見出し画像

なぜ取り調べにはカツ丼なのか

取り調べ=カツ丼、のように○○と言ったら▲▲、というパターンは多くありますよね。
でもなぜそうなのか、を説明できることって少なくないですか?
そうなると僕たちにできることは「考える」か「調べる」かの二択になるわけですよ。

こういう日常の些細なことに疑問を持つのって面白いと思うんですよね。
よくわからんなって人は、僕が勝手にネットの友達だと思ってるnoteクリエイターの犬井ワンさんの「なぜなぜ妄想」ってマガジンを見てください。

「だんご三兄弟の一番上は本当に長男なのか」とか確かになってなるでしょ、きっと。

まあでも「だんご三兄弟の一番上は本当に長男なのか」って疑問に正解は中々無いと思うわけですよ。
作詞した人の胸倉つかんで問い詰めるくらいしか方法は無いわけで。
だからこそこうやって考えるのが面白いんだと思いますけど、「なんで取り調べといえばカツ丼なのか?」はルーツがきっとあるはずなんですよね。

じゃあ調べよう、と思った時、多分みんなまずネットで調べると思うんですよ。
でもネットの情報を鵜呑みにするな、とも僕たちは耳にタコができるほど言われてきたので、ネットで出てくる情報にも疑心暗鬼になってしまう。

そんな時、頼りになるのが「レファレンス協同データベース」通称「レファ協」です。
レファレンスって言葉自体は「参照」とか「参考文献」みたいな意味なんですが、ここで言うレファレンスは図書館でのレファレンスサービスのことを指します。
簡単に言うと、何か調べものをしたいと思った時に図書館でそのお手伝いをしますよ~というサービスのこと。
レファ協は国立国会図書館が運用しているデータベースで、全国の図書館であった様々な相談事例を集めた、いわば「公共のYahoo!知恵袋」みたいなもんです。
こんなこと言ったら怒られるかな。

とりあえず試しにレファ協でカツ丼と検索してみましょう。
今どきスマホサイトに対応してない無骨なページがたまらないですね。

…ビンゴ。福井県立図書館で同じような疑問を持った人がいたようです。

めちゃくちゃ真剣に「なぜ取り調べ=カツ丼のイメージが定着したのか」について書かれた文献の紹介と内容が書いてありますね。

かいつまんで書くと

・1955年公開の映画「警察日記」で初めてその描写が出てきて、警察官の温情を表現するのに使われた
・その後60年代になると、現実でもカツ丼をふるまったかのような逸話が広まった。(実際にはふるまっていないという話もある)
・ドリフターズのコント等でもカツ丼をふるまう表現が使われ、世間にイメージとして定着した物と思われる。
・警察庁の「平成20年度の警察捜査における取調べ適正化指針」で事実上禁止と明文化された。これは裏を返せば、そういう事実があったことを物語っている。
※はっきりと「食事を提供してはいけない」ということが書いてあるわけでは無く、便宜を供与すること(また、供与することを約束すること)を禁止することが書かれている

…ということらしい。
あくまでも図書館のサービスなので、様々な文献に書かれたことを紹介してくれているようですが、元の文献が明示されているので信頼度はネットの情報よりも信頼できそうです。
(そもそもその文献が信頼できるか、という点に関してはこちら側の判断力が重要なんですけどね)

いやーさすがレファ協。探せばあるもんだ。

レファ協がやってるTwitterは、こういう回答したものがひたすら流れてくるのでフォローしておくと無駄な知識を身につけられて面白いですよ。


さて、せっかくだから「だんご三兄弟」も検索してみるか…。

問:「団子」について、一串に4個刺さっている理由、現在は3個刺さっている物が多い理由などの記述がある資料を探している。

…疑問に思ったことなかったけど、確かに気になるなこれ。
「だんご三兄弟はなぜ三兄弟なのか」っていう新しい疑問を解消できるかもしれない。

回答には中山圭子著「事典和菓子の世界」より引用があった。
内容をかいつまんで書くと、

・だんご三兄弟が大ヒットし、現実の団子も売れに売れた。人気に便乗しようと、4個刺しだった団子を3個に変えた店もあったという(噂レベル?)
・京都は5個、東京は4個の串団子が多い。
・かつて江戸でも5個を一本刺しにし、一個一文(銭)=五文で売っていたが、昭和~安永頃、江戸で四文銭が流通するようになり、勘定をしやすくするため一串四文とし、個数を減らしたと言われている

…この理屈で行くと、
だんご三兄弟⇒団子が3つになった
の順番になってしまうよね。
じゃあなんでだんご三兄弟は三兄弟として生まれたんだ…!!!

もしかしたらだんご三兄弟には、生き別れになった長女とかもいたのかもしれないですよ。

次は「だんご三兄弟は本当に三兄弟なのか」を考えてみようと思います。

皆さんも気になることがあれば、知恵袋やWikipediaに合わせて、レファ協を活用してみてはいかがでしょうか。


この記事が参加している募集

サポートいただいたらもう嬉しすぎますが、サポートよりも良いなと思った記事があればシェアしてもらえると嬉しいです😂