マガジンのカバー画像

言葉の企画2019

269
言葉って何だろう?企画って何だろう?半年間、考え続ける。形にしてみる。BUKATSUDO連続講座「言葉の企画」にまつわるnoteです。
運営しているクリエイター

2019年10月の記事一覧

「誰かの答えを生きない、自分の答えを生きてほしい」

みなさんに問い続けてきたことがあります。 伝えるではなく伝わるように書くこと。 「はい、これどうぞ」と次から次へと課題をさしだされる。 それを企画する。 1回目から6回目まで気付いてほしかったこと。 それは「自分とはなにか」ということ―― コピーライターの阿部広太郎さんの最終講義がはじまりました。 2019年10月5日、横浜みなとみらいのBUKATSUDOにて「言葉の企画」の第6回目(最終回)の様子をお届けします。 半年間、特別な時間を過ごしました上でのこの日。

記念日はつくれる!5/18「ことばの日」制定の舞台裏 ~いつまでも続く記念日のはじまり!~

みなさん、こんにちは。 「言葉の企画2019」の企画生、立山紫野です。 「言葉の企画」は、コピーライターの阿部広太郎さんが主宰の「企画でメシを食っていく」講座スピンオフです。全6回・半年間開講され、先日の10月5日に最終回を迎えました。 この講座から生まれた「ことばの日をつくろうプロジェクト(=以下、ことばの日PJ)」は、第1回目の課題「一生忘れられない経験を企画する」に対し、「言葉の企画」が開講された初回5月18日を「ことば(5+10+8)の日」という記念日とし、実際に

おもしろそうと思ったら、もうはじまっている。#企画祭 開催に寄せて

縁のない世界だと思ってた。 アイデアとか、企画とか、デザインとか、ね。もちろんそういう仕事があることも知っていたし、テレビで流れるドラマも、映画館で観る映画も、「だれか」がつくったものだけど、その「だれか」がだれかなんて考えたこともなかった。遠い遠い世界の話だと思っていた。のに。 自分の話になっちゃったのは、出会ってしまったからだ。 Twitterに書いたんだけど、もう12年の付き合いになる友人がいる。その彼と出会わなかったら、今、コピーを書いたり、作詞をしたり、言葉の

なんでもない日常に戻らない。

10月も半ばを過ぎて、すっかり街は秋の装いだ。しとしとと降る雨には少しうんざりするけれど、ときおり漂ってくる金木犀の香りに気分がやすらぐ。 ついこの間まで春だったのになぁ。 「言葉の企画」の振り返りをすると、時の流れの早さに気がついてしまう。 先日ついに、半年間の講義の最終回が行われた。 最終講義は、立候補した26人の企画生が前に立ち、「自分の企画」〜どんな企画をする人になりますか?〜をテーマにプレゼンするというもの。 わたしはちょっと悩んだものの、立候補をしなか

言葉のバトンを繋いで、私たちが見つけたこと。(言葉の企画2019 特別報告会レポート)

コピーライター阿部広太郎さん主宰「言葉の企画2019」。 10月5日(土)、秋の訪れとともに、卒業の日をむかえました。 しかし、私たちの「言葉」と「企画」の道は、この先も続く。短くて暑かった今年の夏を振り返りながら、また次への一歩を踏み出していきましょう。 8月31日(土)下北沢B&Bで行われた「言葉の企画2019」のトークイベント「『言葉を企画して何が変わった?』特別報告会」。 阿部広太郎さんと共に、「言葉の企画」の企画生、鈴木勇輔さん、ふくままさひろさん、立山紫野さ

その日ぼくらは、笑って遺書を交換した。

いつもより笑い合っていた気がする。 悲壮感なんて一切なかった。ふたりしてニコニコしていた。ピース。 ぼくらのこれまでのやりとりとか、関係性とか。フィルムカメラで撮った写真に全部映っていた。 手にとった封筒の名前は、遺書。手渡しをして、じっくり眺める。慎重にしまう。この先にどんな未来が待ち受けているのか、楽しみで仕方がなかった。 事の発端はある“課題”からだった。 ※※※ 「企画する人を世の中に増やしたい」その一心で、2015年から『企画でメシを食っていく』という連

あなたは、あなたになるんです。

「誰に、何を、どのように、伝えるか」 マーケティングに関わる方なら、誰しもがこのようなことを考えてコンテンツを制作していると思います。しかし、SNSが普及した昨今では、それだけではいけません。「誰が」「誰に」「何を」「どのように」伝えるかが重要になっています。従来のフレームワークに「誰が」が加わったんです。 Twitter、Facebook、InstagramなどのSNSが普及した昨今、インフルエンサーと呼ばれる方々が台頭したことにより、「誰が」発信するかが、マーケティン

「つくる」。これも「ことば」のひとつ。

この半年、いちばん時間を使ったのが「つくる」ことだったな、と企画祭の打ち合わせをzoomでみんなとしながら、ふと思ったりした。 「ことば」が何かを伝えるための手段なら、 つくることだって「ことば」のひとつじゃないかな、とわたしは思う。 この半年でわたしはテレビを見なくなった代わりに、ラジオとBluetoothのスピーカーをつけるのが習慣になった。カッターマットと友達になり、お気に入りのカッター(角度45度)を手に入れた。学生以来だな、カッターにこだわったの。建築科を卒

居場所になれる人へ(言葉の企画最終回)

そもそも僕はなんで、 「言葉」が好きなんだろう? そう思って原点を振り返ってみると、 僕は昔、百人一首が大好きだった、 というのが大きいかもしれない。 物心ついた頃から始めて、 高校の頃には学校の代表としても戦わせてもらっていた。 幼少期、体が弱くて全然学校へ行けなかった時代、いつも遊び相手は2世帯住宅に住む、祖父母だった。 遊び道具はそう、百人一首。 子どもの脳の記憶力はすさまじいと言うけど、 まさに僕は学校に行かないで、百人一首を毎日のようにやっていた。

結(ゆい)の企画をする人へ

このnoteは、阿部広太郎さん主催の連続講座「言葉の企画」で出た課題「"自分の企画"を作文にしよう」で出した作文です。 -*-*-*-*-*-*-*- 「新原って名前、もしかしたらご先祖様は新しい原っぱを開拓してきた人なのかもね。」 そんな言葉をサラッと言ってくださる阿部広太郎さんに出会った。瞬時に言葉を企画する人だった。 自分も『何か』を企画出来る人になりたい。もしもご先祖様が開拓してきた人なのであれば、自分は企画という道で開拓していきたい。 そんな想いを抱きながら

弱さを感じるのは、大きなものに向き合っている証拠だ。

僕が主宰をする連続講座『企画でメシを食っていく』。 開催される横浜みなとみらい。そこからの帰り道はいつも振り返ってばかり。 ああ、あそこではちがう言葉を選んだ方が良かったな、とか。受けこたえとしてあっちの方がより良かったかもしれない、とか。振り返って、充実感をかみしめながらも、流れていく電車の外の景色を見つめる。 人前に立つ。座る。そして話す。 そうするからには、過剰におどおどしている訳にはいかないし、不安はぐっとこらえて飲み込んで。そう、聞いてくれてるみなさんが心配

巻き込み、繋がり、助け合い。

少しでいい、少しだけでも素直になれたら こんなにあったかくて、大好きなものを受け取れるのかと思った。 「待って!」 って初めて走った。 「そっか、またね」って言ってから、いや、やだやっぱり引き止めたい。 わたしも動けるんだ、って。 動こうと思えるんだって、自分でびっくりした。 「言葉の企画」がラストだった。 まさか最後の日に、こんな気持ちになるなんて思ってもみなかった。 阿部さんがこの最後の講義の初めに言った「ラストとスタートは似ている」。 ほんとだな、って思いながら聞い

言葉の力に助けられて。

終わりの日のはずなのに 始まりの気配を感じながら 清々しい気持ちでみなとみらいに向かう。 なんだか足取りも軽くて 休日を楽しむ人が行き交うみなとみらいの街中を 駆け出したい気分になりながら その時が来て欲しくなくて 噛み締めるようにゆっくりと前を向きながら歩いた。 ************************ 2019年10月5日。 言葉の企画の最終回。 企画生の前で最終発表をする日。 希望制だったがすぐに名前を打ち込んだ。 節目として自分自身と向き合って

握手以上に、君に近づきたい

■見知った天井と、見知らぬ温かさ 目が覚める。 いつも見ている天井。自分の部屋。 昨日までの暑さとは、うってかわって、少し寒い。窓を開けっぱなしにしたせいか、いつもよりずいぶん早い時間に起きてしまった。朝の冷たい空気は、気持ち良くもあるが、どこか心にぽっかりと空いてしまった穴の存在を教えてくれる。夢の中で、何かをし忘れてしまったような寂しさを感じさせる、そんな目覚めだ。 ふと横に目をやると、文庫とすだちが置いてある。 卒業式でもらった「企画文庫」と、企画生が持って来て