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「あの人がつくるから見る」テレビ番組も指名買いの時代へ

こんにちは、コピーライターの阿部広太郎です。

では、さっそく。結論から言うと、テレビのつくり手の人たちも、どんどんSNSで発信をしている今…

10月から毎週土曜夜9時55分〜放送のテレビ朝日『あざとくて何が悪いの?(演出・P:芦田太郎さん)が楽しみだぞ、というnoteです。

第1・2・3弾目の放送では、Twitterでトレンド入りをしていたので「あ〜っ!」と思った方もいるのではないかと思う。

第3弾目はTVerから視聴可能です(8/1土まで)

『10月からレギュラー決定!』そのニュースを見て、僕のタイムラインでも祝福ムードが広がっていた。

と言うのも番組の演出・プロデューサーである芦田太郎さんに、その前の週にお話を伺っていたばかりだったからだ。

そう、僕の主宰する『企画でメシを食っていく』の連続講座「言葉の企画2020」のゲスト講師として芦田くんに来てもらったんです。

(社会人同期である芦田さんのことはいつも 芦田 or 芦田くんと呼んでいるのでここからは芦田くんと呼ばせてください🙏🏻)

もう13年ほど前。僕が就職活動をしていた時、同じ会社の選考を受けていた時に芦田くんと出会い、そこから縁がつづいて、彼が同じく演出・Pを務める番組「あいつ今何してる?」の宣伝ポスターを制作させてもらったり(2016年のその時の出来事の詳細はこちらのnoteに)

お互いの近況をSNSを通じてどことなーく知っていたこの4年間。

先日、話を聞いた2時間は、めちゃくちゃ美味しいチーズケーキを食べた後みたいに、じんわりと余韻がすごくて。会っていない間の彼の膨大な思考の探索を垣間見てしまった。

特に印象に残ったことを書き記しておきたい。

●その演者でやる意味があるか。

芦田くんのつくる番組の多くは、出演者の方たちが、楽しそうというより、嬉しそうというより、幸せそうな顔をしている。眼福。見ているこちらも幸せを感じる。「あざとい」という概念を通じて、みんなが表情がどんどんにこやかになっていく。

出演者の方たちの「魅力を最大限引き出すためにどうすればいいのか?」という問いが彼の中にある。テレビという舞台装置はそうあるべき、という彼の哲学。

●番組は1回で出し切ってはいけない。

1回で全てを出し切る映画とは違って、テレビ番組は、レギュラーになれば、毎週、毎週、つづいていく。伸びしろ。余白。パターン(具体例)を想像できる企画にしなければ、会議でも通りづらい。

1回で出し切ってはいけない。まだまだあるぞと思わせないといけない。その考え方がおもしろかった。確かにそうだ、長寿番組ほど、「まだまだ」を感じさせながら、変化しつつ生きつづけている。

●調子に乗っている暇なんてない。

30代に入り、仕事も順調で、いい意味で調子に乗っても良さそうだが、芦田くんはそう言い切る。

その背景には、今、テレビが、若い世代に振り向いてもらうために、変わろうとしていることもあると思う。

『世帯視聴率から個人視聴率へ(世帯でカウントするのではなく、個の実数をカウントしていく測定方法)』の話も、ニュースで見ているより、つくり手から聞くことで切実さが伝わった。

ビデオリサーチは、「個人視聴率」を強化する理由について、「視聴者の実像をはっきりさせ、これからのテレビメディアの価値を示し、環境変化に対応した指標を提供していくため」と説明する。視聴率データと、別のマーケティング調査との連携などを例に挙げ、「視聴者の関心分野をより詳しく分析することも可能になるだろう」と話す。

(中略)

算出方法の違いで、世帯視聴率で2桁を記録していた番組が、個人視聴率で1桁になる例は多い。制作現場のディレクターからは「2桁視聴率を目指して長年番組を作ってきた。1桁で高視聴率だといわれてもピンとこない」との声も。

(引用:ITmedia NEWS『視聴率調査、世帯から個人へ より正確な計測で広告の効果向上狙う』より)

どんな人が何人、その番組を見ているか具体的にわかるようになる。すると広告主も、ただ視聴率が良い悪いだけではなく、若い世代向けの商品なら、若い世代に訴求力のある番組を欲するようになる。

芦田くんのツイートからもその葛藤がうかがえる。

指名買いの時代へ

『指名買いとは、特定の店舗や人から購入すること、またはほしい商品が決まっており、商品を指定して購入すること』

つくり手の芦田くんの思いを知った今、僕や、僕たちは、プチ関係者になる。プチ関係者だから、結果どうなったのかが知りたくなる。見たくなる。

これがいわゆる「モノ消費」でもなく「コト消費」でもなく「ヒト消費」なのかもしれない。

手にとるきっかけは、「物が魅力的だから」もあるし「体験が魅力的」というのもあるけど、魅力的な「人」を通じて新しい世界を知る、もどんどん増えていく。

当たり前といえば、当たり前なんだけど、人に人が集まる。

テレビのつくり手の人たちも、どんどんSNSで発信をしている今、「ヒト」を起点にお気に入りの番組が見つかる。そんな時代がもうそこまできている。

最後に。このカメラを持っているのが芦田くんなのですが、いいなあ。うらやましい笑。

夜に食べるスイーツみたいに甘美な番組『あざとくて何が悪いの?』のレギュラー化。今から楽しみなのです!

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