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言葉の企画2019

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言葉って何だろう?企画って何だろう?半年間、考え続ける。形にしてみる。BUKATSUDO連続講座「言葉の企画」にまつわるnoteです。
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#私の素敵な人

「素敵」という言葉を使わず、素敵を語れ!

コピーライター阿部広太郎さん主宰「言葉の企画」第4回目の講義。 今回は、「あなたの素敵な人についてエッセイを書いてください」という課題だった。私は、母について800字程度で「簡単」にまとめてしまった。「全然、伝わらないな」と反省しかない。 私が書いた文章は上記だ。 その文章に対して、阿部さんから下記のコメントを頂いた。 素敵とはなにかをエッセイの中に、定義する必要はないです。ただ、「支えてくれた人」である以上に、どんなエピソードがあったのか、もっとそこにある物語を知り

もう一度、逢えるのなら。

わたしには、2人お母さんがいる。 1人は生みのお母さん。 もう1人のお母さん。それがこれから話をする、Ann。 2011年8月。18歳の1か月。 アメリカのオレゴンに ホームステイしたときのホストマザー。 当時60歳くらいだったはず。 Annの素敵さは、みんなを笑顔にする チャーミングなその人柄。 そして、包まれるようなあったかさ。 いつも、どんなときも笑顔で 人のいいところをたくさん見つけて たくさん褒める人。 アートが大好きで、自分が感じていることを とっ

私のステキな人を、私がステキに書くために考えたこと。

コピーライター阿部広太郎さん主宰「言葉の企画」 第4回目の講義が終わりました。 今回は、「あなたの素敵な人」についてエッセイを書いてくださいという宿題。文字数は3000字以内。 「素敵な人」なんてたくさんいるから、誰のことを書こうか迷ったけど、最終的に選んだのは、大人になってから出会った恩師。 教育講座「宣伝会議」の「コピーライター養成講座 叩き上げコース」でお世話になっていたコピーライター赤城廣治さんのことを書きました。 赤城さんとは2017年10月に出会って以降

夏の面影

青空が広がり大きな入道雲が浮かぶ。 夏の始まりを感じさせる。 1番好きな季節がやってきた。 夏の思い出と言えば 花火大会、お祭り、海 ビアガーデン、かき氷など。 好きなことも思い出もたくさんあるけれど 1番の思い出は部活動だ。 たくさん汗をかいて声を出して ボールを追いかけた日々は忘れられない、 青春の思い出。 言葉の企画第4回の課題は 「わたしの素敵な人」 素敵とはどんな意味を持っているのだろう。 改めてその意味を考えたくなった。 意味を調べてみると「素晴らしい

東京で「ただいま」と言える場所をくれた人

「しんみ、おかえり!」 大きな声でそう言って、笑顔で迎え入れてくれる。 1年9ヶ月前、私に東京の居場所をくれた人。恩師でありコピーライター赤城廣治(あかぎこうじ)さんとのエピソードを聞いてほしい。 2017年10月28日〜2018年2月3日まで、私は教育講座「宣伝会議」の「コピーライター養成講座 叩き上げコース3期」でキャッチコピーの勉強をしていた。 元はと言えば「自堕落な生活習慣を改善したい」と笑われて仕方のない動機で始めたキャッチコピーの勉強。広告業界に対して高い

一言で語れないからこそ、 「素敵」と言いたい。

大学に入学してから院を卒業するまでの6年間。 僕は軽音サークルに所属していた。 活動は三ヶ月に一度LIVEをする程度で、もちろん参加は自由。 常に200人以上が所属している大きなサークルだったから、 本当にいろんな人がいた。 オリジナルバンドを組んで本気で音楽をやる人。 飲み会にだけ顔を出す人。 オレンジの服しか着ない人。 いい意味でもわるい意味でも とにかく個性的な人が集まっていたけど、 その中でも一際目立っていたのがKさんだった。 留年しまくっていたKさんは、出会っ

「愛」をそそがれ

私は徳島の田舎で育った。そして、双子の兄のいる三兄妹の末っ子長女。待望の女の子が生まれたと近所の人も喜んでいたとか。もちろん両親も私にベッタリだったと思う。 私の育った町はお母さんが育った町。自営業をしている関係でお店をお母さんが引き継いだからだった。お母さんはお店もあるので家にいることがほとんどで、お父さんはサラリーマンとして外に出ていることが多かった。 自営業ということで、家には誰かがいる状態あったので寂しいと思ったことはなかった。 小さい頃と今も気持ちは変わらな

status quoを変えられる人

私は昔から、status quo (ステータス・クオ) を変えられる人に憧れている。 ライト兄弟やキング牧師、スティーブ・ジョブスやアインシュタイン。 ベタだけど、やっぱりかっこいいと思う。 ”status quo” は「現状」と訳されるが、 使われ方として、 「常識とされている考え方」 「自分の現状(周囲から与えられた役割)」 という2つの現状があると思う。 例えば、有名なappleのCM「Think Different」 The ones who see thin

わたしの思う「素敵な人」

「素敵な人」をテーマにエッセイを書く、というお題をいただいた。 ただ、私は「素敵」という言葉を頻繁に使うので、今その定義に困っている。 【素敵】[形動]...自分の気持ちに合っていて、心を引かれるさま。非常にすぐれているさま。程度がはなはだしいさま 引用:goo国語辞書 何かにつけて「素敵です」と言って「素敵だった」などと書いてきた。とても便利な言葉で“素敵な” 言葉だと改めて思うけど、本当に「非常にすぐれている」ときに使っているだろうか。 「言葉の企画」初回の講座

トライを続ける男の話

彼は燃えていた。 50mは先にいただろうか。 遠くからでもひと目で分かるほどに、異様な空気を放っていた。 何がそこまで彼を駆り立てているのか分からないが、 まるで選挙演説で市民一人ひとりに政策を訴えかけるように、 熱を発している男がいた。 高校に入学して1週間ほど経った頃だろうか。 放課後、どの部活を見学しようかなと悩んでいたところに、彼は現れた。 彼はラグビー部の顧問として、グラウンドのそばで新入部員の勧誘を行なっていた。 「ラグビーは紳士のスポーツだから」 「一

老人と海と私

夜が明ける前に家を出て、海の上で朝を迎える。 どこからが海で、どこからが空なのか 天地の境のない、真っ暗な世界。 ブルンブルンッ、ドッ ドッ ドッ ドッーー エンジンキーをひねると、船が震えだす。足の裏から伝わる細かな振動。 波に合わせて船が揺蕩うので、腹に力を入れて、体を支える。 真っ直ぐ前を見て、舵を切る。 - 祖父は漁師だ。海の漢だ。 たった一人で、沖に出る。仕掛けも道具も自分でつくる。 季節を読んで、漁を選び、潮を読んで、罠を落とす。 風を読んで、雨を避け、景色

愛する母へ、おくる言葉。

7月中旬、母が入院した。 「ママ、鼻に腫瘍あったわ。絶対治すから大丈夫やけど。」 半年前の冬、実家に帰省した私に、 母は突然ポロっとこぼすようにそう言った。 平然と話す母の反面、驚き動揺した事を覚えている。 あれから半年後の先週、母は手術のため入院した。 手術の前夜。 私は何だか不安になって、母に電話をかけた。 「大丈夫やで。ありがとうね。」 携帯の向こう側から聞こえるその優しい声に安心する私。 電話を切って、「いや、なんで私が励まされてんねん」と自分に突っ込

夕焼けとフライドポテト。

はじめに。 言葉の企画4回目の課題が「あなたの「素敵」な人についてというエッセイをnoteに書く」という苦手なもので、どうにも時間がかかってしまった。 就活もまだ終わらないし、圧迫面接もあったりで、気持ちの波が大きすぎてMacを閉じてしまう日が多かった。 素敵な人って?いまそんな事考えていられないんだよなあなんて思ってしまった時も正直ある。トニースタークの事でも書こうかな、とも思ったり。 大学前期も終わるタイミングだったから、課題もあるしテストもあるし、寝てないし、色々なこと

「ポンコツ」と呼んだひと

「M美と付き合ってるなら、殺す」 そんな物騒な言葉が、わたしたちの始まりでした。 大学二年生のとき、専攻で出会った、 わたしの、大好きで、大切で、 一生付き合っていきたい男友達の話をします。 わたしたちの代は、他の代に比べて、異色に派手だったのですが、 その代の男の子の中で、わたしの愛すべき男友達 (以下黄色くんと呼びます)は ダントツにポンコツです。 タバコは吸うわ、講義は来ないわ、 宿題やってないわ、ヘラヘラしているわ… だから、初めての同期懇親会のとき、 わ