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SDGs の真の実践

       木村 秋則 著『リンゴが教えてくれたこと』

昨年末に読んだ『奇跡のリンゴ』で木村秋則さんに興味をもち、木村さん自身が書かれた本を手に取りました。

本の目次:
    はじめに
    第1章 木村、やっと花が咲いだよ
    第2章 農薬はつらい—無農薬・無肥料への一念発起
    第3章 死を覚悟して見つけたこと
    第4章 米の自然栽培は難しくない
    第5章 全国、世界へと広がる輪
    第6章 すべて観察からはじまる
    貧乏にもぶれることがなかった木村さん 工藤憲雄


いつものように「はじめに」「貧乏~」から読みました。出版社編集委員の工藤氏の寄稿に、木村さんから送られてきたFAXが紹介されていますが、立ち読みするなら、これだけでも読んでみてください。本編で語られている木村秋則さんの思いが十分感じらる素敵な文面です。

本編は 5,6,4,1,2,3 の順で読みました。1, 2, 3 は『奇跡のリンゴ』でも語られていることでしたが、リンゴの自然栽培法のヒントを得たくだり――いろいろ考え実践してもうまく行かず、もうどうしようもなくなった最後の最後に、手から離れたロープがヒントを指し示す――実に不思議です。
第3章 (69ページ) から一部抜粋します:


ドングリの木の周辺に目をやると、そこは生命があふれ、すべてが循環しているのだと気づきました。ハマキムシのような害虫は見当たらないが、バッタやアリやチョウなどの無数の生物それぞれが命をつなぐために互いに密に活動している。何一つ無意味なもの、邪魔なものなどない。ドングリの木もそれだけで生きているのではない。周りの自然の中で生かされている生き物だと気づきました。

そう思ったとき、ああ、人間も本来そうじゃないのかと感じました。人間はそんなことをとっくに忘れてしまっている。自分一人で生きていると勘違いしている。だから自分が栽培している作物も、農薬を撒くとどんなに自然の調和環境から逸脱して本来の姿から変質していくのか、少しも理解しないで突き進んできたのではないかと思いました。…


これを読んだとき「第6章  すべて観察からはじまる」で語られていること、いや、全体を通して語られていることの原点がここなのだと思いました。木村秋則さんは真の自然科学者であり、SDGs の真の実践者だと思います。持続可能な未来のために何をすべきかを理解している真の実践者です。

縄文時代から弥生時代への移行は、自然からの恵みの採取から農耕に移行したことです。これにより、土地はみんなのものという考えから土地の占有へと変わり争いが始まりました。それが現在まで続いているのだと思います。

SHOGENさんがブンジュ村の村長から教えてもらったのは、やはり、縄文の生き方なのだと思います。

地球にやさしい、身体にもやさしい自然栽培がなかなか広まらないことが不思議です。新しいことを受け入れるのは難しいのかもしれないし、利権が絡んでいるのだとも思います。この『リンゴが教えてくれたこと』には自然栽培についても書かれているので、庭があるのならすぐに実践できます。ベランダでできそうなこともあるので、農地を借りる前に試してみるのもいいと思います。本を読んでいると実践してみたくなるのです。

「木村秋則」で検索すると動画もたくさん出てきます。それで木村さんの語り口調を頭に入れて本を読み、木村さんの温かさを感じてみてください。▢


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