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アイラヴミー:でも生きている - Remix裏話

皆さんこんにちは。作曲家で音楽プロデューサーの齊藤耕太郎です。

アルバム「VOYAGER」をリリースする2ヶ月ほど前のこと。いつもプレイリストに入れていただいている音楽コンシェルジュ・ふくりゅうさんのご縁で知り合ったアイラヴミーの皆さんの楽曲「でも生きている」をリミックスしました!

その他の配信サイトはこちら。

原曲が4分弱の楽曲に対して、僕は大胆に曲のパートごとカットさせてもらい、2分40秒にギュギュっと要素を凝縮してみました。その辺りも含め、色々とこの曲で使っているテクニックなども紹介します。


リミックスご依頼時のテーマ

ちなみに原曲はこちら。

原曲のパンクポップな印象を、
よりアッパーなダンス・エレクトロ仕様にしたい。

という相談をいただいたのが4月の中旬ごろでした。ちょうどアルバムを作り始めた頃かな。アルバムを作りながら、時折この曲を聴いていて、さてどう仕上げようかなと思っていた自粛期間を思い出します。懐かしい。それ以外のテーマは僕に任せてもらっていたので、かなり自由に作るつもりで構成を考えていました。


作業開始はGW明け

僕は総じて自分の楽曲もですが、作業自体は1日弱、長くても2日ほどしか行いません。何を作るか、自分の中で練りに練って気持ちの弁がマックスに達したところでやり始めます。

この曲も、GWにネットフリックスにかじりついて「愛の不時着」「梨泰院クラス」「Stranger Things」を全話観終えた頃、よしやるぞと5/10頃から作り始めました。全て最高でしたが僕は不時着派。ちなみに、納品要望日は5/15(笑)Kotaro Saitoあるあるです。大体作業はギリギリまでやらない。

まずは歌のパートと原曲のオケパートを全てシーケンス上に並べて、歌あり、なしで何回も聴き返しました。その中で、全体的にこの楽曲で描くべきポイントはなんだろう、という自分なりの答えを見つけます。

①「渋谷の始発電車」からの光景(なぜか銀座線のイメージ)
②何度挫けても、朝が来て、その瞬間だけは希望に満ちた光の景色
③今昔の渋谷が混在している、ゲーセンとスクランブスルクエア感

これでいこう、と決めます。なんでしょうね。僕がこの曲を聴いて、歌詞の「渋谷の始発〜」と言われたときの感情って、なぜかハチ公口じゃなく宮益坂の方だったんですよね。

まさにこんな感じの景色。

僕自身が最近、渋谷といえば「ハチ公、センター街」なイメージから「ヒカリエ」「スクランブルスクエア」「ストリーム」「ビックカメラ」「MIYASHITA PARK」「キャスト」だって思っているからかも。

ネオンギラギラの雑多な街というカオスな一面から、テックとビジネスが入り混じるIT要素が強くなってきた渋谷の街並み。僕も結構な頻度で渋谷にはいて、東急グループをはじめとした商業施設の仕掛けぶりも、それに呼応しつつ独自に進化していく街ゆく人々のバイブレーションも、今とても好き。


制作していたGW明けはそんな渋谷を通ることもほぼなく、ずっと家にいた。それもあって、変わりゆく街並みに手を伸ばしたい、活気ある渋谷の景色をまた観たい。そんなつもりで作っていました。


原曲の一部を、バッサリとカットしよう。

その後、楽曲をどう構成しようかと考え始めました。リミックスをストリーミングベースで聴いてもらうなら、「ちょっと聴き足りない」くらいの尺感にして何度も聴きたくなるサウンドを目指そう。と思いました。

その結果、かなりパートを整理して、しまいには彼らにとってこだわりの部分でもある「渋谷の始発〜」から続く歌のCメロを全カットさせていただきした。僕自身も結構この歌詞の部分、好きなんですけど、この歌詞の空気感はサウンド自体(特にドロップ)でガッツリ表現できると思ったんです。

CM音楽を作っていると、絵に対して音が呼応するとか、絵で語っていることを音ではあえて語らずに別のことを語ってあげるなどの加減乗除が「センス」と呼ばれる部分の大半を占めていることに気付きます。今回の場合、僕はトラックをコンパクトにすることで、歌詞で語っていることをトラックで語ることに翻訳しながら世界観をしっかり伝える方法論を選びました。

ボーカルを含むサウンド全体で、新旧様々な渋谷像を生み出してみよう。こんな発想の元、リミックストラックを作っていきました。


1日め:BPM134をどうダンスに昇華するか

僕はなるべく原曲のテンポを変えたくない(僕が使うPro Toolsではテンポチェンジで音質の劣化が比較的大きいため)ので、今回もグルーヴの柱になるBPMは原曲通り134で進めることにしました。

ただ、ダンスミュージックのテンポとして134は聴感上かなりアップテンポです。速いにしても130が僕的な限界。134だと、4つ打ちにすると「踊る」というより「飛び跳ねる」だな、と。さて・・・どうする?

と最初に思ったので、まず今回こだわったのは「134で速く感じないグルーヴ作り」でした。具体的には、キックの鳴りが命。

先日書いたこの記事でも少し触れましたが、楽曲の実時間としてのスピード(BPM)と、聴感上のスピード感には差があります。普段はBPMをスロウにして、聴感上の印象を段々と速くしていくことで、リスナーの皆さんをアップビートに乗せながら盛り上げていこうと考えて作っています。

その点、今回は元々の楽曲がパンクポップな印象なため、ライブで跳ねてナンボなアレンジ。そのため原曲的に適切なBPM134を、徐々に楽しく盛り上がっていくスピード感に見せてあげる必要がありました。

アタック遅め、リリース長め、ローエンド潤沢なキック

キックの点をタイトにすると、盛り上がり方がタテノリに、拍頭でリズムを取りたくなりがち。なので今回のキックは点をワイドめにとり、かつローエンドをいつもより強調することで「ボフッ」とした印象を多めに出しました。こうすることでキックの存在が拍の頭より裏目に印象に残るようになり、キックを4つ打ちしているだけでも裏ノリに聴こえ、身体を左右に振りたくなるようなグルーヴを作りました。

大体、作業時間が2日だとして、一番最初に時間をかけてキックを作り込んで、その後ハイハットとスネアを置いてしまえば「もらったな」と思える段階まで来ます。キックのローエンドとミッド(今回はローパス気味)、スネアのローミッド、ハイハットのハイ〜ハイエンドの帯域整理と刻み方さえ決めてしまえば、歌とリズムだけですでに聴いていて楽しくなります。僕は、1日目はここで大満足して作業を終えました(笑)


2日め:おもちゃ箱のようなシンセポップに

意気揚々と1日目の作業(と言っても3時間もやってない 笑)を終えて、2日目はガッツリトラックメイクしました。今回僕がテーマに掲げたのは新旧様々な渋谷像のミクスチャーだったから、僕が生まれてから今に至るまでに知りうる、色んな時代の渋谷ポップミュージックを、おもちゃ箱のように詰め込んでみようと思いました。

そこで!僕が中心にセレクトしたシンセはこの3台!

①JUNO-106(80s、現代)& Prophet-5、Jupiter-8

ちょうどネットフリックスで「Stranger Things」に激ハマったことも手伝って、現代的なサウンドの代表格として80sのモンスターシンセ達を起用しました。ピコピコとコケティッシュなJUNO-106のプラック、もはや僕の御家芸と化したProphet-5のコードバッキング(1番Bメロのリフとか)、そしてアルバム「VOYAGER」でも大活躍しているJupiter-8のシンセベースやパッド!この3台を自由自在に組み合わせて作れる、という環境だけでも現代の音楽シーンでは最高に贅沢だと自負します(笑)

リズムと絡み合う、2番ドロップの16分のベースフレーズ

Jupiter-8のシンセベースには本当にどハマりしていて、まさに今まで追い求めていた理想的なミッドのキレがあります。ローエンド部分はProphet-5の丸みが非常に豊かで効果的なので、僕はよくこの2台をミックスしてベースを作ります。今回は特にスピード感をコントロールする上で中心となるローエンドを、後半の体温アップの部分でミッドを立たせて置く必要があるため、ベースの音像作りをリズム隊の次に行いました。

EDM以降、サビに歌メロがない「ドロップ」と呼ばれるセクションに邦楽のシーンでも注目が集まっています。今回の楽曲はとにかく、 #Stayhome でヘッドフォンをしながら爆音で踊ってもらったり、グルーヴでリモートワークを楽しく過ごしてほしいと思っていたため、ラストのドロップセクションに運び込むまでの流れに命をかけました。

Kotaro流シンセベース ステレオ術

ベースを中心に立てるための方法論として、僕がよく使うのは「Waves」がリリースしている「Doubler」というエフェクトです。

↑は僕のDAW画面ではありません。

僕は自分の楽曲のかなりのパートにこれを使います。昔のシンセはかなりの機体がモノラルしかジャックがなく、ステレオで録る理由がなければモノラルの芯の太い音が僕の好み。実はボーカルもですが、生音をモノラルで録り、ダブラーでステレオに広げていくと機械特有の「現代味」が出ます。プリセットのままだと左右どちらかに音が触れすぎる特性があるため、僕は左右のバランスはなるべくフラットにして使っています。

ローエンドを支えるベースはセンター定位でキックに重ねつつ、フィルターサイドチェインでキックの帯域を邪魔しないよう整理しながら、グイグイと低音でグルーヴを引っ張るアシストに使います。ミッドは広がりを持たせた方が気持ちが良いから、思いっきりステレオイメージも拡げます。帯域別に魅力ある楽器をそれぞれの目的に合わせてポジションニングしてあげることが、無闇に音を重ねて全体を潰さないテクニックのポイントなんです。


そして、実は今回の1番の小ネタはこれ。

90年代TKサウンドオマージュなJD-800サウンド!

元々ふくりゅうさんがアイラヴミーさんの存在をSNSにアップしていたのが彼らを知ったキッカケだったから、ふくりゅうさんが日々積極的にアップされている小室哲哉氏のサウンドの中から渋谷といえば!と僕が思うサウンドをオマージュしたいなと最初から思っていました。僕なりの、大人の遊びも交えながらジョークのつもりで選んだのが、この楽器。「でも生きている」で始まるサビの部分でピアノを弾いていますが、この音、どこかで聴いたことありませんか?


そう。globeのDeparturesの音、そのまんまです。

ファンの皆さんはきっとよくご存知、Roland JD-800のピアノプリセット「53番」です。日本でこのシンセを語る時は小室さんの存在がフィーチャーされますよね。この楽器は本当に90年代のキラキラとした空気を当時のムードそのままに表現してくれる。他に僕が好きな音色は、同じく小室さんが作り、映画「SUNNY」で注目を浴びた「Sweet 19 Blues」のエレピ、ピアノ。

現代の音楽シーンにおいて90年代の音は、低音に使うにはあまりにローエンドが足りないため向いてはいませんが、ミッド、ハイを埋めるために使うと一気に煌きが現れ、このドス黒い空気が充満した2020年に一気に希望の光を照らし出してくれます。僕は自分の楽曲では「Reason」「Hello」でこのシンセの持つ「Fantasia 90's」というプリセットを使っています。


話を元に戻します。このプリセット53番で使ったピアノのサウンド、コードを弾くだけで一気にさりげない程度に「Departures」感が香ります。音楽ってこういう「香り」の部分がとっても大事。料理で言うスパイスや香り付のためのハーブ、焦がしみたいなもので、聴いた第一印象で目立たない、でもなんか奥の方で雰囲気を司っている音がどんなものなのかが超重要!

渋谷の始発、渋谷から始まる物語を描く時、「宮益坂の新開発ぶり」的な現代性溢れるアナログシンセの使い方の中に、「ザ・センター街」なTKサウンドオマージュな音色を混ぜてあげる。そうするだけで、感覚的に多くの世代にとっての渋谷像が音の重なりによって生まれていくんです。


2000年代〜現代の隠し味的高音域 Access VIRUS

そして、90年代後半から2000年代を支えたアナログモデリングシンセの代表格、ドイツが誇るAccess社の一台、VIRUS TI2 Polarです。

このシンセはとにかくアナログには切れ味が特徴。特にパッドでの高音域の伸び具合は他のどのシンセにも真似できません。おそらく僕が所有しているシンセの中で最も現代のソフトシンセに近い世界観ですが、このシンセの凄さはソフトじゃ到底手が届かないスピーカー音像の上の上まで音が澄み渡っていくこと。ミッドからハイエンドにかけての突き抜け具合は他の追随を一切許していません。

アナログシンセの音は個人的にはとても好きなものの、意外とCMや企業映像などのクライアントワークの時には「古臭い」「もっと未来感ある音にして欲しい」「懐かしい感じがする」と言われがちです。

クライアントやクリエイティブのトップに40~60代の方が多いからだと思います。そういう時は、このVIRUSを使って高音域に伸びのあるサウンドを付与してあげるだけで、一気にスタイリッシュな印象を作ってあげることができるんです。本当、音色が僕らの仕事のクオリティの全てを決めます。

とりわけ、90年代後半〜2000年代前半のトランス、2010年代前半のEDM黎明期のサウンドにはVIRUSはその攻撃力を発揮していました。えも言われぬ切れ味と澄んだスタジアム感はこの楽器のベースやリード、パッドによるもの。とにかくレンジがアホみたいに広くて、アナログで前面部分や低音エリアをしっかり下支えしてあげたのちに、何か音が中域エリアで詰まっているなと感じたらVIRUSで一気に解決します。

今回の楽曲では、全般を通じてサイドチェインでウネウネさせながら、冒頭の歌い出しから一番全体、ラストのドロップを盛り上げています。


ドロップの切り札 ギターのサンプリング

2番のサビメロ「ほら生きているんだ」の後からの8小節で、聴いた全員を楽園に連れて行かなければいけない。そんな気持ちで作ってはいたものの、どうもシンセだけでは、踊れるんだけど、トリップできない。なんだろうこの物足りなさは?と感じていました。結局、ここを作り込むために悩んだ時間がとても長く、更に1日半も悩むことに。

色々試しているうちに、そういえばと開いたNative Instrumentsのこれに、めちゃくちゃ合うサンプルが入っていました。

結局、悩みに悩んだ末、超贅沢な音作りをしたこのリミックスの要になったのはソフトシンセのサンプルでした(笑)音楽ってこれだから面白い。

それを入れた瞬間、思わずヘッドフォンで夜中作業していた僕は「きたーーーーーーーー!!!!!」とガッツポーズしていました。

ギターのサンプルがいい具合に中域に引っかかって、ハイハットと絡み合うことでベースの旋律を一切妨げることなく音像のパズルが埋まったんです。このギターの音が「レ」の音しか鳴っていないのも、聴く人にギターによる旋律感を与えたくなかったから。ベースに耳の中心がいくように、存在感はありつつ音程感がなくただ気持ちいい音、に徹してもらったんです。

こうして、バチっと全てがハマり、この曲はアレンジ完了。最後の最後で自分が思っていた以上の音像が出来上がり、大満足でミックスに移ります。


ほぼ何もしないのが最高のミックス

僕がトラックを作っている時、一番意識することです。曲を組み立てていく段階で、不要な帯域に不要な音は絶対に突っ込んだりしない。だから、アレンジがまとまる時点でほぼミックスはできている状態になります。

そこから先は、いかに音楽に立体感と迫力を付与できるか。

低域の艶感、中域が痛くならない程度にガッツがあり、高域の煌きが最大化するようにミックスする。ミックスについては普遍的な方法論が僕にはあるのでそれは改めて書いていきますが、ポイントはやはり「最初の段階でいかに狙い通りの音色を作るか」です。

適切なアナログ処理による音のキャラ付け

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僕のミックスは、ここにある色んなアナログ機材を通って構成されています。高級なものから、意外とお値打ちなものまで色々使いますが、とにかく大事なのは「どれを通ったらどんな音になるか」という効果を自分自身が感覚的に理解できていること。

通す順番もすごく重要だし、アナログを通ることによってブーストされる帯域はそれぞれ個性がある。プラグインもそうですが、「どのプラグインを使うとどんな効果がある」というイメージを持って使い分けることで、目的を持って音像を整えていくことが可能に。

4月以降、自宅でのサウンドクオリティを更に一歩先に向かわせるべくアウトボード最下段の「サミングミキサー」で僕の音楽をコントロールしています。国産の「カフェ・オ・レーベル」さんというメーカーの「AMATERAS」という機材を使っています。

僕はこれ以外にもCarnhill、Lundahl社の2chのライントランスも日々使っています。これを使うようになってから、Pro Tools内で完結させていたステムとは全く別世界の深みと広がりがあるサウンドが手に入りました。

伊勢に心酔している僕としては、名前に惹かれて最初は手を出しましたが(笑)その効果は的面!Lundahl社のトランスは個人的には現代的なローエンドが必要なミックスには向かないと僕は思っていて、買うならCarnhill社をお勧めします。Lundahl社のトランスは、切れ味抜群の高域が欲しい時に使います。目的別に使い分けると、アナログはどのプラグインより優秀です。


極力リミッターを使わずに音圧を稼ぐ。

僕の楽曲のミックスは、かなりダイナミックレンジを残した状態で終了します。コンプレッション目的でリミッターをほとんどかけないのが特徴。他の曲に比べて多少ラウドネスが落ちたとしても、聴いていて細かやかな音像がサブスクでも見えるように作りたい、という想いで毎曲仕上げています。

音を大きく見せていくために、僕はまずSSL社の普及機系マイクプリ「SSL XLogic Alpha VHD Pre」でサチュレーション(場合によっては2mixに更にゲインを付加)ナチュラル方のアウトボードコンプ「Dangerous Compressor」、そして更にCarhhill社製の2ch「AMATERAS」ライントランスを通します。

サミングミキサーを使うとアナログで書き出さないと2mixにマスター処理を施せないため、全て書き出してからマスタープラグインを挿し、更に2段回調整をかけてミックスを作ります。全て実時間分書き出しに時間がかかるので、直そうとすると全部やり直し。Pro Tools内でやっていた頃の何倍時間がかかるんだろう・・・(笑)でも絶対に妥協できないんです。ここで頑張っておくと、マスタリングで更に楽曲が輝きだすから。


マスタリングは僕の最後の砦、Dr. SWING氏。

僕の楽曲、特に僕がプロデュース権限を完全に持っている曲は全て、最終段階であるマスタリングをこちら「Crystal Sound」で行っています。エンジニアはDr. SWING氏。彼に僕の曲を託すから僕の音は完成する。

2年前に初めてアルバム「BRAINSTORM」をお願いした時は僕自身も手探りでしたが、毎月贅沢な環境でマスタリングをやっていると僕の耳も良くなるものです。彼の帯域操作一つ一つの変化が僕も耳で追えるようになってきているので、作業効率も大幅にアップしています。特に今は自分でミックスもしていて、ミックスまででやってきたこととマスタリングで目指すことの差分が自分の頭の中で明確に描けている。この信頼関係が重要で、最初に楽曲におけるポイントを伝えておけば、非常にスムーズに楽曲が完成します。

マスタリングを毎月のようにしていて思うのは、
ミックスやアレンジが一番上手くなる方法は
「最高の音質で自分の楽曲を聴きまくること」です。

ミックスで追求した音がPro Tools内ではどういう音になって、アナログを通すとどういう音になるのか。それが自分で予想できるようになると、マスタリングでこのミックスはどのレベルまで上げられるか、が何となくわかってきます。(その想像を毎回超えられるから僕はSWING氏に依頼し続けるんですけどね)インディの規模で、毎月こんなにお金をかけてマスタリングを行うのは正直大変だし資金回収はなかなか難しいかもしれませんが、僕はその分、前月のマスタリングで感じた課題を当月に、当月のを来月でと改善し続けた結果、ミックスの腕前にもかなり自信が持てるようになりました。

SWING氏は僕のサウンドの好みを完璧に理解してくれているので、もし僕のサウンドを参考にしてくださっているDTMerの皆さんはぜひ、インスタから彼にマスタリングの相談をしてみてください。音に対する霊的なこだわりは、度肝を抜かれますよ。音を変えるのに何が一番効果的なのか、是非彼の口から聞いてみてください。


リミックスもコラボも、どんどんやりたい!

かくして完成した「でも生きている Kotaro Saito Remix」、僕もプライベートで結構聴いてしまっています。僕は自分の曲を自分が普段楽しく聴けるレベルに持っていかないと絶対に嫌なタイプなので、逆に自分の曲をプライベートでかけまくります。他の方のオリジナル音源を自分のエッセンスでガラッと変えるそのアプローチ、僕は結構自分的にも好きです。

アイラヴミーの皆さん、
今回は素敵なご縁をありがとうございました。
今度はオリジナルも一緒に作りましょう。

そしてふくりゅうさん、僕らのコラボを手厚く紹介してくださり
重ね重ねありがとうございました。


他のアーティストの皆さんへ
僕にリミックスを相談したいという方がいれば、メジャー・インディーズ問わずご気軽にお問い合わせください!面白そうだなと思えば、ガンガンやらせてもらいます!ウェブサイトから問合せいただけます。


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