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対ロシアにおける欧米諸国との協調について

日本の国防に関わることですが、経済も無関係ではないのでエントリを書いてみました。
ちょっと前にこんな記事が出ていましたね。


4月に行われた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の方では、日本から出席した鈴木財務相は欧米諸国に追従せず退席しませんでした。
僕はTwitter上で茶化したのですが、、、


今回の萩生田経産相の動きは悪くないと思いますよ。
日本は地政学上の脅威を欧米と共有している、という認識を分かりやすい行動で示し、メディアに拡散させるのは非常に重要です。

「日本は欧米追従ではなく、トルコのように賢く国益を追求すべき。」という意見も多々ありますが、僕は上記の意見には全面的には賛同しない立場です。
確かに、今回のロシア制裁に同調する国より、同調しない国の方が多数派であるのは事実です。

また、例えばトルコのように、北欧2カ国のNATO加盟申請に対して一旦反対を示して交渉をふっかける等のムーブも戦術のオプションとしてはあり得るとは思うのですが、、、


現状の日本の立場や実力、重ねてきた行動などを踏まえると、「今の日本」の最適解は「欧米協調(追従)」かなと。
(情けない話ではありますが。。)

以下、僕がそう考える理由を解説します。


①日本の安全保障リスクは極めて高い

まず、日本はロシア、中国、北朝鮮という「核保有」の「権威主義国家」に囲まれています。
これらの国家は、残念ながら直近でロシアが示した通り、国際法を尊重せず、現在進行形で他国への武力による干渉を行っています。
(ウクライナ侵攻、クリミア侵攻、チベット問題、ウイグル問題、日本人拉致等)

日本を取り巻く安全保障リスクの高さは喫緊の問題であることに反論の余地は無いでしょう。


②日本は経済力・防衛力の向上努力が足りていない

そのうえ日本は、自国の経済力や防衛力に強い縛りを課している現状があります。(緊縮財政、憲法、非核三原則、防衛費1%等)
これらの改善には、どんなに急いでも数年単位の時間が必要でしょう。

それに、

・政府が経済音痴でデフレ誘導政策を続けている(しょぼい財政、増税等)
・根拠の無い防衛費のGDP1%ルール
・憲法9条未だ改正できず

等の日本の状況は、相手方の欧米諸国から見たら「なんでこんなにやる気ないの?」と見られても仕方ないと思いますよ。
第2次世界大戦以降の歴史的経緯においては日本側からの言い分もあるのですが、相手がそれらの言い分を理解するかは別問題です。

欧米社会では特に、利益とリスクを共有する相手に求めるのは、「効果的な行動」です。
努力が足りないヤツは、「頼りなくてパートナーには相応しくない」とみられても仕方ないと思われます。


③同盟ネットワークは戦争リスクを低減する

一方で、軍事同盟は戦争をふっかけられるリスクを引き下げるのは紛れもない事実です。

よって、戦争発生リスクが高く、経済力や軍事力向上に制約があり、その改善には長い時間が必要な日本は、足元では「自由主義陣営の主要先進国」との同盟関係を急ぎ深化させることが極めて重要になります。

経済力や防衛力については、中長期の時間軸で、民主的なプロセスを経て改善・向上の努力をしつつ、価値観を共有する主要民主主義国家との同盟関係強化を同時進行で急ぎ進める、というのが現状の日本における最適解でしょう。

そのためには、「なんか頼りなくね?」と思われかねない行動を普段からとっている日本は、多少パフォーマンスじみていても、欧米諸国とはなるべく協調路線を取る必要があると思うのです。


というか本件はそもそも、「国連常任理事国が事もあろうに、国際法を破り他の主権国家に武力の先制行使を行い現状変更を試みた」という、国連中心の国際秩序を否定する行為です。

本件に対して中立的な立場をとることは、こうした国際法違反の行動を容認するというメッセージになりかねません。

「正義義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求」する旨の憲法を戴く日本としては、価値観を共有する自由主義陣営の諸国と協調して本件に対応するのが、アジア太平洋地域における主要先進国としての責任というものでしょう。

その上で、どの程度前のめりで行くかについてはさまざまな議論があり得ると思いますが、現状の日本の立場を踏まえると、あまり交渉めいた行動は取りにくいかなと思う、という感じですね。


上記で述べたように、日本の安全保障リスクは極めて高い状態が続きます。
そして、こうした安全保障リスクが顕在化した場合には、同盟国からの素早く強力な支援を得る必要があります。
そして、そんな緊急時において支援を素早く行ってもらえる可能性を高めるためには、日頃からの努力が大切になると思います。

アジア諸国においてロシア制裁に参加しない国の方が圧倒的に多い状況において、日本は様子見をするのが良いか、それとも欧米に協調するのが良いか。。。

難しい問題ではありますが、旗頭を鮮明にしている日本政府の選択は、それほど間違っていないと評価したいと思います。


最後まで読んでいただきありがとうございました!
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