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35. 「こっちに行ってみようか」


知らない道を行くことってワクワクするなぁ



今朝の散歩でしみじみ感じた。

浮かんできた、こころの中にある情景。




小学生の頃のわたし。

移動手段はもっぱらブルーの自転車で、

近所の公園、フードコートのあるダイエー、地区センター。

坂の多くない町をすいすいと。


あのブルーの自転車を買ってもらったとき、うれしかったな。

うれしくて、誰かに見てもらいたくて、

幼なじみの家の前で、どう?すてきでしょ!と、

心の中で思いながら、自転車に跨って見せたとき、

「なるちゃんにはまだ大きいねぇ。」

と、幼なじみのお父さん。

恥ずかしいような悲しいような、

ドキドキのお披露目で「いいね!」がもらえなくて出鼻をくじかれたような。

そんな気持ちになったことを覚えてる。


幼なじみとそのお兄ちゃんと、

そして、その私の体には少し大きいブルーの自転車と一緒に

町をぐるぐる探検した日。


その町の "知らない" に、たくさん出会った。


あの道とこの道が、私の中で初めてつながる。

隠れていた坂、ヘンテコな遊具の公園。

段の細かく多い、コンクリートの階段。


もう全部、知ってると思ってた、この町のこと。







今朝のお散歩ではおばあちゃんと一緒で、


「あそこが33年前に住んでいた団地、あの角部屋」

「この公園で花火をしたりしたの」

「この老人ホームはもともと小学校だったんだよ」

「この生協で働いてたの、自転車で通っててね」




わたしの知らないおばあちゃんがたくさんいた。

今だって、わたしの知らないおばあちゃんはいるはず。


"知らない" ってこわいな

と思う。



「こっちに行ってみようか」

の、ささやかなワクワクと、

「見つけた」

の、湧き上がるうれしさ。

"知らない" からのプレゼントなのかなぁ




なんて思った早朝。





なるみ.


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