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声の魔法!🪄vol.5 声の「速さ」について深掘りしてみる

声の「速さ」を調節するには

前回投稿はこちら。

速さか滑舌か、それが問題だ

vol.3で紹介した記事のうち、「大きさ」についてはvol.4で紹介しました。今回は、声をよりよくして話し方を改善するためのもうひとつの要素「速さ」がテーマです。

vol.3でもお話しした通り、人によく聞き返されるという方の要因の多くは、「大きさ」と「速さ」で解決し、滑舌の割合は低いというのが私の持論。

滑舌が多少悪くても、ゆっくり話せば伝わります。

ただしこの逆、速く話しても滑舌が良ければ伝わる、というのもまた真理なのです。

これはvol.3で述べた「声が小さくても滑舌が良ければ聞き取れる」という話と同じ。vol.3では騒音下における声の大きさの音声サンプルを載せていますので、必要でしたら今一度聞き返してみてください。

何が言いたいのかというと、相手に聞き取ってもらいやすい話し方を習得したいのなら、「滑舌」を鍛えるか、「大きさ」「速さ」をモノにするかの2択である、ということ。つまり、どちらを練習したいですか?ということになります。

そして私がお勧めするのは断然「大きさ」「速さ」の調節の方。なぜなら滑舌は「技術」の習得が必要ですが、「大きさ」「速さ」は、前回の呼吸法の話のように多少の技術もありはしますが、どちらかというと本人の癖がメイン。その癖を調節するだけで整う話ですので、そちらの方が早道です。

速さの調節練習①メトロノーム法

ここからは言語聴覚士のリハビリでよく用いられている練習方法を紹介します。まずはメトロノーム法。使うのはメトロノームのアプリです。私が使用しているのは以下のものです。

メトロノームを適当なテンポにセットし、音に合わせて音読したり独り言を言ったりします。いつも話すより少しだけ遅めのテンポに設定してください。抑揚は気にせず、ロボットのような話し方になってかまいません。自分の話し方を録音して振り返るのもお勧めです。

速さの調節練習②シャドーイング

英語のリスニング練習でよく取り入れられているシャドーイングを、日本語で行います。私はよくNHKのラジオニュースで行っています。

ラジオニュースを耳で聞きながら、すぐ後を影のようについていきながら、同じ内容を呟きます。このときの注意点は以下の通りです。

1.ニュースが流れる速度を0.5〜0.7倍速にする
NHKのアナウンサーは総じて早口です。彼らは滑舌が巧みなので、速くても聞き取れます。先ほど説明した理論ですね。この練習はシャドーイングを使って速度を落とし、その速度を体感するための練習です。そのためゆっくりしたスピードで行う必要があります。

2.滑舌は気にせず、口先だけで呟くイメージで行う
あくまで速度を落とし、その速度を体感するための練習ですから、滑舌は気にせず行いましょう。

以下は、私がメトロノーム法とシャドーイングを試した音声サンプルです。なお、シャドーイングに使っている元音源は、著作権の問題もあるため、私が読んでいます。自分の声を録音してシャドーイングすることはあまりお勧めしませんので、みなさんは一般に公開されている音源をご利用ください。

音声の順番は以下の通りです。

  1. メトロノーム法

  2. シャドーイング

速さ調節のコツ

上記2つの練習方法は、ゆっくりめを体感するために行うものです。毎日5分でいいので継続することが大切。繰り返すことでちょうどいい速さの感覚が掴めてきます。

速さは癖のようなものです。それを修正するために技術はあまり必要ありませんが、時間がかかります。コツはずばり意識すること。今話している自分の速度が速くなりすぎていないか、常に自己モニタリングを心がけましょう。

綺麗な聞き取りやすい声のためにはゆっくりと。ここでも急がば回れの精神です。


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