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🍛カレーフォト新俳句決定戦🍛

🍛カレーとは、
「スパイスを効かせた肉・野菜などを煮込み、ライス・パン・コーンミールなどの炭水化物と合わせる料理」

✍️俳句とは、
「スパイスを効かせた詩・場面などを煮込み、比喩・擬人化・オノマトペなどの表現技法を香らせて十七音に収める文芸」

一見何も関係がないこの二つを、
"写真俳句"として融合させることで、
新たな境地が生まれるのではないかと思い立ち、
今回の『カレーフォト新俳句決定戦』を実施する運びとなりました❗️

投句期間は6/247/15までとし、
今回は延べ
7️⃣8️⃣(過去最多を更新!👏)の御投句をいただきました!
長丁場にもかかわらず、お付き合いいただきありがとうございました
❣️

写真のクオリティも非常に高く、
前回のパン企画、前々回のラーメン企画を上回る手練れ感()があり、選んでいる私の胃袋?俳句心?をガッチリと掴んで離しませんでしたよ!🤩


それでは早速、発表に移りたいと思います!

今企画のカレーフォト新俳句は、
①カレーフォト賞
②カレーフォト新俳句カレー市民賞
③カレーフォト新俳句カレー貴族賞
④カレーフォト新俳句カレー王族賞
の4項目で発表していきます!

①カレーフォト賞は、私が個人的に食べたい!と思ったカレーフォトを俳句・俳号と添えて発表いたします。こちらは俳句賞部門とは別としてお考えいただき、どうぞ気楽にカレーの美麗写真をお楽しみください😘

続いて、②③④カレーフォト新俳句賞は、
先日Twitter上で「15作品」に絞って発表をいたしました写真俳句(#カレーフォト新俳句)を、
更に辛〜い私の辛口査定に通していき、

・カレー市民賞(佳作)
・カレー貴族賞(秀作)
・カレー王族賞(特選)
のように選ばせていただきました😈

それでは、はりきっていきましょう!!
結果発表〜!!!

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

【発表】※敬称略、順不同


📸カレーフォト賞部門 (10句)


なんにでも胡瓜の入る夕餉かな
川越羽流



タイ米の日永絡める長さかな
万里の森



ブルータスもユダもカレーを食ふ大暑
ちゃうりん



三伏の活やさっくりかつカレー
幸田柝の音



太陽の味にスパイス夏カレー
佐藤和子



デパ地下の木のスプーンや夏カレー
伊藤聖子



七月や山羊肉を手で貪りぬ
背馬



夏旺ん日は実に風はスパイスに
かむろ坂喜奈子



くらがりにスパイス匂ふ芙美子の忌
藤色葉菜



夏野菜の原色カレーは活火山
髙田祥聖



では、今回のメインディッシュ、
俳句賞部門の発表です!
↓↓↓

カレーフォト新俳句賞部門

👨‍👩‍👧‍👦カレー市民賞 (九句)





あいがけに決めて夕立のカフェテリア
朝月沙都子

評)
「あいがけ」にしたいほど美味しいのか、はたまた選びきれなかったのか。夕立とは、"夕暮"と"雨"のあいがけなのかもしれない。




油照夫のカレーに肉は無し
星月さやか

評)
探しても探してもそこには「肉」が無い。カレーに隠された"愛"は、油照のように重く濃厚なルウに溶け込んでいるのか。




夕暮れにクミンと蟹と香りけり
万里の森

評)
コトコト煮込むとあっという間に夕暮れに。「クミン」と「蟹」の香る、誰もが喜ぶカレーの出来上がり♪




霜月のマトンカレーを麹町
糸川ラッコ

評)
よく煮込まれていて、とろけそうな羊肉。冬に埋もれた東京の中心で、煌びやかな一皿との出会いにカレー愛を叫ぶ。




愛の日の骨うつくしきマトンカリー
露草うづら

評)
愛の日、なのに突如現れる「骨」にドキッとする。いつものカレーとは違う、二人に特別な日の特別なカリー。




「ただいま」の裸足駆け寄るカレーかな
霞山旅

評)
玄関まで漂ってくる匂いで、すぐさまにカレーと分かったのか。サンダルを脱ぐなり、駆け寄ってくる子の笑顔が眩しい。




ナイターのカレー簡素という旨さ
ふるてい

評)
片手で持てるサイズは野球観戦に丁度よくて食べやすい。直球と見せて変化球のような、変化球と見せて直球のような、塩梅よい一句。




パセリはや乾くカレーや海の朝

評)
パセリが乾く。昨夜は遅くまで宴会だった。海を見ながら辛さを身体に投入するが、なかなか目が覚めない。そうか、パセリは私自身か。




プチトマト咖哩の海を睥睨す
小だいふく

評)
プチトマトは何故ライスに乗せられたのか、そして何故咖哩の海を「睥睨」するのか。プチトマト自身、ずっとそのことを考えている。





続いて、上位句の発表です!
↓↓↓

💍カレー貴族賞 (三句)





あだやかな大暑のチキンカレーかな
くま鶉

評)
さりげなく撮影されているが、カレーの具であるチキンに写真の焦点を当てているのに対し、ライスはぼかされている、言わば「カレー>ライス」と一皿のなかにも序列を演出していることに驚いた。一句では上五の修飾語と下五の詠嘆を全く邪魔をしない「大暑」の選択がお見事。




炎天や毛穴の開くスープカレー
麦のパパ

評)
定番の型の美しい一句。「毛穴の開く」の表現が秀逸で、ぶわっと噴き出る汗がリアルに見えてきてしまうのは、下五に「スープカレー」と選択したことによる賜物。季語「炎天」で暑さのみならず、"辛さ"の印象を増長させているところに拍手を贈りたい。




独活噛んで今日から新しい私
凪太

評)
食用には若い独活の茎が使われるそうで、香りや歯触りを大いに楽しめるそう。噛むとまさに生まれ変わるような心地がするのだろう。古くから美容と健康の元は食にあり、と言うとおり、身体の細胞の一つ一つまで若返っていくような爽快感が一句に濃縮されている。




それではいよいよラスト、
特選句の発表です〜❗️
↓↓↓

👑カレー王族賞 (三句)





三席
祖母死んでゐるらし通夜のカレー食ふ
ツナ好

評)
実体験が一句の背景にあるとないのとでは言葉の重みが全然違う。淡々と語られる措辞と取り合わされた「カレー」。支度に手間のかからないよう工夫されたカレーなんだろうと読み手に想像させる。一句に季語も色味もなく、ただ簡素さだけがあることが、かえって読み手の心を強く揺さぶるものだと教えてくれるお手本のような一句。






二席
じゃがいもは野菜じゃないと言い張る子
川越羽流

評)
子どもの言葉がそのまま入った一句は、大人が忘れてしまった心を呼び覚ましてくれる。一読目はおそらく、読み手はこの句を無季の句のように錯覚するだろう。そして、二読目に「じゃがいも」を季語として、じゃがいものホクホクとした香りと瑞々しさを脳裏に描く。「言い張る」の一語が頑なな子の表情を想像でき、この主張にはどんな親も頷くことしかできないだろう。






一席
恋人の聖地夕焼はしよつぱくて
桜井教人

評)
カレーは日本に馴染みすぎていて忘れてしまっていたが、そもそもはcurryと英語表記される海外料理である。そう考えてみると「恋人の聖地」の措辞は日本のみならず世界各国を思わせてくれる、幅広い景をもつ。イカ墨を使ったというハモカツカレーはどんな味なんだろうと興味がそそられてくる。「夕焼はしよつぱくて」と本来は味覚に落ちない季語を味覚に落とす詩的感覚がとても良く、作中の人物は恋人との悲恋に浸っているけれども、早く立ち直ろうと強い意志を持とうとしている。そんな様子も「夕焼」に表せられているところが素晴らしい。こちらの作品は、写真が俳句を助け、俳句は写真を助けている、バランスが非常に優れた一句だと感じる。

カレーフォト新俳句の大賞に決定!👏👏👏





さて、いかがでしたでしょうか。

俳句と写真を融合しての投句は、

普段、句作ばかりで撮影に不慣れな方にも
またその逆で俳句初心の方にも
フラットにお楽しみいただけるのではないかと思って企画してみました☺️
難しい〜、でもやってみようかな〜、と
まるで激辛カレーに挑戦するような気持ちを持っていただけたなら企画側として嬉しいです。


今回の御投句のなかで皆さんが気になった句があれば、
#カレーフォト新俳句のハッシュタグで
ご感想などを是非呟いてみてくださいね
🎶


それでは、また機会があればやりましょう〜
👋(次は冬のラーメンか、それとも……?)

最後までお付き合いくださり、本当にありがとうございました😌
登りびと

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