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4 上司と部下、意思疎通が止まるとき

本noteは連載形式です。全部で約100回の予定となります。本連載「想定外を克服する『究極の状況判断力』」のリンクは最下部に記載してあります。

仕事で「想定外」の新規案件に遭遇したあなた。上司から指示されたものの、どれだけ考えても計画化するためのイメージが固まらない。思い切って、もう一度、上司に相談したけれど、「できない」レッテルを貼られかける。もし、あなたに「究極の状況判断力」があれば・・・

4. 上司と部下の意思疎通が止まるとき

あなたは、こう感じていた。「(上司の)Bさんは、どうして怒ってしまったのだろうか。やはり、もう少し自分で考えるべきということなのかな。」そうは言っても、このA案件は、あなたにとって想定外な新規案件だ。しかも、やっぱり自分にとってのチャンスでもある。まだ素直でポジティブな気持ちをキープしていたあなたは、もう一度、考えてみることにした。

まず、自分の取り組み方について反省をしてみる。初めてのことだったので、色々と考え過ぎたのかもしれない。もっとシンプルに考えて、出来るところから着手してみるか。周りには優秀な人材や仲間がいる。本当に迷ったら、みんなに相談すれば良いのだ。

上司が持つイメージを、もう一度考えてみる。A案件に対して、なぜ今、うちの会社は取り組むことを決めたのだろうか。確かに今の会社のプロダクツとの親和性は高い。入社数年の自分には、経営陣の感覚が必ずしも把握できているわけではないから、その程度の感じしか掴めない・・。

・・では、異なるアプローチでいこう。どれくらいの規模で、収益性はどうか。これはマーケティングの同僚に情報を収集することで幾つかのパターンは見出せそうだ。上司のBさんは、どこまで期待しているのだろうか。どのパターンに絞り込めば良さそうだろうか。そもそも、全く新しいことを求めているのか、それとも既存のラインの延長上のものを期待しているのだろうか。

それから、競合他社との関係も考えないといけない。どの程度の会社の体力(予算)を使って、いつまでに完成させるか。あれ?競合のC社との関係で、うちは、どれくらいの優位性を確保すると良いのだろうか。すごく戦略的な話なのかな、これは・・。

A案件に関する計画を立てろと言われたけれど、計画の基本的な要素である時期、領域、自社のステークホルダー、目標、手段などの5W1Hについて、無数の検討事項があるように感じて来てしまった。これは、一から考えていたのでは相当に効率が悪いし、計画を立てる前にもっと決めておかなければならない事がある気がしてきた。

「できない、できないばかり言うな」と上司のBさんに指導されたばかりなのに・・。会社もこの案件には力を入れようとしているのかな・・。でも、やはり大き過ぎて自分の想定を超えた仕事のような気がする。どう頑張ればよいのか・・ポジティブさでは定評のあったあなたも、さすがに下を向き始めた。

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マガジン:想定外を克服する「究極の状況判断力」

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