見出し画像

コミュニケーション能力という道路設備

求人広告を作るにあたって企業側に「どんな人材を求めますか?」と問うと、8・9割が「コミュニケーションが取れる人」という回答が挙がる。

そりゃそうだ!
いかに高学歴で頭の回転が良い人でも、他人と仕事をするにあたってコミュニケーションが取れなければお話にならない。

・コミュニケーション能力が問われる理由
・求められるコミュニケーション
・コミュニケーションを培うには

コミュニケーション能力は道路設備

Amazonで欲しい物を注文すると翌日には届くことが多い。
その理由は徹底された倉庫管理を行う物流戦略によるところが大きいが、もう一つの要因は日本の道路インフラの発達も大きい。

道路インフラで言えば、参勤交代が行われていた時代に江戸(東京)から尾張(愛知)まで行くのに何日もかけて歩いて行ったが、今や高速道路を使うと4、5時間で到着する。

コミュニケーション能力もまた、仕事を円滑に進める為の道路インフラだ。

以前私が採用人事をしていた時の話だ。

私:○○さんはC社にいらっしゃったのですね。差し支えなければC社のご退職理由と弊社の志望理由をお伺いしても宜しいでしょうか。

応募者:はい、私は198×年に産まれました。両親の仕事は××で、3人兄弟の長兄です。大学進学を機に上京し、卒業後はA社に入社し〜(省略)C社を退職して現在に至ります。

これは極端な例だが、要は質問の回答になっていないのだ。
簡単に言えば、

Q:C社の退職理由と志望理由
A:経歴の話

恐らく話している内に自身でも質問に対する回答に着地出来なくなってしまったのだと思う。

仕事を円滑に進めるにはインプットした情報を顧客または社内の人へ分かりやすくアウトプットする必要がある。つまり、情報をコミュニケーションという道路に乗せて運ぶ必要があるのだ。
この道路が整備されていないと情報は正確に届かない。Amazonだってオフロードを通っていたら指定の時間に商品を届けられないのだ。

求められるコミュニケーション能力【回答に対する質問】

簡単そうで意外と難しい。
何故答えがずれてしまうかと言うと、先ほども書いたように話している内に回答に着地出来なくなってしまうのだ。

これに対しての対策は簡単で【回答から先に伝えればいい】のだ。

果物は何が好きですか?と聞かれた時に

①「私は甘党で甘いものには目がありません。よく自分でアップルパイを作って食べます。また赤という色も好きでりんごの置物があれば買ってしまうほど、りんごが好きです。」

②「一番好きなのはりんごです。甘い物が好きなのでりんごを使ってアップルパイをよく作ります。また赤い色も好きなので食べるだけではなく、りんごの置物があれば買うこともあります。」

質問に対してすぐに回答を得られる②の方が、質問者からすると聞き心地が良い。ナゾナゾではないので、最後まで自分の好きなものを隠す必要はないのだ。

コミュニケーション能力を培うには

実は私自身もコミュニケーション能力にはとんと自身は無い。
働き始めた時にはニコニコ笑って、知っている限りの相槌を打つのが精一杯だった。
当時の先輩には「話聞いてるようで聞いてないよね?」とよく言われた。

私のコミュニケーション能力が少し向上したきっかけは、とにかく色んな人と話すことだった。

先輩の打ち合わせに同行する

圧倒的に足りない語彙力を先輩の打ち合わせで学ばせて貰った。
例えば、先方との打ち合わせや電話での会話の中で相槌一つとっても同じ相槌をつき続けていたら「本当にわかってるのかな?」「ちゃんと聞いてる?」と思わせてしまう。

特に同行すべきはより上の立場の人について行くことだ。
商談の中に生じる緩急は年次を重ねれば重ねるほど聞き応えがある。

一人で飲みに行く

これはお勧めすべきかどうか迷うところだが、バーに飲みに行くとカウンターの人と仲良くなることがある。

バーには色んな人がいる。
有名企業に勤めているサラリーマン、キャバクラ・風俗のお姉さん、フリーター、エンジニアなどなど。

お酒が入っているとはいえ、ほとんど知らない人と適度な距離感で話せるので飾る必要もなければ、自分をよく見せようとする必要もない。限りなく素に近い状態で、でも社会人としての適切な距離も保てるコミュニケーションが身についたと思う。

ただし、飲み過ぎて酩酊してしまうと元の木阿弥なので注意。

最後に

どんな職種に就こうとも、コミュニケーション能力は絶対に見られる!
しかしそれは暗いとか、明るいとかではなく、人to人のやり取りが出来ているかが重要だ。

これは仕事以外でも重要な要素だと思う。

人と話したり説明するのは苦手だなと思う人でも、貴方のコミュニケーション能力がまだオフロードなだけであり、整備してあげれば今よりももっと生きやすくなるかもしれない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?