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幸せを、DIYしよう。アルバム『STELLAR』

皆さんこんにちは。トラックメイカー・作曲家で音楽プロデューサーの齊藤耕太郎です。普段はオリジナル楽曲のリリースをしながら、CMを中心にクライアント向けの音楽をプロデュースしています。

5月28日、
僕にとって4枚目のフルアルバム
『STELLAR』がリリースされます。

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自分発信のアルバム紹介については、この1記事に全ての想いを込めます。このnoteが、唯一の公式セルフライナーノーツです。どうか、最後まで読んでいただけたら嬉しいです。


制作に至った背景

長期化するコロナ禍。
これは間違いなく、社会全体に窮屈なバイブレーションを放っている。

ステイホーム疲れ
SNSやニュースに飛び交うマイナスなワードの数々

どれもきっと、皆言いたいことはいくらでもある。世の中の仕組みへの不満、Twitterやってたら日々本当に沢山見る。ネット上の誹謗中傷への持論、皆それぞれ問題意識って持っていると思う。

でも、多くの場合、
「どうせ自分の力じゃ変えられない」と、
やるせなさや無力さを感じているって僕は思う。
僕だって、そう思っていること、悔しいけど結構、沢山ある。


でもだからこそ、この時代にどう僕たちが幸せになればいいのか、
考えるための時間が本当にたくさん産まれました。


「幸せは、DIYできる」

僕がこのアルバムに込めたことは、この一言が全てです。

コロナになって改めて感じたのは、幸せの価値判断基準が大きく変化したことです。「風の時代」という言葉が去年の暮れにとても話題になりましたね。前の時代の幸せの在り方は、お金や権力など「人から与えられた価値観の中にあるもの」がマジョリティを占めていたように、僕は感じます。


それが今、確かに変わりつつある。
幸せの基準は個々人の価値観の中にあり、
それは社会、周囲、他人の価値観で評価されることからの
大いなる解放を意味する。


他人の評価ではなく、
自分自身の内側から溢れる感情や心を大切にして生きたいという想い。

2021年という年が幕明けた時、確かな「流れ」を僕は感じました。精神的にしんどい時間が続く中でしたが、僕はとても、その幕開けに心を躍らせていました。

そして迎えた、婚約、そして結婚。
僕ら2人が掲げたのは、「コラボ婚」「2人の掛け算による、"領土拡大"」。

婚約の時点で発表して、結婚のタイミングに、プロポーズとして作った楽曲『Oval (Piano Solo ver.)』をリリースしました。

自分たちが決めたやり方で、自分たちが目指す理想郷を目指す。他人の評価より、自分たちが心地よく生きられる方を選択しよう。そんな想いが強く固まったのは、とっても逆説的ですが、コロナ禍を経験したからでした。本当に大切なものだけが、自分の手元に確かに在る。

そんな尊さを感じられたこと、僕はこの時代に感謝したい。

幸せは、DIYできる。

これからの人生、僕はこの言葉を胸に生きることにします。


EASY TO GO

「幸せになるのは、そんなに難しいことじゃない」

自分で考えて、自分で出した答えって、それが世間の価値観とずれていたとしても、とってもカッコよく、何にも替えられないと僕は強く思う。

でも、普通そんなこと言われても、怖いものは怖い。
自分の価値観で生きていくのって、勇気がいる。
社会という大きな歯車から、自分の生き方を見つけるのは
容易じゃないって思うかもしれない。


だから。音楽って存在すると思うんですよね。


音楽は、その場に流れているだけで、落ち込んでいた気持ちを不思議と明るくすることができる。深い悲しみに寄り添って、涙がこぼれ落ち、浄化をより作用させることができる。音のシャワーを浴びるだけで、心と体が、なぜかとても軽くなる。

僕がアルバム『STELLAR』で目指したのは、そんなパワーを皆さんに届けることです。僕自身が、一番のリスナーとして幸せを見つけ、DIYにトライし続けた象徴でもあるこのアルバムが、誰かの時間に同じように寄り添い、お供にしてもらえたら本当に嬉しいです。


ところで、
この章のタイトルがなぜ「EASY TO GO」なのか。
気づいた方、いますか?
しばらくスクロールを止めて、
考えてみてください。






分からなかった方。
もう一度、Spotifyのトラックリストを見てください。

名称未設定のデザイン

Echo
Awake
Stellar
Yves
Tranquil
Oyster
Gem
Oval

僕がアルバム『STELLAR』で伝えたいメッセージは、全てを聴いてもらって初めて感じてもらえるんです。「行くのは簡単」つまり、

「幸せになるのは、そんなに難しいことじゃない」

ってことなんです。


アルバムを作り始めて、一番最初に完成したのは、
それぞれの楽曲のタイトルでした。
伝えたいことを先に決めて、楽曲を作り始めました。


インストゥルメンタルアルバムである理由

僕はこのアルバムを「空気」だと思っています。

極力、僕の音楽を聴くことが主目的にならないよう、「耳に障らない」「でも、音だけで聴いても過去最高の出来」を目指しました。

全曲インストにしたのは、歌詞という存在が今、僕が皆さんに届けたい「空気」としての音楽に不要、むしろ邪魔だったからです。歌詞がなければ、各楽曲が皆さんにプラスに作用するとき、「これは〇〇がテーマの曲だから」など、余計なことを考えてもらわずに済む。

事実、

極端な話、各楽曲のタイトルに、意味はあんまりない。

(強いていうなら、『Oval』くらいかな。明確な意味があるのって。)


アルバムのテーマを決めて、タイトルをつけて、あとはそのタイトルから感覚的に連想したサウンドを作り進めていっただけなんです。5曲め『Tranquil』が雨上がりの夕空というシーンを描いた曲なのは、この曲ができた時の空が、そんな空だったからです。

音楽の作り方を決めて走り出したわけではなく、
タイトルと概念が先に決まってから、
音楽はその名前に導かれて産まれたんです。


話を元に戻します。

歌詞もなければ、1曲で感じてもらいたい僕からの想いも、実は明確ではないんです。『Echo』も『Stellar』も、そんな名前のついた空気だって思っていてもらえたら正解だし、本望です。皆さんが幸せをDIYしていく最中に、僕のアルバム『STELLAR』が皆さんなりの解釈で活かされていけば、それが僕にとっての「幸せのDIY」なんです。


『STELLAR』= 自ら光り輝く「恒星」 = あなた

このアルバムの主役は音楽ではありません。

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アートワークに描かれている、8個の円。この8個はお察しの通り、今回の収録曲を表しています。でも、どの色にどの曲を当てはめるかは、皆さん自身で決めて欲しいんです。どの曲がどの色か、答えは正直、僕にもない。

プレスリリースには「チル」アルバムだと書いています。
でも、それはあくまでリスナーとしての
僕自身の主観でしかないんです。


このアルバムに関しては、何度も言うけどただの「空気」。
空気を吸って輝くのは、聴いてくれる、あなたです。


あなたが輝いてくれるのならば、僕はその印象がチルだろうとフォーカスだろうとモチベートだろうと、なんだって良いんです。最初に書いた通り、他人の評価で自分の感じた気持ちを捻じ曲げないでください。自由でいいし、全てが正解です。だから、歌詞や歌をつけるのをやめたんです。

このアルバムのタイトルとして名付けた「STELLAR」は、日本語にすると「恒星」を意味します。太陽系でいう太陽で、自ら光り輝くことができる天体のこと。僕がこのアルバムで定義した数少ないメッセージ。


主役は、あなた。
あなたを中心に、僕の音楽は惑星のように、
あなたの周りを漂います。


言葉にできて、気がついたこと

僕は今、このnoteを『STELLAR』がリリースされる1時間前に書いています。思えば作り始めて半年以上。このアルバムを作ろうと思った意味を、何度も反芻しながら、今に至ってる。

音楽を自分でプロデュースして、マスタリング(仕上げの最終行程)以外の作業の全てを自分で仕上げて。更には今回、アートワークの写真も自分で撮影して、グラフィックデザインの方針、実はオリジナルで開発した専用のフォントの世界観に至るまでも僕自身がディレクションして。

あまりにも自分の濃度が強い分、
想い入れも、過去曲でリリース前に
聴いた時間も一番長いこのアルバムに、
冷静な判断がずっとできずにいました。


でもやっと、これを書いて、全てが腑に落ちました。僕自身が、他人の評価や、世間の評判で音楽を作らなかったことの意味を。そして、どんなスタンスで、このアルバムと共に世の中に対峙すべきなのかも。


話は逸れますが、つい先日、クライアントがいる仕事の一つで、
とっても不誠実かつ、僕の正義に反するような出来事がありました。
僕は初めて、仕事を途中降板しました。

自分自身を何度も省みた。
非があるのは自分なんじゃないかって。
この仕事を途中降板なんてしたら、
もうその会社と取引できないんじゃないか。
いろんなことを考え、自責の念、恐怖と戦いました。


でも、結果的に、その経験を経て、僕は強くなれました。
今までの強迫観念を、大きく振り払うことができました。

それと同時に、どんな事情が含まれていても、自分が胸を張って「これは僕が作った」と言える音楽以外、世の中に作って出しはしない。それを曲げるような仕事は、自らのリリース作品は勿論、クライアントがいる仕事でも絶対にやらない。その覚悟が決まりました。


いつだって、「EASY TO GO」なんです。
究極の決断をするときに、自分を大切にできさえすれば。

アルバム『STELLAR』を取り巻いて、公私共に色んなことがありました。

今、心は晴れやかです。僕を支えてくれている最愛の家族たち、ここに至るまで支えてくれた友人、音楽仲間、関係者の方々。そして僕のことを信じて待っていてくれるファンの皆さん。そんな方々の存在を浮かべる度、僕はどれだけ恵まれているか、感謝の気持ちが溢れます。


この気持ち。
このnoteに書いた言葉たちを胸に、『STELLAR』の旅立ちを見守ります。いってらっしゃい。必ず、僕だけでない沢山の誰かの「幸せのDIY」に寄り添い切ってください。

最後まで読んでくれて、本当にありがとう。


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2021.5.27 23:30
KOTARO SAITO / 齊藤 耕太郎




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