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「今日が1番若いんですよ」

僕は今年30になる。

この年になると、友達同士の会話の節々に出てくるのが
年をとった、という話。

30なんてまだまだ若いと言われるが、
それでも身体は若い頃のままじゃない。

疲れが取れづらかったり、夜遊びもできなかったり(まあそもそも今は夜出歩けないんだけど)
ふとした時に身体に老いを感じる。

一年があっという間、というのも年々早くなってる気がする。
この話題は僕達世代ではテッパンで、みんな「わかるー」と口にする。
それを見ているさらに若い子たちの目は冷ややかだ。


行きつけの美容院も、気づけばもう10年くらいの付き合いになった。
今僕の髪を切ってくれているスタイリストさんは、彼女が入社した時からお世話になっていて、最初は僕のシャンプーをしてくれたり、僕に商品の営業をしたりしていた。

とにかく明るくて陽気な女性で、彼女がスタイリストへ昇格したタイミングでカットの担当も彼女にお願いした。
大体の方向性だけ最初に話して、あとはいつもお任せ。
最初は明確なゴールが無いオーダーに緊張気味だった彼女も、最近では慣れたもので迷わずハサミを動かしている。

10年も経てば生活圏も変わるわけで、
今は車で高速に乗って1時間かかるところに住んでいるけど、それでも店を変える気にはならない。
髪を切りに行くというより、友達に会いに行く感覚だ。
コロナ禍で行く頻度は落ちたけど…。


昨日美容院に行った時、年齢の話になった。
スタイリストさんは僕とほぼ同世代なので、性懲りもなく「もう3月になるとか早すぎ!」という類の話をしていた。

こうやってどんどん年を取ってくんだなーとボヤくと、
彼女の口から出た言葉がタイトルの言葉。

今日が1番若いんですよ

厳密にはその後

だから私は今日を楽しく思い切り楽しみます。
後悔したくないんで。

というセリフで結ばれたその言葉。
彼女は普段からそう思ってるんだろうな、と思わせる自然な言葉を聞いて、なんだか綺麗な言葉だなと思った。

毎日死に向かっている
と本来は同義の言葉だと思うけど、
今日が1番若い
と言い換えるととても前向きになれる。

もしかしたらこの世にはありふれた言葉なのかもしれないけれど、僕の人生ではあまり聞かなかった言葉だった。

何をしても、何もしなくてもゆっくりと死に向かっていくのなら、1番若い今この瞬間を後悔しないように生きたいな、なんてことを思った1日でした。


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