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VivaOlaという天才を知っているか

皆さんこんにちは。作曲家で音楽プロデューサーの齊藤耕太郎です。

アルバム「VOYAGER」から、本日7月22日(水)、僕らにとって新たな翼を与えてくれる新作をシングルリリースしました!

Evergreen feat. VivaOla


この作品、リリースと同時にいろんなプレイリストで注目していただき、好発進を遂げました!

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僕らはこの作品によって、僕ら2人が聴いた瞬間から心から惚れ込む、神がかった才能に出会うことができました。日韓米を行き来して活躍する新世代R&Bシンガー、VivaOla(ビバオラ)くんです。

もしまだ、彼の名を知らない方がいたら。とりあえず先月リリースされたこのEPを聴いてみて欲しい。僕は、久しぶりに、その歌声に一目惚れしました。一瞬でファンになりました。今回はこの作品ができあがった経緯や、僕ら3人の関係性について、書き進めていこうと思います。


キッカケは、同じレーベル、同じリリース日の曲。

5月20日(水)、僕らはアルバムの2曲目になる「Mother Spaceship」をリリースしました。リンクはこちらに。

この曲は、アルバム同様ヒップランドミュージックが手がけるデジタル配信サービスFRIENDSHIP.からリリースされています。そのリリース日に、彼の作品「Runway」がリリースされ、それを耳にした僕は一発でこの「Evergreen」を歌ってもらいたいと考えました。

え。何この人。すごく好き。


肇さんも全く同じ意見で、すぐに担当者の方に、ご紹介いただけないか、と相談をしました。VivaOlaくんにはこの曲とは別にもう一曲別の作品も提案していたのですが、ピンポイントで「Evergreenを歌ってみたい」と回答いただき、当時韓国に滞在していた彼とのリモートセッションが始まりました。


国境を超えたリモートワーク

英語中心の歌詞で、2番が日本語で歌われている「Runway」。この曲と名前を聴いただけでは、彼が何者なのか、全くわかりませんでした。けれど、間違いなく「Evergreen」を歌ってもらいたいのは、彼だ。そう思っていたので、歌ってもらえることが決まった時はとても嬉しかったです。

FRIENDSHIP.の担当者の方が普段日本語で会話している、と言っていたので、メアドを聞き、僕から彼に自己紹介と歌唱用のデータを送りました。その日のうちに丁寧な返事をもらえ、「気持ちの良い方だな」と思ったのがメール上の第一印象でした。

後から彼に直接聞いた話ですが、この時彼は韓国に滞在しており、たまたまその日、別の楽曲の歌入れを行うために制作環境をセッティングしていたそうです。韓国の作業環境ではそれが大変だそうで、僕らが相談するタイミングが1日でもずれていたら、もしかしたら断られてしまっていたかもしれないそうです。縁だなぁ。


早朝、肇さんに電話で起こされる

確か6月の頭だったと思いますが、そんなこんなで彼の歌入れは偶然が重なり、別作品の作業環境そのままに一瞬で行われ、すぐにデータが送られてきました。送ってもらったのが確か夜で、僕はその日は別の曲のミックスで疲れ果てていたせいで、早めに寝てしまいました。翌朝、肇さんが鼻息荒目に

耕太郎くん、やばいから。
早く聴いて。やばいから。時空変わったから。
Reasonだ。

と電話があり、要するに叩き起こされました(笑)肇さんは何か大きく価値観を揺るがされた時に、「時空が変わった」と言います。

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肇さんがご自身の好きな形にボーカルテイクを加工していたので、それを送ってもらい、聴いてみたところ、笑いしか起きなかった。最高すぎた。音源を聴いていただいたまんまの印象。直すとこない。


一番驚いたこと

僕はVivaOlaくんの年齢、というか国籍やバックボーンも一切知らず、ただきっと僕よりはるかに若いんだろうな、というイメージしかなかったのですが、一番驚いたのはこの楽曲の世界観に共鳴してくれたことです。

この曲、一聴すると彼の声の力で非常にフレッシュなサウンドに変化しましたが、元々のバックトラック(歌なしの伴奏)はかなり渋めの大人ボッサ・エレクトロです。アルバム曲の中でも一番大人っぽく、ストリートさ全開の他の曲と並べると、かなり落ち着いた秋の曲、という印象でした。

そして何より、この曲の歌詞。日本語訳を載せます。

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Evergreen
作詞:Kurt Jessen

季節が展開する
常に巡り続けて

暗闇は日の光へ
日の光は暗闇へ
変わり続ける、永遠に

朝焼けと共に呼吸し
日暮れと共に息を凝らす
魂の成長

愛を探している
この不思議な世界で

初めて訪れる場所
不思議と懐かしい
この感じを知ってる

私が選ぶ運命
それともただの幻想か
定めか自由か

まるで海がうねるように時間は過ぎていく
人々の心は波のように上下に揺れる
人生でひとつだけ確かなことは
愛することはいつだって自由ということ

起こる変化は痛みをもたらすわけじゃない
でも愛は調和と共にさらに強くなる
もう一度人生の旅の中で 私の魂はいつまでもevergreen

季節は展開する
常に巡り続けて

すべての人がそうでないと思うのですが、きっと僕より遥かに若いであろう人に、この歌詞の世界観、このサウンドの世界観が共鳴したこと、僕にとってとても大きな発見でした。

この歌詞は、僕らがアルバムの最後に、アルバムの世界を旅した上で書き残したいと感じたことをコンセプトワードにまとめ、Kurtさんに作詞していただいたものです。コロナの真っ只中、緊急事態宣言がまだ明けていない頃の僕らが、世界に対して発していきたい現実と希望。心象風景。願う未来。その全てが、「Evergreen = 不変」という言葉で表現できました。


確かこの頃は、世の中は誹謗中傷による悲しいニュース、BLMによる世界的な暴動騒動が巻き起こっていた時期でした。はっきり言って普通の状態ではなかったし、僕自身もかなり、世の中で日々起こることに神経をすり減らしていました。見たくなくても、日々曖昧で不確かな情報が脳の奥まで突き刺さろうと進んでくるような感覚でした。

そんな最中に、顔も本名も知らないVivaOlaくんが、僕らがアルバム全体で伝えたかったコンセプトの塊とも言える「Evergreen」に賛同してくれたこと、そしてそれを一切の文句のつけようもない天才的なボーカル表現で呼応してくれたこと、心が救われました。その頃は何の情報もなかったから尚更、僕らの想いは見知らぬ誰かに伝わる。そう強く思えました。

彼のボーカルが乗ったことで、図らずも非常に朝の空気に満ち、夏に向かっていく爽やかでグルーヴ豊かな楽曲に仕上がりました。


実際に会って感じた、VivaOlaくんの人柄

僕らが顔を合わせたのは、アルバム完成後、今月に入ってからでした。最初は、プロモーションの打ち合わせでヒップランドミュージックを訪れた時でした。僕らの打ち合わせの前のターンが、偶然にも彼で、会議室に入るなり、マスクをしていてもお互い、あ。あの人だとわかりました。

彼はSNSから感じるクールな印象とは違い、実際はとても気さくで朗らかな第一印象でした。それでいて、若いからと言って一切僕らに(変な意味で)謙遜することもなく、できることはできる、とちゃんと目で訴えてくる強さを感じました。初対面だけれど、何と頼もしい人だと僕は思った。


それから数日して、Evergreenをリリースする前に是非一度しっかり会って話したいなと思い、彼がギターを探していると話していたので肇さんのご自宅スタジオに彼を招いて3人でセッションを行う約束をしました。

なぜか当日、話に夢中すぎて写真を一切撮らなかったのですが、奇跡的に肇さんが僕が作った料理を1品だけ撮っていたのでそれを。

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その日僕らは、VivaOlaくんに僕らが音楽を楽しんでいる日常を知ってもらおうと思ったので、まずは前哨戦としてそれはそれはたらふく、僕の料理を食べてもらいました(笑)

彼は日米韓3箇所に拠点があるそうで、日本に帰ってきてからあまり日本らしいものを食べていなかったため、「日本を感じられるご飯を食べたいです!」とのオーダー。すぐにいつものスーパーで間違いない食材をガッツリ買い込み、

伊勢から送ってもらっていた真鯛の刺身
カツオの叩きと和風香味野菜の和物
マッシュルームとねぎ、胡麻和えのサラダ
ハマグリの日本酒バター蒸し
からの皮ごと食べる桃
そしてハマグリ蒸しの残り汁と昆布だしでキメる煮麺!
(満腹で辿り着けなかった)鯛飯を昆布茶、うなぎを添えたお茶漬け

を、獺祭と共に、存分に味ってもらいました。


彼は、それはそれはもう、エンジンに火がついたように楽しんでくれていました。僕らにとって、(コロナも配慮した上で)料理をして皆で「同じ釜の飯を食う」=「おなかま」=「お仲間」になることは音楽を一緒に奏でる前に必ずしたいこと。そこで彼の人となりもすごく見え、VivaOlaさんと会った当初は呼んでいたのも、帰る頃にはすっかり「ビバちゃん」に。

彼はとてもフレンドリーで、僕らの意図も汲んでくれる柔軟な性格の持ち主でした。変に斜に構えることもなく、それでいて音楽となるとアーティスト魂を炸裂させながら、極めて真面目に、本気で、音楽を楽しみにかかってくる。22歳という年齢を聞いてもいまだに信じられないし、半ば信じたくない、人間としての完成度を持つ超ナイスガイです。


その才能から学ぶこと

僕が断言します。

彼は売れて当然だし、今注目されている度合いなんて、
彼の実力、ポテンシャルの20%も見せていない状態だけ見て
注目されていると感じます。底無しとはまさにこのこと。

たった半日、音を出し合っただけで、僕は彼の音楽力に完全に心を奪われました。彼と出会えたことを本当に嬉しく思うし、その才能は今後の僕の音楽にも強く影響を与えてくれると自信を持って言えます。


彼は歌だけでなく、ギターもソングライティングもすごい。

歌で惚れましたが、彼はギターにも圧巻の才能を持っています。とにかくリズムが半端ないし、作曲含めプロデューサーとして楽曲の魅力を引き出す視点でも僕のことを唸らせてくれました。

僕はこれまでの人生で何度か、音楽好きとして脳天を砕かれる感覚を味ったことがありました。ステージを見て、悔しくて泣いたこともありました。今回、彼が僕にくれた衝撃はその時の感覚そのもので、泣きはしませんでしたが(笑)彼が帰った後に肇さんに、「俺、音楽家としての在り方、ちょっと色々真剣に考え直します。」って言ったのは、実は彼には話してない。


僕は彼に出会えたことで、
自分がいかに音楽が好きかを再確認できました。
それは、音楽以外の部分にも滲み出るものでした。


肇さんも、そしてVivaOlaくんも、音楽に身を捧げる姿勢を強く持った人たちです。自分もその姿勢を強くもって音楽をやっているんだなと思わせてもらえたことに、今は自信を持てます。才能だけじゃ、この領域には辿り着けない。真摯さ。真面目さ。そして何より、愛情の部分でそう思いました。

VivaOlaくんは、アーティストとして、プロデューサーとして両方の才能を持つとんでもない逸材です。その才能から僕が学ぶ、プロデュース論は本当に沢山あります。彼はきっと語りたがらないだろうけれど、僕は全方位リスペクトしています。

僕はもっと総合的に、
音楽が生まれ、世に出すところまでを考え抜き
行動しながらアーティスト活動するのが自分らしい。

その強みに、もっとエッジを立たせていこう。そう思えました。その活動の中に、彼というとんでもない視点が加わってくれたと思うと、自分たちの未来が楽しみで仕方ありません。


僕はまだまだ道途中の身ですが、早々に一番自分がされて嫌な「年上ヅラ」を放棄できること、何だかホッとしています。彼を筆頭に、僕の周りのZ世代、凄すぎるから。僕は彼らに価値観をアップデートしてもらいながら、僕らしい表現や創作、メッセージを発信し続けていきたいと思います。


僕らをつないでくれた、FRIENDSHIP.

改めて、僕らが出会うきっかけになったFRIENDSHIP.への敬意と感謝をここに表します。僕は人の縁で生きている人間だと、表現活動だけでなく日々の生活で強く思います。ここでも、人の縁でまた人生が豊かになりました。

我こそは!と思う方がいたら是非、自分の作品を応募してみてください。詳細についてはこちらの記事をご覧ください。


さて。

そんな天才ビバちゃんことVivaOlaくんが参加してくれたアルバム、VOYAGERリリースまで後2週間を切りました。この2週間、色々と情報を先出ししていこうと思いますので、皆さんどうかお楽しみに!


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leift / KOTARO SAITO
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