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やりたいことを、やりたいから、やる

僕は学生時代、ろくな就活もせず毎日パフォーマンスの練習をしたり、コントのネタを書いたり、MCの依頼をもらって準備したりといった生活を送っていた。
企業説明会(合同説明会)などにも行ったことがないし、大学がやっていたキャリア支援(?)のような講義等も一度も出席していない。
学業方面では「比較法学」という法学の中でもニッチな学問にのめり込み、これもまた通常の就活ではほとんど活用できない学問だったと思う。
研究に取り組む姿勢とか、論理的な思考とか、そういう人間力みたいなものは結果として培われたのは間違いない。
ただ、僕が卒論で書いた”ES細胞の特許性の問題に触れたEUの司法裁判所判決を元に、日本での今後の在り方を考える”みたいな話が就活で活かされるとは思えないし、卒業して8年位経つが僕がこの話を他の人にする機会は無かった。

社会人になり、僕はいわゆるサラリーマンになった。

周りの友人や大人からは「なぜ?」と聞かれることが多かった。
学生時代の僕のイメージと、今の僕の仕事のイメージがあまりにかけ離れていたからだと思う。
なんなら僕自身、昔から「なりたくない」と思っている職種だった。

ではなぜ僕が今の仕事に就いたかというと、当時僕がやっている活動を全く理解できなかった親父が、「やりたいことやるならまず結果を出してから言え」と言ったからだ。
親父からすれば、難関なところをふっかけて、落ちてしまえば結果が出せていないから動くだろうという魂胆だったと思う。
負けず嫌いの僕は「じゃあ結果出してやるよ」と言い、組織の研究をし、そこに自分が入ればこんなことができる、というプレゼン資料を作っていった。
トントン拍子に選考は進み採用決定。
不思議なもので、採用決定通知が届いて初めて自分の人生を真剣に考えた気がする。

自分がなぜパフォーマンスをやってるのか?
自分が何かをして人が笑顔になるのが嬉しいから。
それは生きていくためにすること(=仕事)なのか?
休日にもできることかもしれない
20年後、30年後自分が家庭を持ち子どもが出来た時にも同じクオリティを保ちできることか?やりたいことか?
・・・

あれだけ嫌いだと思っていた”安定”は、自分のやりたいことを妨げるものでは無いことだと思った。
そしてかなり好き勝手言った自分を評価し、採用を決めた組織なら面白く仕事ができるかもしれない。
今自分が好きなことをやれているのは、周りの大人の助けがあったからだ。チャンスをくれる大人たちがいたからだ。
だったら今度は、自分がチャンスを創る側になるのもありかもしれない。

気づけば僕はサラリーマンになっていた。


仕事を選ぶということは人生を選ぶということ
なんて言葉をたまに耳にする。

たしかに社会人になってしまえば、人生のほとんどは睡眠時間と仕事の時間。
だからこそやりたいことを仕事にするんだ、という人もいるだろう。
実際にその道に進んで、やりたいことで生きている人は尊敬するしかっこいいと思う。

ただ、自分にとってやりたいことが、他の誰かにとってもやりたいこととは限らない。
だから自分の価値観だけで他人の仕事をどうこう言うことはできない。

僕にとってやりたいことは、休日でもできることだった。
むしろ、それで生きていくと決めていたら嫌いになってしまっていたかもしれない。
皮肉なもので、やりたいことをやろうとするとお金がかかるものだ。

さらに言えば、僕は結婚し家庭を持った。
家庭を持つとともに、やりたいことも増えた。
妻とどこかへ出かけたり、たまには贅沢もしてみたり。
安定した仕事は僕が僕らしく生きていくための礎になっている。


・・・


お金をもらって仕事をする以上、仕事に対する責任はきちんと持つべきだと思っています。
その中で自分なりのやり甲斐をみつけ、工夫して仕事に当たったほうが楽しいし、効率も上がります。

ただ、仕事=生きがいである必要はないんじゃないですかね。

僕が結婚してやりたいことが増えたように、今後も多分何か新しいやりたいことや生きがいが生まれてくると思うんですよ。
それが年を重ねていくってことなんじゃないかとすら思うわけです。

だから僕はプライベートを大事にします。
それは仕事を適当にこなすということではなくて、むしろ逆。
プライベートを充実させるために、自分の能力をフルに使って仕事には取り組みたいですね。

仕事が100%やりたいことではないけど、やりたいことをやるために僕は働く。

これが #私らしいはたらき方  。

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