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7 結果を変える「究極の状況判断力」

本noteは連載形式です。全部で約100回の予定となります。本連載「想定外を克服する『究極の状況判断力』」のリンクは最下部に記載してあります。

あなたもチームも「想定外」な大案件に対応できずに霧の中に入ってしまった。もしあなたが、「究極の状況判断力」を使ったならば、結果は変わっていただろう。ここからは少し難しくなるが、まだ解説していない専門用語も交え、来たるべき変化の様子だけでも感じ取って頂きたい。

7.  もし、あなたが「究極の状況判断」プロセスを開始していたら

想定外の事態が発生した場合、ただ漠然と情報を集めて方々に相談するだけでは、不確実な状況に対して無数のオプションが見えて来てしまい、不安があおられるだけとなる。A案件を任されたあなたは、人一倍の意気込みとやる気とは裏腹に、見事に結果を出せずにいた。そして、上司のBさんも困り果て、官僚的な対応に終始してしまった。

このようなパターンは、会社の不祥事や行政の対応ミス等でよく見るケースだと思う。しかし、そのような状況は氷山の一角であって、実はあなたの身の回りでもっと身近に起きている。誰しもが経験することになる事象なのだ。その理由は至って明確、未来の事は誰にも分からないということだ。

この連載noteでは、「状況判断」といわれるプロセスを解説し、このような不確実で不透明な状況にも最善の対応を繰り返し、最良の計画を立案するまでの道のりを解説していく。もし、あなたが的確な状況判断プロセスを運用できたら、A案件の失敗ストーリは、次のような成功ストーリへと変わっていただろう。

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あなたは、A案件を上司から指示された。上司のBさんのイメージがイマイチ分かりづらかったことから、Bさんによる「インテンションの確立」ができていないと判断した。インテンションは、本来、上司が明確に部下に対して指示すべき内容だが、よっぽどの不透明な情勢の下で急遽、こちらを自分に指示したに違いない。

そこであなたは早速、状況判断プロセスのために不可欠となる、リーダーによる「インテンションの確立」を支援するためのスタッフとしての活動を開始することにした。インテンション(意図)確立のためには、まず「ミッションの確認」だ。うちの会社の設立主旨、会社としてのミッションをもう一度確認する。そして、所属部門のミッションとの関連性を今一度、体系化する。

続いて、「状況の分析・提示」プロセスに入った。自社、ターゲット、所与の環境を列挙した上で、上司のBさんが不透明・不確実な霧の中に立たされている状況を少しでも改善するための情報の整理とインプリケーションを導出した。

そして「インテンションの確立」のための要素を抽出する。会社としての努力の方向性を規定し、その努力が払われる時期と努力の量的な程度を概ね推察して書き表した。その上で、上司のBさんの立場に立って、会社としての「ミッション」を達成することとの関連性を踏まえた、今後の基本的な活動の考え方の素案を作成した。さらに、そのためのスタッフへの作業場の留意事項は何かを熟慮し、これら要素をまとめたペーパーを作成した。

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マガジン:想定外を克服する「究極の状況判断力」

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