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3 もう一度、上司に確認したけれど・・・

本noteは連載形式です。全部で約100回の予定となります。本連載のリンクは最下部に記載してあります。

想定外に遭遇するのは仕方がない。問題はどう立ち向かうかだ。軍隊はそのノウハウを持っている。皆さんにとっての想定外は、日々のビジネスでも起こり得る。さて、大きな仕事を任されたあなたは、どう動くか。

3. もう一度上司に確認してみよう・・・

このままではいけない。そう考えたあたなは、色々と悩んだ結果、やはり上司にもう一度確認するしかないと考えた。上司が一体、どんなイメージをもっているのか。どこまで頑張れば良いのか。自分勝手に考えを進めてみたところで、イメージと異なってひっくり返されるのも時間の無駄だし効率が悪い。

だいたい、何の具体的な指示も無しにこんな大きな案件をやってみろ、というのも乱暴なものだと感じる。それを考えながら進めという指示なのかもしれないが、このA案件はどう考えても会社にとっても重要な案件であり、競合との競争関係にあるからノンビリしていられるものでもない。

今すぐにでも情報を集め、チームを作り、協力関係を構築していかなければならないけれど、何のために、どうやって人を説得して、いつまでに、どういう結果を出せば良いだろうか。あなたは、ふわふわとした状況の中で、ただただ時間がたってしまうことに孤独と不安を感じ始めていた。

「でも、これはチャレンジするに値する課題だ。」と、一念発起したあなたは、上司とのミーティングをアポイントした。一通り、ミーティングで確認すべき事を整理し、計画化に向けて率直に自分の今の感覚を伝えよう。いくら何でも、もう少し具体的な指示が欲しい。

そしてミーティングの時間がやってきた。数日前に上司から指示があったばかりで気が引けたが、あなたは勇気を振り絞って聞いてみた。「もう少し具体的な指示が無ければ、このA案件の計画を立てることが難しいと感じています。計画を立てるにあたっての、Bさんのイメージをもう一度教えていただけないでしょうか。」

あなたから相談を受けた上司は、あなたに対してこう言った。「できない、できないばかり言うのでなく、しっかりと考えてくれ。これは大切な案件なんだ。」と。それを聞いたあなたは、大変困ってしまった。全然、必要な情報が聞き出せなかったからだ。できない、と言っているのではない。分からない部分があるから知りたい、と言っただけなのに・・。

一方、上司であるBさんは、正直なところ当惑していた。やりたいと思うイメージは、前回、しっかりと伝えたはずだ。彼は話を聞いていなかったのか?それとも理解力が足りていないのか。ああ、もっと優秀なスタッフがいたらなあ。これでは、首が回らないよ・・と。

二人のやり取りは、すれ違いに終わった。

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