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THE BEATLES FOREVER(9)

今回はビートルズの「リミックス」についてお話ししたいと思います。

ところで、皆さんは音楽をどんな環境で聴いていらっしゃいますか?
私はオーディオ装置は持っていないので、自宅ではiMac。毎日の通勤時にはiPodで聴いています。

1999年、映画「イエロー・サブマリン」の映像がリストア(高画質で蘇った)されました。
恵比寿ガーデンシネマで観たときは、映像の美しさと5.1chサラウンドに衝撃を受けました。


映画で使用された音楽をリミックスしたのが「イエロー・サブマリン〜ソングトラック〜」。

このアルバムは、ジョージ・マーティンではなく、アビー・ロード・スタジオのエンジニア、ピーター・コビンによってリミックスされていますが、あまり評価されていないのが現実ではないでしょうか。

ご存知の通り、当時のレコーディングは2チャンネルから4チャンネル、8チャンネルと録音技術の歴史を良くも悪くもビートルズは目の当たりにしてきたのです。

「プリーズ・プリーズ・ミー」「ウィズ・ザ・ビートルズ」のステレオに至っては、左チャンネル=演奏、右チャンネル=ボーカルといったミックスになっています。
「Rubber Soul」「Revolver」「Sgt.Pepper's Lonely Hearts Club Band」「Yellow Submarine」から選曲された中期のベストとも言える本作ですが、オリジナルはボーカル右、演奏左が多いです(当時はステレオよりもモノラル重視だったので、いたしかたないのですが)。

イヤホンで音楽を聴くのが当たり前になった現代、ボーカル、ドラムはセンターであってほしいと願うのは、私だけでしょうか?
そして、それをピーター・コビンはマルチトラックまでさかのぼり、ボーカルをセンターに据えたリミックスをしてくれているのです。音もクリアになって良い!

では、簡単に曲を紹介したいと思います。
Yellow Submarine」ボーカル、ドラム=センター、SEとコーラスが左右に広がっている。
Hey Bulldog」ボーカル=センター、ドラムが何故か左(残念)。
Eleanor Rigby」ボーカル=センター(コーラスは左右に広がる)、ストリングス=左右にリミックス。
Love You To」ボーカル=左右にダブルトラック。
All Together Now」ボーカル=センター、コーラス=左右、とても好きなリミックス。
Lucy In The Sky With Diamonds」ドラム=センター。
Think For Yourself」ドラム=センター。
Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band」ボーカル=センター。
With A Little Help From My Friends」コーラス=左右。
Baby You're A Rich Man」リミックス?音がシャープになった
Only A Northern Song」祝!初リアルステレオ!! 曲としても再評価すべしでは。
All You Need Is Love」ドラム=センター、左右に音が広がって臨場感がとても良い!
When I'm Sixty Four」ボーカル=センター、ピアノ=左、シンプルで聴きやすい。
Nowhere Man」ドラム=センター、ボーカル・コーラス=左右。
It's All Too Much」センターにリズムを据えて、ボーカルなどが左右に広がる。

音楽プレイヤーにオリジナルと交互に入れて、聴き比べてみると違いが楽しめます。

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Audacity(フリーの音楽編集ソフト)とGarageBandを使ってステレオ版の「プリーズ・プリーズ・ミー」「ウィズ・ザ・ビートルズ」をリミックスしてみます。
やり方ですが、左右の音源をAudacityでそれぞれをモノラルに分離。

GarageBandに持っていき、演奏チャンネルをセンターに、ボーカルを左と右にする(左右どちらかを少しずらしてダブルトラックにする)。
出力を調整して書き出す。

「When I'm Sixty Four」はポールが若々しい声を希望したので、キーが半音上がっています。ではテンポを落として従来のポールの声を楽しんでみましょう。
Audacityで速度の変更(-0.5613)をして、半音下げる。曲を書き出す。
録音時のポールの声と演奏が楽しめます。

興味のある方は、個人で楽しむ範疇でやってみてはいかがでしょうか。

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