個人情報保護や求職者への配慮が抜け落ちた、問題のある面接について。
ここ数年で経験した、転職時や就業時に気になった、これってどうなの?について、書いてみたいと思います。
・個人情報や評価の情報漏れ
まず一つ目は、旅行会社で勤務していた時のこと。
コロナ明けのインバウンド需要の急激な戻りで、職場はまさに戦場と化していました。
採用が追いつかないため、全く回っていない日常業務の合間に採用面接を行っている、という状況でした。
オンライン面接も頻繁でしたが、問題は、オフィスが1LDK程のマンションの二部屋を開け放して、10~15人弱で所狭しと勤務していたこと。
隣どころか向こうの部屋での電話も筒抜けの状態で、オンライン面接が行われていました。
求職者側の声は聞こえませんが、面接官である複数の先輩方の声は、他の社員に丸聞こえ。
履歴書や職務経歴書についても当然触れるので、どこの大学を出てどんなスキルがあるか、など勝手に耳に入ってきます。
さらに不愉快だったのは、面接後の面接官達の会話でした。
「あー、これはダメだね」とか「ちょっとプライドが高そうな感じ」「私はこの人を採るの反対。どうしてもと言うなら、必ず期間限定と断った上でにしてください。様子を見てから本採用にしたいから」など、相手を値踏みするような内容まで含まれていたことです。
幸い私は、面接の際に来社を選び面接はロビーで行われたので、こういう評価を他の社員に聞かれずに済みましたが、仕事をしながら、この何とも言えない耐え難い時間を、度々過ごしました。
もしこの人が採用になって入ってきたら、一緒に仕事をするうちに大体検討がついてしまうな、と思いました。この時点で、個人情報保護の観点からは完全にアウトではと思います。
また別のアルバイトの面接兼説明会では、オンラインとだけ聞いて参加したら、一対一ではなく複数の応募者の同時面接で驚いたことがありました。
考えればフルタイムの仕事でも集団面接の場合もあるので同じか…と思いつつも、個人的なことを聞かれる訳ですから、やはりせめて予め通知があるべきだと思いますし、せっかくオンラインで繋ぐなら、面接部分は一人一人に分けて行うなど、その強みをどうして生かさないのか不思議に思いました。
・一方的な面接
オンライン面接でもう一つ、面食らったケースがありました。
人事担当者が、最初から非常に不愛想でやりづらかったのですが、何より驚いたのは、私に散々質問をして、それだけで面接を打ち切ったこと。
仕事内容についてや自社についての説明もなく、質問をする時間も与えられず、一方的にそれではと終了を告げられ、唖然としたまま終わったことがありました。
アルバイトの募集でしたが、自分達が聞きたいことだけ聞いて打ち切るという姿勢に、非常にバカにされたと感じました。
こちらのかけたコストについて何も考慮されていない。こんな無礼な話はないと我慢ができず、合否連絡を待つのを止めました。
例えアルバイトでもこのような対応をされる会社は信用できないので、辞退させていただきます、とこちらから断りました。もちろん返信はなし。
でも、自分の尊厳をきちんと守れたという気持ちが残ったので、こういうふうに区切りをつけることも、とても大事だと感じました。
・合否連絡漏れと誠意のない対応
他にも、合否連絡について不信感を覚えたことがありました。
面接官が〇日までには必ず連絡します、と仰った日を過ぎても一向に連絡がないので、随分待って連絡したところ、人事部から、ご連絡が遅くなっておりましたが…今回はご縁が…というお祈りメールが届いたことがありました。
明らかに連絡漏れなのに一言の謝罪もなく、紋切り方の定型文なことにムッとしました。
さらに、連絡については人事部が担当で、面接前のメールでは名前を名乗ったにも関わらず、そのお祈りメールには、人事部とだけ書かれていました。
ハイハイ、すみませんでしたと謝っておけばいいやという逃げの姿勢で、誠意が感じられませんでした。
面接官の方は非常に感じ良く、一貫してフラットな対応で、ミスマッチがないようにと徹底的に質問して丁寧に聞き出すという姿勢で、こういう対応であれば、例え不採用でも気持ちが良いと感じていました。
面接終了時には、応募者多数のため結果までに時間がかかることを詫びたうえで、〇日までには必ず連絡します、とわざわざ日付まで切ってくださるという素晴らしいお仕事ぶりでした。
しかし、その後の人事部の対応で彼の努力は台無しになり、その家事代行会社に対する私のイメージは非常に悪いものになりました。
決して悪いケースばかりではなく、この面接以外にも、非常に好感が持てる面接をしてくださった企業もありました。
そちらもアルバイトでしたが、肩書き関係なくフラットな採用を心がけている、というその言葉に嘘偽りなく、面接前から面接後も、不愉快なことは一切なく終わりました。
不採用となったのですが、私個人にしっかりと向き合ってくれたことが、お断りメールからも伝わり、前述のケースとは真逆に、私はそのお店がさらに好きになりました。
・求職者に対する心の姿勢が問われる
求職者に対して無意識にぞんざいな扱いをしてしまうのは、この人手不足にあってもなお、“自分達が採ってやっている”という驕りから、抜け出せていないのだろうと思っています。
想像力を働かせれば、求職者もエンドユーザーであるということが分かると思います。その視点があれば、目先のことに囚われないはず。
求職者も同じように、時間と手間をかけて臨んでおり、どちらにも選ぶ権利がある。同じ立場であることを心に刻み、敬意を持って対応してほしいと思います。
忙しいから…場所がないから…効率を考えて…という理由で、個人情報や求職者への配慮が抜け落ちるのは、都合良く即戦力だけを求める上層部の考え方が下まで降りてきているからでは、とも思います。
最近は、総務・人事を外部委託する会社も増え、人事担当者のモラルやプライドも下がったと感じています。
人を扱う部署の人達が、何でもマニュアル通り、ただの事務屋さんになってきている現状は、とても残念に思います。
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