暗記術その一~書くな見るな思い出せ~
人の脳は、一度見たもの、聞いたこと、本当はすべて記憶しています。
一度とった写真がすべてデータに保存されていることと同じです。
しかし、記憶はされていても、それを取り出すことは至難の業です。
記憶は無限にあるからです。
では、どうしたら、自由自在にそれを引き出すことができるのでしょうか?
すべてを思い出すことは不可能ですが、そこに優先順位をつけることはできます。
つまり、思い出した回数の多いことほど、優先的に記憶から引き出すことができる、ということです。
勉強法で、よくインプットよりアウトプットが大切だと言われます。
あれも、これと同じ原理です。
何度も同じ文字を書いたり、何度も同じ言葉を唱えたりして、必死で暗記科目に取り組んでも効果はとても薄いのはそのせいです。
同じことを繰り返すなら、実は、思い出した回数は一回だからです。
記憶は一度で十分なのですが、思い出す練習は、反復しなければなりません。
しかし、その反復をするために、同じ単語を書くことを繰り返してしまえば、前に書いたものが見えるか、まだ頭に残っているので、思い出したことにはならないんです。
思い出す回数を増やすには、一度Aという単語を記憶したならば、すぐに、B⇒Cと頭に入れて、もう一度Aを思い出すという作業を繰り返す必要があります。
大事なことは、記憶⇒一度頭から消す⇒思い出す、この繰り返しであって、記憶⇒記憶⇒記憶ではありません。
できない子ほど、同じことを繰り返し書きます。
同じところを見続けるばかりで、一度思考から切り離そうとうすることができません。
これができるかできないかで、勉強のできは、9割決まってしまいます。
と、教えることは簡単ですが、実際子供がそれを身に着けるには、自転車に初めて乗るときのように、一緒に同じ作業をして、手伝ってあげる必要があります。
初めは3つ、できるようになったら、4つ、5つとまとまったグループを作り、それを順番その通りに思い出す練習をすれば、誰でも同じようにインプット→アウトプットができるようになります。
脳の構造は皆同じだからです。
一度コツさえつかめれば、一度自転車に乗れればずっと乗れるのと同じように、何を勉強するときにも役に立ちます。
とはいえ、一人でできるようになる子は稀です。
最初はできる人と一緒にやって、慣れたらすぐ自分でやったら良いです。
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