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〝一貫性”は、マイナス方向にも働く。テイカー(人から奪う人)タイプの同僚を観察して発見したこと。

〝一貫性”という言葉は、主にポジティブな啓発目的で使われることが多いと思いますが、私がその威力を痛感したのは、実は筋金入りのテイカー(奪う人)の同僚を通してでした。

世の中の人は、テイカー(奪う人)、マッチャー(自分と他人の利益のバランスを取る人)、ギバー(与える人)に分かれると言われています。

マンションコンシェルジュとして勤務していた時の同僚の一人ですが、その人のテイカー習慣には驚愕しました。

リレー形式で皆が同じ仕事をする職場なのに、あまりにも仕事量が違う。他の人と比べて圧倒的に彼女の量が少ないので不思議になり、観察を始めたところ。

一緒に勤務に当たる時は、

・インターフォンの隣には座らない(入居者さんからの電話は、私が受けることになる)

・クリーニング業者他の来訪(=仕事が発生する)があると、いつの間にかトイレなどへ移動し、終わった頃に戻ってくる。

・面倒くさい入居者さんが来たなと思ったら、呼ばれても聞こえないフリをして、自分はカウンターに出て行かない。

1人で勤務に当たる時は、

・面倒なメールが届いた場合には、対応せず置いておき、次のシフトのコンシェルジュに回す。

・トラブルになりそうな伝言などの場合、該当の入居者さんが通られても見なかったことにする。

・居室内の家電や設備の不具合の相談があった時は、「しばらく様子を見てください」と返す。次に相談に来られた時に、他のコンシェルジュが対応することになる。

・共用部の電球交換を依頼されても、返事だけして放置。次に頼まれた人が交換することになる。

などの行動を取っていることが分かり、カルチャーショックを受けました。

真面目一筋の私は、ええええ!?そんなことが許されるの!?というか、それで済ませられるあたりが肝が据わっていて、ただただすごいと圧倒されました。

全体的に勤務態度が酷いので、入居者さんから個人的にクレームがあったことも複数回あったのですが、ここでもその威力を見せつけられました。

入居者さんご本人がフロントにいらしたのですが、怒り心頭であるにも関わらず、彼女と直接対峙することを避けるんです。

一度目は、入居者さんが別の同僚に詰め寄り、部下の管理はどうなっているのか、上司によくよく伝えておけ、と怒鳴りつけました。

二度目は私が受けました。あなたは信頼しているので申し訳ないが、彼女の態度は酷過ぎる。上司に伝えて欲しい、とこちらも怒りが収まらない様子で、私は平謝りしました。

三度目も同じ方からで、もう本当に何とかしてほしい、とまた私に恨みつらみを吐き出されました。

極め付きは上司。上司も彼女の圧や威厳のある態度に日頃から逃げ腰で、こんな大問題があってもまともに注意できなかったんです。

この一連の観察結果と発見を通して、

一貫性は、その人の主張を強固にする働きとその人の存在に重みを与える効果があるけれど、その一貫性はマイナス方向にも当然働く、ということを学びました。

さらに発展させると、パワハラやモラハラなどの構造にも一部繋がる気がします。

相手が一貫してこちらを非難してくると信憑性が上がります。どう考えてもおかしい、と思うことでも常識や判断能力まで打ち砕かれるようになり、次第に、こちらに非があるのかと思うまでになってしまう。

ガス燈”という映画が元になり、ガスライティング(心理的虐待)という用語ができたと聞きました。映画を見てなるほどと思いました。

周りの人も巻き込んでいろんな方向から、巧みに被害者を精神的に追い詰めます。

私の同僚は、テイカーではあったものの特に悪人ではなく面白い人でしたが、世の中残念ながら性悪な人もいるので、こういうことを頭に入れておく必要があるなと思います。

よくよく相手を観察し、自分の認知が歪んでいないか確認する、時にはこちらも想定外の動きをして、〝いつもそちらの都合良くいくわけではない”というメッセージを発する、などの防衛習慣が必要だなと感じています。

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