに見積もっているね あと20秒が限界だよ」
この状況でも余裕を見せている鵺さんの強キャラっぷり。鵺さんはそうでなくちゃね。
そして鵺さんのターン。
双斧のラッシュに比べてエフェクトが黒いのと音が鋭いのでなんとなくタイプが違うのが感じられる。
互いにギリギリの勝負──というところで双斧が切ってきたカード、式神……!
「爛匣11番第1第2第3拘束霊鎖開放」
「式号「倉尖隧(くらのさきみち)」」
新しい詠唱出てきた!!
爛匣だと登場時に衝撃波出して式神の発生が潰されないようになるのかな?仮面ライダーの変身的な。
「第1第2第3」ってところからすごい力がありそうな感じするしお高いんだろうなあ…ってのもなんかわかるよね。
盡器割られて大ピンチの鵺さん……だけど鵺さんのことだからきっとここからでもなんとかしてくれんじゃない?って期待と信頼があるな。

●20話

鵺さんvs双斧。
式神の等級についての説明。
煉匣ってのは最上級の式神だったのね。
ということは
「爛匣11番第1第2第3拘束霊鎖開放」
は"煉匣に捕らえられている中で11体目の式神の拘束を3段階目まで解いた"ってことか。
こんなんが少なくともあと10体はいるってワクワクするねえ。
倉尖隧(くらのさきみち)、喉元?から人型の影がボトボト落ちてる得体の知れないデザインで不気味カッコいい。
狂骨の「つくづく化物だな」、そのコマだけ読むと倉尖隧の評価に見えるけど次のコマで鵺さんの評価になるという地味な小技。
狂骨、前回から解説役やってたけど今週もよう働いてくれとります。
倉尖隧のヤバさをダメ押しで解説した後は鵺さんが守りに来てくれて……
鵺さんの顔も、バリアもひび割れ壊れていよいよヤバくね……?となってたところに突然狂骨の限界が……!!
狂骨ーーーーーーー!!!逝くなーーーーーーーッ!!!!!
さらに鵺さんもドバッと弾けてすごい絶望感……なんだけど双斧曰く終わってはいないらしい。
双斧の追撃……に対し、途中から明らかにこの世のものではない言語で喋りだす鵺さん……!
困惑も束の間、次のページでは様相の大きく変わった鵺さんが……!!
鵺さん第二形態、和服ロリ!!!!!
全身より長い髪もオシャレな柄の着物もかわいい。
それでいて得体の知れない人外っぽさもグンとアップしていていいねえ……言語とか瞳の作画とか。
ラストは盡器No.2「垓反婁宿(スタースレイブ)」で倉尖隧を一蹴……!!
「君が来てくれて良かった」の真意は分からないけど、余裕綽々でやっぱ鵺さんかっけーわ……
初めて出てきた盡器が「柱刀骸街(ゼノブレード)」だったから鵺さんの盡器はゲームタイトルから来てるのかと思ったけど垓反婁宿は調べても出てこないな。なんだろ。
最後こそワンパンされちゃったけど倉尖隧及び双斧さんも今までのキャラとは一線を画す強さですごい良いバトルだったな。
そういえば単行本1巻は膳野に関するオマケが充実してるのでオススメです(本誌掲載時はこのタイミングで1巻発売でした)。

●21話

双斧の回想から。
双斧、追加人員断ったのは他の人を巻き込まないようにするためか……やっぱめちゃくちゃ良い人だよな……
鵺さんロリ形態の「垓反婁宿(スタースレイブ)」により双斧は敗北。
──で戦いが終わったらすぐ歓迎会(?)!
「新しい仲間の藤乃双斧くんでーす!」
『ついてるじゃん!!』って何が!?(たぶん運勢的な話かな)
急にゆるゆるコメディ空間になって力が抜けちゃうけど、とりあえず鵺さん言葉通じるし狂骨も普通に生きててよかったよかった。
ってことは狂骨お前普通にヤバそうだから一足先に逃げただけだったんかい。
今回は色々な説明の回。
まずは鵺さんが戦えないことと、"依代"の話。
狂骨がホワイトボード取ってくるまで15分待ってるの笑った。
水道水の蛇口、放水車のポンプ、工場の排水管、ダムの排水路と色んなサイズ感の蛇口を使った喩え話が出てきて幾分分かりやすいね。ちんちんみたいだねって思ったのは言うまでもないでしょう
ただ補助機がなくなったのでこれからは鵺さんは学郎が強くなるまで出てこられないと。
これが先週言ってた「懐刀」にあたるものだね。
鵺さんの最強っぷりが見られないのは惜しいけどこれで「いざとなったら鵺さんが」がなくなったので緊張感はグッとアップするだろうな。
来る藤乃家凸編で鵺さん来られないモヤモヤがあらかじめ取り払われてる感じもある。
後半は鵺という幻妖についての話。
「鏖(ひょう)」と呼ばれる6体の幻妖の祖──そのうちの1体が鵺さん、と。
デッケェ事実出てきた……!!
確かに1話って明らかに鵺さんの部屋から幻妖ドバッと出てきてたもんな。
それを聞いた学郎は真実を前に狼狽……するかと思いきや思いの外決意に満ちた表情。
それが真実だとしてもそれでも鵺さんのことを信じてるって顔だわ。
学郎、普段は気弱なのにこのくらいではブレないのも主人公として大変よろしいぜ。
あと双斧さんは「昔の俺に似ている」って学郎に対して感じてるあたりやっぱりアナザー学郎として位置するキャラなんだろうな。双斧さんも鏖の1人と過去に何かあったのかな。
最後には鵺さんからの供述。
鵺さんの真の目的普通にかなり気になる良いヒキだね。

●22話

いきなり周防先輩と古賀ちゃん再登場!嬉しい!緊張しててかわいいね。
扉を開けて会議に入るとなんか強そうな雰囲気の人たちが…!
怖くてつい閉めちゃったとか震えてお茶が危ない…!とかぬえおん節全開や。
そこにまず出てきた菅隊長、スマートにお茶拾うし高いお茶知ってるしサラッとお礼言うしこの1ページだけでもすごい好感度上がるな。そもそも古賀ちゃんのそっ閉じを見て様子見に来てくれてる時点で優しい。
からのキャラ紹介がてら隊長会議。
おお…バトル漫画につきものの幹部勢揃い展開だ……!
菅道領(優しいあんちゃん)をはじめとして、風巻狐宮子(軽薄)、鶤狩兵一(クール)、卦羽洋七(生意気?)、皇善哉(ジジイ)と各々キャラ立ってるな。デザインも特徴的でなおよし。座り方にも個性が出てる。みんなあの双斧と同格くらいだと考えるとゾクゾクするね。唯一出てきてない第5支部隊長が双斧を凌ぐ藤乃家ナンバーワンの人かな。
「幹部会議で生意気こいてバチバチになるやつ」を"一回やってみたかった"でやったのに誰も乗ってこず、見かねた最年長がノってくれる……この作品でしか見られなそうなやりとりだ。てか仲良いなこの幹部陣!
議題は"鵺の封印場所が判明したことに伴う新しい隊長の選出"。フーン…と思って見ていたら最後に……。
……後半は現況の確認と、前回のヒキでもあった鵺さんの目的について。
「一人の犠牲を出すこともなく完全に鏖を倒す!」
そんなことが出来るんならそりゃそっちの方がいいけど……!って感じよね。
陰陽師たちだけだったら再封印路線に行くしかなくても鵺さんと学郎がいれば可能ってことなのかな。
鵺さんにとっても当然容易いことではないらしく、珍しく重い決意を秘める鵺さん……に対して真っ直ぐに頑張るぞいと言ってのける学郎。
堂々としててカッコいい。どんどん主人公らしくなっていくね。
そして「その為に学郎には手に入れてほしい力がある」ということで──
ラストは隊長会議に殴り込みをかける鵺さん&学郎!!
その回のうちに合流するのか……!!一気に惹き込まれる展開だなこれは。
宿敵の一人の鵺にこんなこと言われてホイホイ承諾するわけなくない!?の気持ちと、でもメタ的に見たらいずれは学郎隊長になりそうだよな…の気持ちがあり、どうなるんだこの後……!?とシンプルに先が気になるヒキ。やっぱもう真っ当に少年漫画として面白いなこの作品。
Twitterでは"鬼滅で言うと柱合会議に黒死牟が炭治郎連れてきて「こいつを柱にしろ」って言ってきたようなもん"って言われてて笑った。そう考えるとあらためてとんでもないことしてるな鵺さん。
そういえばずっと気になってた町中のダークタワー黒い塔は対幻妖結界……被害を町の中に留め切るもの、とさらっと回収されてたね。

●23話

センターカラー!
5人の隊長たち(代理含む)が大集合!
「魔窟、隊長会議へ──!」ってアオリも合わせて凄みがあってかっけえ扉絵!
どいつもこいつも強キャラ感醸し出してるな〜。
真ん中の学郎たちもなんとなく立ち向かってる雰囲気でいい感じ。
鵺さんの髪に赤いの混ざってるの気づいてなかった。見返したら前からそうだったわ。
あと古賀ちゃん後ろでズッコケてんの好き。もしかしてドジキャラ?
本編
隊長会議に殴り込んだ鵺さんと学郎。
センターカラー回なんで冒頭であらすじ説明して新規へのアプローチ。えらいね。
で、鏖を倒すために…から発展して「陰陽寮の討伐隊隊長になる」と次の中期目標を提示。この中期・短期目標の提示ができてなくて読者が迷ってしまう漫画も地味に多いんだよな〜。ちゃんとしてる。
本来隊長になるためには、を狂骨の口から説明させてどれだけ困難なことかを示しつつ、特例ルートがあり鵺さんが既にそのための種蒔きをしていたというのも説明。鵺さんマジで抜け目ないな〜。
そしてそれを踏まえた上で
「いや 無茶だろ…!」と。
どういうハッタリかますんやろなと思ってたら「なぜなら 私は彼に命令されてここに来たに過ぎないのだから!」
と主従を逆転させるハッタリ。オノマトペ「ソイヤ」なの適当すぎて笑う。
ほんで学郎のこと「マスター」呼びしてるのはいよいよFateオマージュを隠さなくなってきたなといったところ。
さらに実力の裏付けとしてこないだ捕まえた双斧を投入!
「OKカモン代葉ちゃん 捕虜カートもってきて!」
ガー「えーっ 師匠ー!?」

あまりにもこの漫画の変なところ(良いところ)が出まくってるなこのコマ。勢いもテンションもシュールで大好き。その後の「架空の俺傲慢すぎるだろ…!!」含めギャグがキレキレだ。
そこに食ってかかってきたのが第4支部隊長鶤狩兵一。ブチブチにキレてるように見えるけど、言ってることは要は「そこまで言うなら嘘じゃない証拠を見せろ」と真っ当だし、風巻隊長から「ビジネスギレ」と評されてるように"この場はキレてるように振る舞った方が円滑に進む"と判断しての意図的なキレなんだとわかるな。前回の卦羽副隊長の煽りにキレてなかったあたりからもそれが伺える。"あの時何もしてなかった"がキャラ描写として効いてくるの面白。
てか「兵一」って名前と振る舞いから男性?って思ったけど風巻隊長が「兵子」って呼んでるあたり特殊な事情がある女性っぽいよな。その辺の情報の散りばめ方も上手い。
さらに話題は「鵺と学郎の馴れ初め」に。
「なんだおい仲良くねえのか!!」「あっめっちゃ良くしてもらってます!」
なんかジワるなこのやりとり。
馴れ初めについては嘘偽りなく素直な経緯を吐露。ここに関しては本当にただただ"一緒に遊んで仲良くなっていった"なので、「鵺と心を通わせられる」という点において学郎の有用性を真っ当に示せるんだよなあ。
戦闘力では隊長になれる実力が無いので代わりに"それでも鵺を御するための他の何かを持っている"と示すのは意外にも特例の中では正攻法だ。
あんなにキレてたのに「テレビゲーム?」ときょとんとしてる鶤狩隊長かわいい。
ほんで鵺と日頃から一緒に遊んでる証拠としてポケカのデッキ出てくるの笑った。常に持ち歩いてんのかよ!!
しかも真っ先に興味持つのが一番おじいちゃんの皇隊長かい!ただの好好爺じゃん!
でも鵺が本気で騙そうとしてるんならこんなのを証拠として出してこないもんな。逆に信用できるってもん?
結局これのおかげで最終的に「少し真面目に聞いてやる」って話が進んでるわけだしね。
あまりに独特だけど妙な説得力はある感じこの作品らしいわ〜。
鶤狩隊長がビジネスギレパフォーマンスで机壊しちゃったせいでソファーでカードゲームするはめになってるのちょっとおもろいな。

●24話

隊長たち、あらためて見るとみんな顔の左側に傷やらアザやら集中してるな……良さそうな傷は全部つけましたのやつ??

隊長たちも見事に左側ばっかで笑う

学郎を隊長にしてくれよ〜の交渉。
勝手に"第0番隊(オリジン)"とか言い出して鵺さん節だなあ。
矢面に立って反論するのは兵一っちゃんこと鶤狩隊長。
反論理由の一つ目は「管理は誰にでも任せられる」から。
「普通の鏖の封印場所っつーのは放っときゃ毎日レベル3が産まれるような魔窟だ」
そーなの!??
なら普通に一般の生徒たちが通ってる学校に鵺さんが封印されてるなんて思いもよらないわな。
だし、ここでもし鵺さんが「協力しなかったらバンバン幻妖産み出して一般人に被害出しちゃうよ」なんて言おうもんならその時点で信頼ガタ落ちして交渉どころじゃなくなるのを分かってて言ってる節もある。
理由の二つ目は「陰陽師全体の士気が下がる」から。
これはまあ実際そうだよなー。ポッと出のようわからんやつが急に自分より出世したらやる気失くすよね。そのへん緑牛が大将になった時の海軍とかどうだったんだろう。
そこで争点になるのは「鵺さんが信頼できるか否か」。
ここであらかじめ説明していた鵺さんの目的が効いてくるんですね〜。
鏖の全滅って目的は陰陽師と一致してるし、封印でなく討伐が可能だという話は本当なら値千金の情報なわけで。
そこからさらに以前は語られなかった鏖を殺す具体的な手段の話に。
2つある方法のうち面倒な方は今後然るべきタイミングで説明する(多分)ので一旦後回しにして、もう1つの簡単な方──「真名」について。鏖の命を握る手綱、これを伝えるつもりだったから双斧とか代葉ちゃんとかを人払いしたのかな。(周防先輩と古賀ちゃんは?)
念のため結界を張ってから真名を伝える鵺さん。いい感じに厨二かっこいい真名をここで披露することもできたであろうに(式神の名前とかからするにそういうのを考えるセンスはある)、それをあえてせず真っ黒に塗りつぶされたフキダシでの表現が異質でゾクっとさせる。そして何よりその後見開きで明かされる鵺さんの正体よ。
全身羽?に覆われた得体の知れない怪物。骨が一部露出してるのも不気味さを増すデザインだ。全身に楔のようなものが刺さっていてボロボロなんだけど瞳だけは力強く綺麗。
学郎は「俺は怖くなった」という感想を抱いてたわけだけど、普通に鵺さんがバケモンすぎて恐ろしくなったというよりはむしろ学郎の性格的には「鵺さんはこんなにボロボロなのに今まで頑張って戦ってたのか」とかそういう怖さな気がする。途方もない力を持っていたことへの恐怖ではなくボロボロだったことへの恐怖。
ていうかここまで弱点を晒すってよっぽどだよな。信頼を勝ち取るという点においてはこれ以上ないくらいの手ではあるんだけど、当然相応のリスクもあるわけで、鵺さんがそこまでする理由ってなんなんだろうというのも気になるところ。
かくして「二ヶ月後復活する鏖の一体を殺してみせる」という条件で学郎は無事陰陽寮第6討伐隊隊長に任命!
「ちゃんと合図送ってる」と描くことでなんで鶤狩隊長の一存で勝手に決めてんねんってツッコミも防いでて偉いね。
その他もかなり丁寧にツッコミどころ潰し続けてたから、学郎みたいな……言うたらポッと出が隊長就任すること(ひいては隊長達がそれを承諾したこと)にもきちんと納得感があるのが良い。
いきなり二ヶ月後に大ボス戦決まったし、隊長たちのキャラも立って共闘楽しみだし、鵺さんの正体、学郎の隊長就任…と、会議なのにあまりに盛りだくさんでめちゃくちゃ面白かったな……

●25話

隊長会議後。待望の周防先輩回!
鵺さん真実を知った(よね?いやもしかして知らん?)周防先輩、接し方変わるかと思ってたけどなんにも変わらんかった。周防先輩のいいとこって感じするなあ。
「夜島隊長!」
って言われた学郎のリアクション、無言の顔芸なのじわじわくる。集中線がズルいわ。
第6支部の配属になった周防先輩。そりゃそうだよねって感じだけどやっぱりうれしいね。
体調会議ではあの後、右も左も分からない学郎の代わりに鶤狩隊長をはじめとする他の隊長たちが全部ややこしい業務や手配をやっといてくれたらしい。「お前にそんな自由にはさせねえぞ」みたいな言い方して悪ぶってるけど最後の「まぁ頑張れ」で素の善性が漏れ出ちゃってるんだよなあ。
一夜明けた学校には第6支部の本拠地となるであろう新たな建物が。とりあえず見学!ってんで周防先輩が学郎の手を引いてるところをガッツリ目撃する代葉ちゃん。おやおや……
後をつけて物陰からひょっこり覗いてる代葉ちゃんかわいすぎる。
支部に入ろうとするなんかめっちゃでかいクモが。いつも溌剌としている周防先輩がビビってしおらしくなってる……!学郎に涙目でしがみついたりしててこっちもかわいいな……
ここで代葉ちゃん合流。何気に学郎盡器使おうとしてるし割と危ういタイミングだったのかも。
ここでなんかかわいい江戸っ娘の新キャラと鵺さんも合流。
支部の機能の一つを正常に使えるようにするにはクモの式神を洗ってあげる必要があるということで。
「その式神を…洗うんですか…?」「うん」「やめます!」「あらら」
ここテンポよすぎだしゆるくて笑う。
あと代葉ちゃんどこ向いてんの。さっきまで正面向いてたのに。
というわけでプールで式神お掃除。
なんやかんやプール掃除も学園モノだとまあまあ鉄板の展開ではあるよね(プールを掃除するわけじゃないけどまあ疑似的なプール掃除と言って差し支えないでしょう)。
裾を結んでヘソ出ししてる鵺さんめっちゃ良い。
なんだかんだ周防先輩も参戦してる。心配した学郎に対して
「生意気だね 誰に言ってるんだー?」
で鼻ツンは先輩ヒロインとしての魅力ド真ん中ストレートすぎる……強え……!!
とか思ってたら
「わぁぁ───!助けて──!」
即オチ2コマで笑った。
クモに追いかけられて滑って転びかける周防先輩……を抱き止める学郎。
第4話で周防先輩に学郎が抱えられてたのと対になってるんだねえ。
逆に学郎に抱えられて成長を実感する展開はいずれやってくるとは思ってたけどもう入れてくるか。早いな。でも最近出番少なかったことが逆にこのシーンでは火力に繋がってる気がする。巧い。
あと腕をグッってしてることによる寄ったおっぱい!でっかくていいね!!
さらに終盤では代葉ちゃんと周防先輩の対話。
「蜘蛛苦手なんですか?」「別に…いいと思います」からの「夜島君とは仲良いんですか?」っていう幅寄せの雑さは代葉ちゃんらしい不器用なコミュニケーションでニッコリしちゃうね。それ聞いて察した周防先輩の「あら!」みたいな顔かわいい。
で、「藤乃ちゃんは?」と聞かれた代葉ちゃんの表情ね。これ、感情を読んだ結果
「普通の先輩後輩って感じかなー」
の裏に潜む真実を知っちゃったからこそのちょっと悩んでるような微妙な表情の変化って感じするよね。それを踏まえてどう答えるべきか逡巡しているというか。結果として「結構…仲良いと思います」っていう割と微妙な牽制なの駆け引き不慣れでかわいいね。
そして代葉ちゃんの
「私 人の感情が読めるんです」
を受けての周防先輩の(参ったなあ…)みたいな表情ね…!
ここで完全にヒロインレースに周防先輩参戦確定した感じがある。
からのラスト「そこに直れ不埒者っ!」っすよ。
恋心を自覚しながらもあくまで以前と変わらない溌剌とした態度で接するの、「周防先輩」のままで学郎にアプローチしていく決意の顕れというか、前までと同じだけど前までと違う意味合いを持つ振る舞いになってて非常〜〜にベネ。
しかも「不埒者」ってのも、
・直前で新キャラとプチラッキースケベしてることを言っている
・代葉ちゃんを惚れさせたことを言っている
・自分が惚れてしまったことを言っている
複数のニュアンスを含んでるのもこれ以外無いって台詞回しでべらぼうに良いっすね……
ラブコメでもここまでキャラの良さとセリフ回しキレキレに活かせるの、無敵の漫画か……?
てか「感情を読めるって…そんな人居るのかな」の2コマ前のとこ、鵺さんよく見たら扇子持って応援してるだけで働いてないじゃん!!

◇単行本オマケ

単行本読み次第加筆します……!

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