デザインの法則ーその3
規則性をもたせると人は知覚できる!
デザインの要素に規則性をもたせると、情報が整理されて内容を認識しやすくなります。なぜなら、人の視覚というのは意識していなくても「規則性」があるものや「パターン化」したものに意味を見いだそうとするからです。
具体的な例を上げます。例えば「箇条書き」を見たとき、それがどんな規則性があって並べられているのかを、人はすぐに判断します。行頭記号に1、2、3といった数字がついた箇条書きの場合、人はこれを何かの「手順」か「順番」もしくは「優先順位」か「経過順」だなと認知します。
また、50 音順やアルファベット順に並んでいると、「辞書」や「名簿」のように、項目を「見つけやすくする」ために行頭記号を付けているのだなと、すぐに気付きます。つまり、人間が持っている知覚は「規則性」の中にどんんな意味があるのかを、それほど意識しなくても発見してしまうのです。
(詳しくは「視覚による心理的作用とは」を参照)
分かりやすく伝えるために、あえて規則を作る!
この人間が本来持っている知覚の能力を、デザインに利用しなければもったいないですよね。例えば、あなたが読み手(ユーザー)に対して、何か手順を伝えようとしたとき、長い文章で伝えるより、箇条書きを利用する方が効果的です。じっくり読まずともパッと見ただけで、これは「手順を示しているんだな」と理解してもらえます。
例えば、料理の手順を伝えるとします。
といった具合に長い文章で伝えるより、以下のような箇条書きにしたらどうでしょう?読んだ人もすぐに頭に入ってきますよね。数字の行頭記号をつけて箇条書きにすると、接続詞などを省くこともできるので、文章もシンプルにすることができます。手順などを示したいときは、数字という規則性を作ると認知しやすくなります。
ここで大事なのは、1、2、3といったような「規則」をデザインする側は意図的に作る必要があるということです。これは記号だけに限ったものではありません。テキストのフレームや写真など、何か並べて配置する場合にも「サイズ」「間隔」「色」といったものも、それぞれ規則性をもたせる必要があるのです。
関連があるもの同士に「規則性」をもたせるのがコツ!
素人の人がよくやってしまう失敗例は、何の規則性もなく好みで色を変え、スペースが空いていたからといって、何となく配置するといったケースです。画面(紙面)のあちこちが不規則にしてしまうと、見栄えだけでなく、内容を認知するのも難しくなってしまいます。
ただし、何もかも統一のルールにしろという訳ではありません。あくまで、関連があるもの同士を、同じ規則(色、サイズ、間隔、書体など)にするという意味です。分かりやすい例だと、noteのトップページには、おすすめ等ジャンルごとの画像が同じサイズで、同じ間隔で横一列に並んでいますよね。書体も統一されています。このようにデザインをパターン化させることによって、内容が理解しやすくなり、かつ見栄えも美しくなるのです。
(次はデザインの法則その4を解説していきます)
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