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2 仕事でいきなり「想定外」に襲われた時、あなたは・・・

本noteは連載形式です。全部で約100回の予定となります。本連載のリンクは最下部に記載してあります。

2. 皆さんにとっての「想定外」

ただ、「想定外」といっても、何も大げさに捉える必要はない。非常に思慮深く考えた原発関連施設の設計であっても、想定を超えることがあるかもしれない。

そのレベルのことを想定外と呼ぶことが一般的かもしれないが、皆さんにとっての想定外とは、きっともっと身近に起こることだろう。そして、想定もしていなかったことから学びを得て、日々、進化を続けておられる事と思うし、ストレスを感じる事も多々あるのだろう。

例えば、ある日の上司と部下との間のやり取りを考えてみる。あなたは、あるチームの一員で、あなたの上司から「Aに関して進めたいので計画を立ててくれないか」と依頼されたとしよう。その案件については概ねこれまでの議論の中でどういう事かは理解しているものの、上司は忙しく働き回っているため、自分である程度の考えをまとめながら計画を立てる必要がある、とあなたは理解した。

このことは、あなたにとって大変楽しい出来事でもあった。上司が任せてくれたのだから。その反面、初めての事でもあり少し気が引けた。だが、ここは何とか形にしたい。そう意気込んでいた。Aの計画化・・この案件は、誰も今まで本格的に取り組んでこなかった事だけれど、最近のトレンドからして多くの他の実力ある企業が取り組み始めているケースでもある。

一体、どこから、どのように手を付けるべきか。そして、競合他社に先駆けてより良い企画を生み出すにはどうすればよいか・・・

色々と考えた結果、あなたはまず、上司が指示した背景や、上司が持つイメージを先に考えてみる事にした。Aに対して、なぜ今、うちの会社が取り組むのだろうか、どれくらいの規模のものを完成させれば収益が得られそうか、そもそも、上司は私にどこまで期待しているのだろうか。

あなたにとって、会社の全体の事をここまで真剣に自分の事として捉えたのは、殆ど初めてのことだ。色々と考えを進めていくうちに、あなたは、ある重要な事に気が付き始めた。

そもそも、上司からはAを計画化しろ、と言われたけれど、いつまでに完成させるとか、どの程度の予算を考えれば良いかとか、競合他社との関係でどれくらいの優位性を確保したいかとか、最終的に会社として何を求めたいか、そういう基本的な努力の程度について腑に落ちない点が多過ぎたのだ。

色々と考える事があるはずのように思えるのに、実は、何も決まっていないゼロからのスタートだった。計画を立てろと任されたのはよかったが、イメージを基に計画化してみようとしてものの、あなたは、いろいろな障害や問題が見えて来て、前に進めなくなってしまった。

>次回:もう一度、上司に確認したけれど・・・

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