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0-3歳児・言語聴覚士がオススメする絵本「しろくまちゃんのほっとけーき」

言語聴覚士がことばの訓練で使っている絵本を紹介するシリーズ。初回ということでメジャーなものを持ってきました。もうすでにご存知の方も多いでしょうね。「しろくまちゃんのほっとけーき」です。

オススメポイント①オノマトペ(擬音語)がいっぱい

しろくまの親子がホットケーキを作るというストーリー。かわいいイラストもさることながら、言語聴覚士として注目するのはオノマトペ(擬音語)がたくさん出てくるところ。ホットケーキを焼く場面で「ぴちぴちぴち」「ぶつぶ」「ぺたん」「ぽい」など、パ行・バ行を使ったオノマトペがたくさん出てきます。

パ行・バ行は0歳から出せる音。だからこそ「パパ」という名称は1歳の早い段階で言えるようになります。加えて、繰り返しになっているオノマトペは子どもにとってわかりやすく、真似もしやすいです。繰り返し読んであげることでこのページをまるごと覚えてくれるお子さんもいます。

オススメポイント②動詞がいっぱい

「卵を割る」「牛乳を入れる」「かきまぜる」など、ホットケーキを作る手順の中で動詞がたくさん出てきます。2語文を話すためには動詞の獲得がとても大事。この短い文章が、動詞の獲得を助けてくれるはずです。

オススメポイント③作って楽しめる

絵本からことばを覚えることもありますが、実生活の中からことばを覚えることの方が圧倒的に多く、記憶に残ります。ホットケーキならどのご家庭でも作ることができますよね。ホットプレートなどを使って、「しろくまちゃんのホットケーキを作ろう!」と子どもと一緒に焼いてみるのもオススメです。絵本に出てきた「ぶつぶつ」「ぴちぴち」「ぺたん」をやってあげると盛り上がりそうですね。

オススメポイント④積み木セットを活用できる

子どもは積み木遊びが大好きですが、しろくまちゃんとほっとけーきシリーズの積み木も販売されています。絵本を開きながら積み木を使って「ぶつぶつ」「ぴちぴち」「ぺたん」ができます。絵本とセットでプレゼントしてあげても喜ばれると思います。

絵本はコミュニケーションの道具

絵本は決して「ことばを覚える道具」というだけではありません。また「ストーリーを楽しむもの」というわけでもありません。絵本は「コミュニケーションのための道具」です。

読み聞かせが苦手、苦痛というお母さんもいらっしゃると思います。そんなときは前回紹介したインリアルアプローチを思い出してみてください。読むのが苦手なら無理して読まなくてもいいです。お子さんに合わせて、お子さんが指さしたものの名前を言ってあげたり、お子さんが「あっ!」と言ったら同じように「あっ!」とモニタリング(子どもの発語を真似する)で返してあげたらいいと思います。

また、この絵本を0−3歳にオススメとしていますが、絵本の理解はお子さんによって個人差があります。見向きもせずページをばばばっとめくって終わりにするお子さんもいます。そんなとき「読み聞かせしなきゃ!」と頑張る必要はありません。今はまだその絵本はその子にとって「めくって楽しむもの」なのです。もう少し大きくなって、もちろん3歳すぎてからでもOKです。その子が楽しめる年齢になってから、もう一度読み聞かせにチャレンジしたのでいいと思います。


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